第6話
蓮 side
「あ、はい。じゃあ、皆さんにご報告させていただきます。僕、交際相手と結婚します。」
悠真がそう言うと
「ふっ、おめでとう。中村(悠真)の彼女って、あの会社の小林さんだったよな?」
と風見が聞いた。
「あ、はい。小林千紘さんです。」
「ふっ、彼女……仕事出来るみたいだぞ。"若手の中ではいちばんの有望株"だって言ってた。」
「(?)……あ、そうなんですね。俺も頑張らなきゃな。……あ、すみません。始業前の貴重な時間を……皆さん、仕事に移りましょう。」
悠真にそう言われて、みんなで仕事に移った。
優里 side
「千咲、おはよう。」
「あ、おはよう。優里……ん?今日はそんなに揉まれてない?」
「ふふふっ、うん。そんなには揉まれなかったかなぁ?後ろから押されることもなかったし……あ、今日も蓮さんとお話ししたよ。」
「あ、お兄ちゃんと?なんか言ってた?」
「ふふふっ、うん。『優里さんしか友だち居ないんじゃね?』って言ってた(笑)」
そう言って、笑うと
「うっ、まぁ……こっちでの友だちはあまり多くないし、いちばん密に付き合ってるの優里だから、否定は出来ないかなぁ。」
と千咲は言って、苦笑する。
「私も密に付き合ってるの千咲だよ?あ、あの……蓮さんが可愛がってる会社の後輩、私と同じマンションに住んでる"同棲カップル"だったよ!」
「ちょ、ちょっと待って。いろいろ聞きたいコトある。まず"蓮さん"って、お兄ちゃん?」
「あ、うん。蓮さんが『"お兄さん"って呼ばれるの嫌』っておっしゃってたから、お名前で呼ぶことにしたの。」
「……あ、あー。アイツがそんなことを……っで、お兄ちゃんが可愛がってる会社の後輩、優里と同じマンションに住んでるの?しかも、"同棲"とな……」
「うん……アレ?蓮さんから聞いたことない?『前に後輩のウチに遊びに行ったことある。』って、おっしゃってたんだけど……」
「聞いてない……そうなんだね。優里はなんでソレ知ってるの?」
「あー、うん。同棲カップルの女性のほうと私、仲良くてさ……昨日の帰り道で一緒になって、聞いたの。千咲から聞いたときに『ん?千紘たちかなぁ?』って思ってたんだ。」
「そうなの?なんだー、優里の知り合いだったかー。」
「ふふふっ、うん。千紘たち、付き合ってもう長いし、そのうち"結婚"とかするんじゃないの?」
「あ、そうかも……そうなったら、優里とお兄ちゃんはお式に呼ばれるよね……良いなぁ。"結婚式"って出会いあるんだよねぇ……」
「え?そこ?(笑) 千咲もさ、蓮さんに紹介してもらったら?」
「え?優里、なんか"余裕発言"……もしかして、お兄ちゃんと付き合ってる?」
「え?付き合ってないよ?でも、千咲が私のこと紹介しようとしてくれてたのは嬉しかった。蓮さん、良い人だもんね。」
「え?優里の中でお兄ちゃん高評価?あ、もう始業時間……お昼休憩で詳しい話聞くからね。」
え?詳しく?
「うん、また話そう。」
そう言って、各自自分のデスクに向かった。
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