第6話 その頃の味方

敵軍、味方軍。

それは戦争できっと存在するであろう。

例え架空の世界でさえもそれらは存在していたのである。

主人公が目覚めた。

そして今世界は新たな動きと戦争が再び始まったのである。

その頃、世界は只今大きな決断を要されていた。

世界会議室。今日は人類全て並びに亜人類国全ての首脳が集まり第二回目の緊急全種族世界首脳会議を実施した。

世界会議、それはその種族全ての国々の首脳が集まり種族が存亡する重大な物事を決断する為に設けられた超機密かつ世界をこれまでに何度も救った大会議で有る。そして亜人類に属するエルフ、フェアリー、ファイアリル等も集まる会議は世界にたった二度だけ一度は水晶体の接近による星の存在危機。もう一つは今日魔王復活である。

そして今、まさに白熱の会論が行われている。

“今回の魔族侵略は奇怪な点が多々存在しております。一つは量です。もう一つは厳重な防御の壁の内に出現するポータルです。これらはいずれも前回には無かった事です。このままじゃせいぜい三年、世界は三年で滅んでしまいます!”代表、九尾竜のポシャ.マクスリンが重大な発表をした。亜人類は人間と獣により作られた獣似ている人間で有る。ただし、それはあくまで三十万年前の話今じゃ独立の国として世界に立っている。

“そんな事位誰だって知っとるわい!魔王復活なんじゃ!問題はこのポータルの出現場所じゃ!馬鹿じゃなかろうか!”

ファイアリル代表ファリアル.クイーンデッドが怒りの声でスクリーン上のマップを指す。ファリアルは火の妖精で女王以外ほとんどが手のひらサイズの真っ赤な火の形をしている。だが彼女らの火属性魔法は非常に強く貴族であればレベルも生まれつき十五は下らない生まれつきの戦士である。故に性格も炎のように熱い。

“魔族防衛線は現在厳重に魔族の進行を止めている。ヘンブスの聖騎士と言い、吾らアルファティメシア所属の空軍と言い魔族を逃がすのは不可能に近い。なのに都心へと開くゲートが有る。皆の知る通り大型ゲートは複数の大魔術師が必要とされ一定距離しか放てない、それはつまり我々人類或いは亜人類の中に魔族と繋がりを持つ者がいる。言ってること分かるのかね?”アルファロス帝国王ジェルミス.ロス.アルファが

“なに!裏切者だと!”“んな事あるか!我々の国は法律上中級魔導士以上の存在はギルドに属し身分を取らねばならんと言うのにまだネズミがいたというのか!チッ!魔力感地帯は全て壊れたのとでも言うのか!”騒ぐ会場の者達。

“そうだ!ヘンブス帝殿、貴国は魔力感知のラインが一番だなのに報告上何も無いとはどういうことかね?”ジェルミスが怪しみの視線を送る。アルファロスとヘンブスの帝国同士は同族争わないという掟が有る物の事実上冷戦状態と言っても過言では無い。何せヘンブスが奪還したほとんどの領地がアルファロスの権限下であるからだ。

“フフッ馬鹿馬鹿しい。我々ヘンブス教には命を捧げよと言う言葉が有るのをご存じで?”“なに!?”

“私の国の教徒で有る以上私の眼からは離れないですわ。それともあなた達は三日で前線奪還したヘンブスの力を信じてないとでも?”

“ぐぬぬ…”

争いは今は控えるべき、ただし時が満ちれば戦いの準備は可能だと頭の中で叫ぶジェルミスだったが言葉には出せなかった。

そのままフンと言い座席に怒り顔で座った。

“仲間割れをするのはまだ早いのではないのかいヘンブスにアルファロスよ。”

ドワーフのドワンゴルス.ルゴロン。ドワーフは精霊の中でも屈強な体格と知恵を持っており人とはかけ離れた筋肉と土魔法の力を持つ、そして何より種族最強のエルフ族と仲良い関係を持っている。

“それよりミーシャさん、魔王について話してはくれないか。”

“あ!そうだった!確かおばあちゃんに聞いたよ!あの魔王、第一界者(カイジャ)だって!だからやべ~って…なんか言ってたよ!”

