第3話 見知らぬ指輪
男の子と、話しているうちにたどり着いたカフェ。雨宿りしよう。彼は遠慮もせずにゴチになりますと言った。今の学校って指輪とかしていいの?席に座るなり見つけた。おしゃれに疎い私はあんまり見慣れてない。きれい指輪。派手じゃなくてシンプル過ぎもしない、男の子だし小指だから入るのかな、女性用のデザインだと思う。
「これ?気になるなら外しますよ。学校には着けないんです、うるさいから」
「そりゃ先生うるさく注意するでしょ」
「違い…まあそんなとこです」
指から指輪を抜き取り、テーブルにコトンと置く。でも心の中では思ってた。それって女の方がやるもんじゃないの?ほら別れる時にさ。
彼は置いた指輪を私にぐいっと寄せ、そのあと顔をのぞきこんできた。
「ほしいですか?」
「な、なに?何も言ってないでしょ!」
「顔に出過ぎ、わかりやすい人ですね」
「いらない、それよりかさの話でしょ。先に女がパンプスで襲ったのかも。ビニールかさ男は正当防衛でかさを盾にした。わかった!勢い余って女性をかさで…やっちゃったのよ、パンプスは男が捨てた。そしてかさも」
「はい、」
「どうぞ、あ、そういやあんた名前は?」
「みおです」
「女の子みたいね、ああごめんね。私はりく。男の子みたいでしょ?はいみお君どうぞ、」
「…たとえ喧嘩の勢いそのまま、殺人事件が起きたとして、凶器を堂々と捨てたりしません」
「見つからない自信があるか、まだ事件として捜査されていないかも」
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