第3話  旅立つ白鳥と黒稲妻


時は経ち、いつか走るのが自然になってしまった。

道を走りに走った後。

私達はついにそのはるか遠い転生の道を探し当てた。

風が無い、けど徐々に光が見えてきた。

それだけで、十分だったが我々は諦められなかった。

彼の言葉曰く、三千万年も待ったことだし、今さら諦める気は無い…と。

改めて考えるが、三千万年も待つ…

そういう覚悟は私には無い。

だから今、彼を信じた。

そして、今まさに報われる時が来た。

赤、青、黄金、白銀…無数の光が徐々に早さを増してくる。

そして、運命が切り開かれる音と共に宙を駆ける。

ゲートが出現した。

白い美しい扉だ。

かつてない希望が私の心を再び灯した。

そして私は全ての光の源が、そこだと悟った。

“綺麗…”

初めての景色に私は目を見開いた。

“ああ。”

彼の声が震えている。

心の中はいかに期待で一杯なのか、そのしぐさで十分に伝わる。

彼の速度は。

静止から、徐々に、徐々にとピードが上り。

終いには光でさえ途切れ途切れになった。

その姿はまるで、巣穴から出ようと必死でトンネルを突き進む幼狐のようで。

何故か微笑ましかった。

“準備はいいか?”

光の元で彼は止まった。

心臓の音が聞こえる、すごい速さだ。

表情はまだ見えないが、少なくとも今の私には分かる。

なぜなら心の中では同じ気持ちだったからである。

“ご自由に。”

私は頷いた。

霧が晴れ、全ての視界が戻った。

体も、感覚も全てだ。

いつの間にか、冷たい死は消え去り。

私の体には草花が生え、美しい自然のドレスになっていた。

生命、私は感じた。

この先には命が有ると。

そして、ようやく真の死を免れたと。

“ピカー!”

光が注がれた。

そしてその時。

私は、彼の真の姿を見た。

それは美しき優雅の姿をした翼竜。

紫の稲妻を体中から放ち、漆黒の黒宝石のような体に深海のような青い清気を纏った巨大な姿だった。

“貴方は、ドラゴンだったのね。”

青空に飛び立つその巨大すぎる羽の間に私は座っていた。

空が青い。

改めて、世界とは眩しい物だと感じた。

空気が美味しい。時々、雲の隙間から紅葉が見える。凄い迫力だ。“グオオオオオン!!”“ひゃあ!”彼は大きく吼えると、下へ急降下していった。

“キャーッ!ぶつかるぶつかる!!ストップ!ストップ!”

迫りくる紅葉の滝沢を見て焦る私だ。

ただし、ぶつかる寸前まるで近づいた彼はまるで水面を駆けるジェットボートみたいに飛んで行った。

あまりにも速く、水しぶきが上り視界をよぎる。

それを後に音の波が飛沫を切り裂き、七色の橋をいくつも作る。

そして、彼の直上昇により全てが上に上がる。

“フォー!すっごい!!”

水しぶきの中、私は初めて自由を感じた。

彼は身一杯に世界を楽しむごとく、様々な飛び方をする。

“ガルルルル!”

満足そうに喉を鳴らす彼を見て、私は初めて生きているって素敵だと感じた。

しばらくの間我々は新生の喜びに浸り、遊びに没頭した。

自然という物は良い。

かつて、都会で疲れ果てた心を癒し。

私に希望と言う言葉を再びくれた。

我々は高く飛んだ。

地面から離れ、高く、高く飛んだ。

時々、雲の隙間から紅葉が見える。

“ガヤガヤ!”

“??”

騒がしい音。

小鳥の群れが通過している。

いつか、私達は巨大な赤い山の近くにいた。

山脈は高く、雪は見れないものの満山の紅葉が茂っていた。

此処は人が居ないようだ。

時間が過ぎると共に、様々な飛行生物が後を付いて来た。

警戒と言う言葉を知らないような可愛い生物たちだ。

そして、不思議と全てが、私の知らない生物たちだ。

“クルクル!クルクル?”

