第14話
Ain't Nobody Know 14
蓮 side
『ふふふっ、わかったよ。私、ここぞとばかりに甘えちゃうかもよ?😽』と優里から来たので、可愛すぎて……ひとりで悶えた。優里、俺のこと殺す気?"キュン死"って、こうゆうときに使うんだと思う。『ふっ、どんどん甘えて。"デートスポット"検索しとく。』とりあえずそう返す。"デートスポット"のリサーチをしてから……力尽きて、寝た(笑)
翌朝、
「悠真、おはよう。」
「四宮さん、おはようございます。昨日はありがとうございました。」
会社に着いてから、悠真と挨拶を交わす。
「こっちこそ、ありがとう。」
「ん?四宮さん……寝不足ですか?クマ出来てる……」
「え?マジ?昨日優里に『せっかくだし、デートしてみたいんだよな。』って言ったの。それから、"デートスポット"のリサーチをしてたからさ……少し眠い。」
そう言っているとアクビが出た。
「ふっ、四宮さん……熱心ですねぇ。そうゆうのは俺に聞けば良いじゃないですか!」
あ、その考えはなかった。
「あ、そうか(笑) どっか初デートに相応しいところ、ある?」
「んー、俺らは『映画』でしたけど……今話題作あるのか?俺らのトキはちょうど[君の名は]が公開されてたんですよ!」
「あー、アレな。俺も観た!当時の彼女と……」
そう言って、苦笑いする。
「[天気の子]はなぜか千咲と観たかな……千咲のヤツ、映画代も飲食代も俺持ちでさ。」
「ふっ、マジで妹さんと仲良いですね。俺は姉とそんなに仲良くないんで、羨ましいです。」
「や、"仲良い"ってゆうかさ……アイツは俺にたかってるだけだよ(笑) まぁ、ついつい買ってやっちゃうんだけどな。悠真、ありがとう。あとで映画のラインナップ見てみるわ。」
「はい、わかりました。じゃあ、今日も仕事頑張りましょうね。」
悠真にそう言われて、仕事に移った。
優里 side
昼休憩を千咲と一緒に取っていると
「あ、蓮からLINEだ。」
蓮からLINEが来た。そうそう!"蓮"と呼ぶことになったのは始業前に話してて。
「え?お兄ちゃん、なんだって?」
「ふふふっ、あのね……『昨日話したデートの件なんですけど、悠真に聞いたら『映画』を薦められました。何か気になっているのありますか?』ってさ。」
「あー、映画ね。優里、『[ラストレター]観たい』って言ってなかったっけ?」
「あー、言ってたかも。私、岩井俊二さんの作品が好きなんだよね。小学生のトキに[ラブレター]読んだの。それから好き♡」
「ふふふっ、優里も"読書家"だよねぇ。よく視力良いまま、居れるよね。」
千咲にそう言われて、
「ふふふっ、ウチね……両親共に目ぇ良いし、遺伝はないかなぁ?でも、目が良いと老眼進むの早いらしいよ……」
と言う。
「え?そうなの?それは嬉しくない情報……」
「ホントそうだよね。ウチの両親共に老眼だよ……」
そう言って、顔を顰める。
「ふふふっ、優里とお兄ちゃんの子どもはどっちに似るのかなぁ?」
千咲に気の早いコトを言われる。"私たちの子ども"か……千咲は良い叔母さんになりそうだなぁ。って、そう思ってしまうのも気が早いか(笑)
「ふふふっ、それはどうでしょう?とりあえず蓮に返信しとこー。」
そう言って、蓮に『映画!良い案ですね☆ えっと……私は[ラストレター]が観たいです。』そう返信してみる。
蓮 side
優里と予定のあった土曜日、初デートをすることになった。場所はいわゆる"シネコン"で映画までの時間、いろんな店を覗いた。
「ふふふっ、楽しいね。千咲も来れば良かったのにぃ。」
そう千咲は遠慮しているのか今日は来なかった。
「え?来なくて良いって。妹同伴のデートって、なんか変だろ?」
想像してみたけど、やっぱ変(笑)
「ふふふっ、確かにそれも変だね。今日は楽しもう。」
映画を観て、デートをしたあと……彼女のことを送って、マンションの部屋の前まで来た。
「じゃあ、また。LINEするわ。」
そう言って、帰ろうとすると
「蓮、待って。もし良かったら、上がって行って。」
と優里に止められた。え?
「え?まぁ、優里がそう言ってくれるなら……少しだけ。」
結局お邪魔することになった。部屋の中をキョロキョロ見ていると……
チュッ💋
優里に軽くキスされた。え?コレが優里が言ってた『ここぞとばかりに甘えちゃうかもよ?』ですか?俺得すぎるんですが!男たるもの、リードしないワケには行かなくて……深く口づける。そのまま、快楽の波に溺れて行った。その日から半年が経ち、来月は悠真と千紘ちゃんの結婚式だ。
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