エルフ一族の若娘ミーシャ.カルズン。エルフはファイアリルやフェアリーと装用同じ妖精属種であっても体格は人間に似ており女の子とそっくりな見た目をしている。ただし、その魔力は強く生命も何万年も生きる存在で予言や他の種族ではありえないような奇跡を起こしたりもする少数かつ強大な種族で有る。

“界者だと!?”“そんな馬鹿な…”

界者とやらを聞き、会場全ての人々がまるで凍り付いたように静かになった。

世界の界者、それはこの星の世界並びに宇宙での最強の生物の総読みで。界者、それは一人で一つの世界を統べる恐ろしい存在の事である。そして第一界者にはそれなりの名前が付けられた…知を食らう者、種喰らいの一ゼロイチ。

その名前は三百年前世界首脳会議による全種族により通報並びに指名手配された名前で、この世に住む全ての知的生物の悪夢である。

三百年前、とある界者による攻撃により八つ有った知的種族の内半分を絶滅した。

生き残った妖精類、魔族、亜人類、人類は天罰と言われる後遺症を持ち更に少なくなってしまった。そしてこれは後に天冥界戦争と呼ばれ星が最も傷着いた戦争で有る。

三百年で目の前の世界は回復した。

だが心に埋められた恐怖の塊は、永遠に忘れられない。

“けどね、界者は強いけど復活したところで二割程度の力しかだせないって…だって、魔族の人に使えているから所謂ただの抜け殻みたいなものだって…だから勝てるかもって!”

笑った顔で報告をするミーシャ。

“何だ、たったの二割か!”“フッハハハ!心配して損したぞ、今回の世界会議も解散でいいんじゃないのか?それともこれから魔族の領地の割合でも考えようか?”“アハハ!”

二割の力だけだと聞いた衆の者等は突如に喜び出した。更には、武力自信が有る国らは以後魔族の領地をどうするかと考えさえし出した。

“待て!!喜ぶのはまだまだ早いのではないか!”

突如、会場の喜びを打ち消す姿が立ち上がった。

人類国の辺境国々の人々だ。

辺境は魔族による被害が一番重大に出た国々、被害賠償を要求するのもわかる。

“辺境の国々は黙ってろ!現在、大きな国を守るのが仕事だろう!被害額は終ってからにしろ!”“そうだそうだ!金を集めて秘密勢力でも作る気か!?散会!散会だ!”

被害を想定している大きな国々らは辺境の国々の言い分は聞かなかった。理由は簡単、誰だってこれは戦争の始まりにしかない事を知っている。戦争が続ければ辺境の国々の被害額は上がる一方ましてや争奪されるかもしれない領地にそんなに金を入れる程甘くは無い。

“会議を終了する前に!被害は決して甘くない事を見るのだ!”

その時、ずっと黙ってたティメシア国王アメニシア.シエスエィムが口を開いた。

それと同時に魔法が放たれ、ドーム全体に事前に録画された戦場が映りだした。

そしてその映像を見た全ての人は衝撃を受けることとなる。

それはティメシア王国と魔族の戦いで一人の戦士の視点から見た世界であった。

彼らは最初何もない砂漠の上を歩いていた。彼の前にも後ろにもとてつもない数の兵士が有リいかにも大戦前の冷酷を出している。服装は大半がティメシアの軍隊の赤と黒の兵士でその内少数がヘンブス、並びにアルファロス帝国の服装をしている。

“我が愛する国の人々よ、私は決してたかが魔族には負けない事を証明するのだ!”兵士の声が録画から聞こえる。

そしてその声を聴いたほとんどの人類国の人々が驚きの声を上げた。“ティメシア三世ではないか!”“王子が、ティメシアの跡取り息子が何故戦上に!?”会場の驚きの声とは裏腹に映像の中の軍隊は徐々に魔族の領地へと入って行く。

