第2話

ぐったり……。

今日はそんな日だった。

給与は手取り13万。

それは自分が選んだ職だからやむを得ない。


上司への積極的なサポートを心掛けても、どこか迷いが生じる。

「判断はこれでよいのだろうか?」

「本当にそう言っているのだろうか?」

などと考えているうちに、一刻を争う状況で時間だけが過ぎ、後で説教を食う。


"普通の人間"が知っている基準を知らない自分。

"暗黙の了解"を理解できない自分。

説教をされた後、『その歳でそんなこともできないのか。』と、いうメッセージのように鼻で笑われ、「頑張れ。」と言われる。

実際、「いまなんさいだっけ?」「もう25さいでしょ?」「わたしがおやだったらひっぱたいてるわ。」とは言われ、相当な屈辱感を味わった。


彼等の頭の回転スピード、判断能力に、この歳から追い付かなければならない(勉強していかなければならない) ことに嫌気が差すが、仕方がない。

その面においては、俺は不運な人間なのだから。


仕事以外では、生きるというのは仲間を選べる戦い。

裏で何を言われているかは想像せず、明日から、空元気を絞り出してやっていくつもりだ。

俺も一応は社会の一員だから。

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