第15話

番外編

蓮 side



悠真や千咲に言われたことを思い出していた。『結婚式に優里、ひとりで置いておいたらナンパされちゃうかもよ?彼氏としては心配でしょ?』コレは千咲から言われたんだけど、悠真からも同じようなコトを言われた。なので、悠真と千紘ちゃんの結婚式の前に虫除け(指輪)を渡しておくことに決めた。悠真には一応千紘ちゃんに"ロマンチック"なプロポーズをした店を聞いておいたけど……今回はプロポーズじゃないしなぁ。まぁ、指輪を渡すし、やることは同じなんだけど(笑) 何か理由を付けて、外食することにした。

「ねぇ、蓮?今日はホントにご馳走になっていいの?」

付き合い始めてから、優里は少しだけ甘々になってきてる。まぁ、やっと……彼氏になれたんだけどな。

「ふっ、ああ。店も予約しといたんだ。」

「ふふふっ、うん。あ、お金足りなかったら……私、出すからね?」

「ふっ、良いから。そんくらい格好付けさせてよ。」

2人、腕を組んで、店に入って行く。

「あの……予約していた四宮です。」

そう言うと、店のスタッフは俺のことをチラッと見てから、

「あ、四宮さん。ご予約承っております。ご案内しますね。」

「あ、はい。お願いします。」

そう言って、席に案内してもらう。

「こちらのテーブルでどうぞ。ただいま、飲み物のオーダー承りますね。」

スタッフはそう言って、離れて行った。

「ちょっ、ちょっと!蓮!ココ、高そうじゃない?」

「え?あー……ふっ、優里は気にしなくていいの。」

「え?でも……特別な日でもないのに、こんな素敵なお店……」

「ふっ、優里は気にしなくて良いからさ……あ、どのワインにする?」

「え?よくわからないから、料理に合うのにしようかな?」

「ふっ、俺もさ……よくわかんない(笑)とりあえず料理に合うのにしようか?」

そう言って、オーダーする。

「ふふふっ……ココ、美味しいね。蓮、よく知ってたねぇ。」

優里と2人、食事をしているとそう言われた。

「あー、ココな……悠真に教えてもらったんだ。千紘ちゃんにプロポーズした店なんだってさ。」

「え?千紘に?」

「ふっ、でも……今日はプロポーズしません。」

いじわるそうにそう言うと

「もうっ、わかってますっ!蓮とお付き合いを始めてから、まだ半年だもんね。」

と優里に言われた。

「ふっ、ああ。千咲のお節介で付き合い始めて、まだ半年だもんな。今日はさ、悠真と千紘ちゃんの結婚式近いから、"虫除け"渡しておこうと思ってさ。」

そう言って、指輪を渡す。

「え?え?蓮……もらっちゃっていいの?」

「ふっ、ああ。優里を結婚式の場に置いておくほうが心配。優里……可愛いから、ナンパされるかもしれないしさ。」

そう言うと

「蓮っ、ありがとう。」

と優里は言って、抱き着いてきた。

「ふっ、優里。痛いって。」

「ふふふっ、ギュッとしたくなっちゃってさ。ねぇ?蓮?」

「ん?どうしたの?」

「この指輪って……ただのリング?それとも、婚約指輪?」

そう言われて、ずっこける。

「え?特に決めてなかった(笑) 優里が良かったら、婚約する?」

「うん、蓮っ!ありがとう。婚約しようっ。」

というわけで、彼女が婚約者になりました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る