“もうすぐ死の界に着く補助魔法系はすぐに清めの魔法を周囲へ展開しろ!”遠方から将軍の声が聞こえ周囲は直ぐに薄い緑色の魔法壁が張られた。

“あ、あれは!!??”突如、騎士団の一人が空を指差した。

それと同時に一本の真っ黒なバラの花がその騎士を馬ごと貫いた。

“敵襲だ!!全員戦闘の準備を…”命令は早かった、ただし精鋭らの動きがもっと早かった。すぐさま数十名の兵士が弓を持ち宙に浮いた黒い塊へ弓矢を放った。

“ヒュン!”弓矢は早い、ただし音が鳴ったその時に、もう全てが終っていた。

“良い音の弓矢だねえ。だけど矢は音より遅いんだよ。”宙に浮いた矢を叩き落としたその影は、無音で地面に降り立った。

真っ黒な衣装にカラスの羽が背から生えているその“何か”は人の形をしていた。ただし体から溢れる殺意から彼は人では無い事がよくわかる。

“たった一人か!?気を付けろ!少なくとも奴は上級魔族だ、さっきの一撃でもう三十人は死者が出た!そこ!近距離苦手な魔導士らは即座に引け!”

目線上の兵士が声を上げた。同時に大量の魔導弾が地響きを立てながらさっきの人影が降り立った所へ直撃した。

“うーん、一人もいいんだけど。やっぱり僕のベイベー達がもっと君たちの事を必要としてるんだよね。”大きな爆発音の後、再びあの人影が出てきた。傷はついてない、むしろ背後から生えた不気味な六本の黒腕がミサイルを掴み取っていた。

“それでは連合軍の諸君!吾第一界者、グラリアスアームの可愛い六つの剣士をどうぞご堪能あれ!”人影はそう言い兵士たちの驚きの声と共に架空から六つの大小不均一な六つの生物を出した。

一つ目は真っ黒な炎、二つ目はギザギザな岩石、三つ目は空を横切る水滴、四つ目は巻物に描かれたトラ、五つ目は九つの尻尾を持った金色の鳥、六つ目は伸び縮みしながら浮くゴム人形であった。

どれも出てきたその時でまるで命を吹き込められたかのようにうごめきあっという間で女性の形になった。

いずれも宝剣を体に付け戦力は強く、一瞬で戦士らを片付けた。

“生かしてもらうのはどういう気持ち?人間さあん…その眼は、そうか意思伝達用の魔術ねえ。情報が漏れるのは阻止したいけど、まっ別いいし。丁度、魔族の偉大さを証明できるんじゃないかあい?今の軍隊らは…連邦軍ぽかったなあ。世界首脳らに伝えてよ。所詮は人間如き、私達には勝てはしないんだよって!あはははは!あはははは!”そして魔王が去った後、奴らは狂ったように笑って去って行った。映像はまるでひび割れたガラスのように真っ赤になりそのままプツンと消えた。

“任務は終わり私は魔族に爪痕を残した。吾国はこれより最北端への移動を開始する、ので各帝国殿との連携はもう取らないつもりだ。そして世界会議室からもこのティメシアの席は開けさせてもらう。最後に連合軍三十万精鋭騎士隊並びに…吾最愛の息子。アメニシア.ムスエィムに敬礼を。”

ティメシア国王アメニシア.シエスエィムは涙目で、何も無い壁に向かって敬礼をしそのまま出て行った。

“ンなバカな。”

又誰かが愚痴った。

だがそれは全ての人々の考えで有った。

所詮界者は界者。所詮例え二割の力だろうと強い者は強い。

人は再び地獄を感じた。そして、世界会議はそれで幕を閉じた。

彼らにとっての戦争。

それはただの御遊びなのかもしれない。ただし、実際に苦しむのは民である事をこの人達は知らない。

魔王を阻止する以前に、この人達を救う手は無いのか?

そして救いの星は今何処にいるのか?

続きは

第七話

魔の最北端

まで。

~世界がもし全てが生死によって繋がるとしたら~

六話最後までお読み頂き誠に有難うございました。


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>作者からの一言。

何か、文字数ミスったっぽい…まいっか。

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お読みいただき、誠に有難うございます。

更新は不定期ですのでどうぞご期待ください。

今回は貯め置きしていた分を出します。

最後まで読んで頂き、誠に有難うございました。

文字って色々変えられて楽しいですね。



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