ピンクとグレー色をした鳩らしき生物が私の肩に止まった。

丸い。

体がまるでボウルみたいな形をしており、私が手を伸ばすとびっくりして膨らむ。

“可愛い。”

敵意は感じない。

むしろ親近感がわくその表情に私は心が温まるのを感じた。

鳩は私を見る。

そしてキョロキョロと周りを見て照れる。

“....おっ?”

小学校ウサギの飼育以来に初めて小動物に触れる。

始めはもふもふしてるのかと思ったが、案外硬質の羽毛を持っている。

恐らくその羽毛を使い、肉食動物から身を守ってる。

手を伸ばすと自然と乗っかって来た。

そしてそれをきっかけに、周りの鳥たちが私に集まってきた。

どうやらこの森に突如として現れた私達に興味津々の様だ。

“凄い、大きな生物が居る!”

私はふと、後ろの雲端の下に巨大な青い生物を発見する。

クラゲのように伸びた触手、岩や木々が生えた胴体に真っ赤な頭が有る。

一見飛行船に長いお盆が付いたのような巨体には六本の大きな足が折りたたまれ、その関節から更に巨大な薄茶色の羽がゆっくりと羽ばたいている。

“キューン!!”

その生物は我々をそのドームのような目で軽く見るが、そのまま通り過ぎて行った。

巨体の割に凄い速度を持っている。

“森の守り神かしら、私達の存在を確認しに来たんだわ。”

正直凄く緊張した。

生まれて初めてあんな生物を見た。

時間が動いている。

気付けばあの鳩以外全ての生物が消えていた。

“ビュー!”

“さ、さぶっ!”

急な冷気に思いっきり身震いする。

風が出始めた。

“ガシャン!ドンガラララ!”

寒い空気が上空を漂わせいずれ雷も伴うようになってきた。

凄い音だ。

“ピカッ!!”

“あっつ!! ”

雷は、近くで見ると紫色でとても綺麗だった。

けど、綺麗とは裏腹に凄い威力だ。

電気で危うく髪の毛が焦げるのを水分混じった風が吹き消す。

“ヒュン!!”

突如、頭上を何か、巨大な青い塊が飛んできた。

そして、十、百、千、万と、無数の氷の塊が周囲を飛び交うようになった。

雹だ!しかもとてつもなく大きい奴だ。

“まずい!逃げろ逃げろ逃げろ!”

ギリギリの所で雹を避け、私は彼と目を合わせた。

“地面に行こう!”

人は極地になると、あり得ない程冴える。

私の推理によれば、出来たばっかりの雹はまだ空気摩擦による減少が無く大きい。

空気摩擦。それは私が宇宙を思い浮かべたからである。

死の世界から見たあの光景、それは宇宙以外ない。

宇宙の隕石から地球が守られるのは大気摩擦による消耗が多いからだ。

とか前世の物理学の教室で話してたのを思い出す。

だから、地面に着く頃はきっと小さくなっていると言う謎の信念で行く。

だが勿論、そんなことは無かった。

激突、それは最後の記憶だった。

竜の悲しい叫びと共に、私は水に落ちた。

そして水の音と共に、全てが再び黒へ変わった。

一体主人公はどうなるのか?転生?死亡?

続きは

第四話 

   始道終焉 始まりの終わり

まで。

~世界がもし全てが生死によって繋がるとしたら~

三話最後までお読み頂き誠に有難うございました。


>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>

>作者からの一言。

こけた、アタッス!

だがしかし。

…その日、人類は知った、鳥かごの…キメツのハンカチ見つけたああああ!!

ボロボロでショオオオォォォック!!

わが炭次郎にナニオオオォォォ!!

…ぽい捨てやめよう!

ごみの分別もわすれないでネ!

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更新は…そうっすね。

すぐだよ!すぐに!

待つんだ!まっ…ちょ!!

わあかった!分かった!6月11日~14日

一巻だけよ、だけ。

もっとたくさんありますので、ぜひ待ってみて下さい!

面白いキャラ出てきますよ!


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