第12話

千咲 side



「あー、そうなんだ。うん、たぶんそうじゃない?あ、そういえば……私、蓮さんの連絡先知らないや。」

優里がそう言って、苦笑いしていたので

「え?そうなの?私から教えていいか、お兄ちゃんに聞いておくね。」

と言って、お兄ちゃんに返信した。



蓮 side



「ふっ、早いな。もう千咲から返信来た。ん?」

「何、書いてあったんですか?」

「『優里がお兄ちゃんの連絡先知らないみたいだから、私から教えても良い?』だってさー。あ、そういや……いままで電車で会うだけだったから、俺も知らんかったや。悠真、知ってたりする?」

「いえ、俺も知らないですね。妹さんに四宮さんの連絡先教えてもらって、三島さんから連絡もらったらいかがですか?」

「あ、そうだな。あとで千咲に連絡するわ。あ、エレベーター来た。乗るかー。」

そう言って、悠真と風見と乗り込む。……とそこには……

「あ、悠真。今帰り?」

千紘ちゃんが居た。

「ふっ、ああ。あ、さっき連絡入れた通り、今日は四宮さんと風見さんと晩メシ行くから、晩メシ要らねーよ。……あ、千紘。オマエさー、三島さんの連絡先なんて知らねーよな?」

悠真がそう聞くと

「ううん、知ってるよ?優里さんに連絡する用事でもあった?」

と千紘ちゃんは言った。え?

「や、俺じゃなくて四宮さんが……あ、四宮さんと三島さん、お付き合いはじめたって聞いた?」

「え?そうなんですね。おめでとうございます。」

「ふっ、ありがとう。あ、千紘ちゃん……優里さんの連絡先知ってんだよな?教えてもらっても、いいかな?」

「あ、はい。……優里さんに聞いてからでも良いですか?聞いたら、あとで悠真に連絡入れます。」

「ふっ、ああ。やっぱ無断で教えるのはマズイよなぁ。教えて良かったら、悠真に連絡して。」

エレベーターを降りて、悠真と風見と行きつけの店へ向かった。



優里 side



「あ!千紘からLINEだ。」

「え?千紘ちゃん、何だって?」

「えっとねー、『さっきエレベーターで一緒になって、四宮さんに優里さんの連絡先を聞かれたんですが……教えても良いですか?あ、四宮さんとお付き合いされていることも悠真から聞きしました。』だってさー。」

「ふふふっ、そうなんだね。千紘ちゃん経由するより私が教えたほうが早いんじゃない?」

「そうだよね。千咲、やっぱ教えてもらっていい?」

「うん、教えるね。優里から連絡してあげなよ。お兄ちゃん、喜ぶよぉ。あ、今日お兄ちゃん居ないみたいだし……駅の近くで一緒に夜ごはん食べてく?」

「ふふふっ、うん。あ、千紘も誘おうかなぁ……返信してみるね。」

そう言って、千紘に返信がてら確認したら、千紘も来てくれることになった。先にお店に入ってから、千咲に蓮さんの連絡先を教えてもらって、蓮さんにLINEしてみる。『こんばんは。何気に初LINEですね。千咲に蓮さんの連絡先を教えてもらって、LINEしてみました。そちらは中村さんと同僚さんと3人でごはんみたいですね。私もこれから千咲と千紘とごはん食べて帰りまーす🍚』そうLINEしてみる。



蓮 side



「じゃあ、悠真の結婚祝いと……あと僭越ながら、俺に彼女が出来た祝いで……」

「ふっ、四宮!固い固い。かんぱーい!」

風見の音頭で乾杯した。

「ちょっ、風見ぃ。逆にかりーよ。……ん?LINEだ。」

「妹さんから返信っすか?」

「や……え?優里さん?」

確認すると優里さんからだった。

「ふっ、優里さんも千咲と千紘ちゃんとメシなんだってさ。」

「え?千紘も、ですか?」

「ああ、そうみたい。まぁ、悠真居ねーし、ちょうど良いよな。」

そう言うと

「おっ、噂の四宮の彼女と妹と悠真の婚約者?四宮、あとで3人の写真撮って送ってもらってくれよ。」

と風見に言われた。

「ふっ、ああ。返信してみるから、ちょっと待ってな。」

そう言って、優里さんに返信してみる。『こんばんは。俺も優里さんの連絡先知りたかったから、LINEもらえて嬉しかったです。あの……俺の同僚がさ、3人の写真見たいみたいだから送ってもらっていいかなぁ?』そうLINEして、返信を待つことにした。



優里 side



「あ、蓮さんからLINEだ。」

「え?お兄ちゃん、何だって?」

「なんかー、一緒に居る同僚さんが私たちの写真見たいんだってさ。」

要約して、伝えると

「ふふふっ、うん。私は構わないから、千紘ちゃんが来たら写真撮ろうか?」

と千咲は言った。そう話していると

「お待たせしましたー。」

と千紘が来た。

「千紘ちゃん!今日エレベーターでお兄ちゃんたちと会ったんだよね?どんなだった?」

「え?そうですねぇ……わりといつも通りでしたよ?四宮さん、優里さんとお付き合い出来てるんですから、もう少しはしゃいでもいーのにぃ。」

「ふふふっ、お兄ちゃんははしゃぐような性格じゃないからなぁ。あ!お兄ちゃんからさっき優里にLINEが来たんだけどね、なんか一緒に居る同僚さんが私たちの3shots見たいんだってさ。」

「あー、風見さんですかね?少し胡散臭そうな……(笑)」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る