第4話
蓮 side
「やっぱそうなんすかね?ってか、四宮さん……女心はわかるのに、モテないの不思議です。」
「ふっ、"女心"はさ、千咲に教えられたからな。」
「あ、妹さんに……グッジョブです。」
「ふっ、『悠真がそう言ってた』って言っとく(笑) じゃあ、午後も頑張るか。」
「そうっすね。午後もパソコンと友だちになりますかー。」
悠真にそう言われて、午後の業務に移った。
悠真 side
「四宮さんっ、駅まで一緒して良いっすか?」
可愛がってもらっている先輩に聞く。
「ああ、路線一緒だもんな……ん?千紘ちゃんと一緒じゃなくても良いのか?」
「はい。どうせ家では会うんで、大丈夫です。それに同棲始めるときに決めたんです。『お互い干渉しない』って。なんで、帰宅する前はお互い何してても良いんです。」
「え、それ……逆に不安じゃね?浮気してるかもよ?……まぁ、相手を信じてなきゃ、そんな約束出来ないよな。」
「はい、まぁ……千紘を信じてるからこそ、出来るんですけどね。」
「ふっ、悠真にはいつも俺の話聞いてもらってるから、たまには付き合うよ。」
先輩がそう言ってくれて、一緒に駅まで向かった。
千咲 side
「千咲、駅まで一緒に行こう。」
優里にそう声を掛けられたので、
「うん、一緒に行こう。……じゃあ、私たち帰ります。お先に失礼します。」
2人で帰ることにした。
「ふふふっ、あの電車の男性が千咲のお兄さんでビックリした。」
「私もビックリしたよ。このまえ優里から男性の特徴聞いて『ん?お兄ちゃん?』ってなってたもん。んで、お兄ちゃんに聞いたら、間違いなくお兄ちゃんで。実はね、お兄ちゃんに了承してもらえたら……優里のこと紹介しようと思ってたんだ。」
そう言うと
「え?そうなの?」
と優里に聞かれた。
「うん、ほら……いちばん仲良いじゃない?良い子だって知ってるしさ。っで?優里はお兄ちゃんに会って、どうだったの?」
「うーん……特にそうゆう対象に見てなかったかなぁ?私の中では『千咲のお兄ちゃん』ってほうが大きくてさ。」
「あー、そうだよね。じゃあ、今度機会あったら、それは切り離して考えてみて。」
そう言うと
「ふふふっ、了解。あ、駅着いたね。じゃあ、私……こっちだから。」
と優里に言われて、駅で別れた。
優里 side
千咲と別れて、電車に乗る。最寄り駅に着いて、自宅までの道を歩いていると
「アレ?三島さん?」
と声を掛けられた。ん?この声は……
「千紘?お疲れさま。」
同じマンションに住んでいる千紘だった。ん?
「ねね、千紘と中村くんってさ、同じビルの会社に勤めてるって言ってたよね?」
「はい、そうです。悠真はIT系の会社に勤めてて。私が勤めてる化粧品会社とは同じビルで……って、どうしました?何かありました?」
「ううん。あのね、中村くんから『四宮』って名前聞いたことない?」
「……あ、あるかもしれません。確か『"四宮"ってゆう先輩に可愛がってもらってる』って言ってました。」
「ふふふっ、やっぱそうなんだね。その"四宮"さん、私の親友のお兄さんなんだよ。」
千咲に"いちばん仲良い"って言われたし、親友で間違いないよね?
「え?そうなんですね。世間は狭いですね。」
「私もね、親友に『お兄ちゃんと仲の良い後輩は同じビルの他の会社の人とお付き合いしてる』って聞いて『千紘たちかなぁ?』って思ったんだよねぇ。そしたら、ホントに千紘たちでビックリ。」
「ふふふっ、そうなんですね。悠真に言っておきますね。」
「うん、是非言っといて。出来れば、"四宮"さんがどうゆう人か聞いておいてもらえると助かる。」
千紘は『?』という顔をしながら、
「はい、聞いておきますね。三島さんと"四宮"さんの妹さんが親友で、私もビックリしました。」
と千紘は言った。
「ってかさ、前から言ってるじゃん。『敬語じゃなくて、良い』って。」
「あ……そうです……そうだったね。タメ口慣れてなくて、ごめん。」
「ううん、じゃあ……私、この階だから。千紘、おやすみ。」
「はい、おやすみな……おやすみ。三島さ……優里さん。」
千紘と別れて、自宅のある階でエレベーターを降りた。
千紘 side
自宅に帰ると、悠真はまだ帰宅していなかった。今日遅いのかなぁ?うーん……夜ごはん作っておこうかなぁ?手洗いうがいをして、夜ごはんのオムライスを2人分作って、自分のぶんのお味噌汁も盛り付けて食べていると
ガチャカチャ
「千紘、ただいまー。」
と悠真が帰ってきた。
「悠真、おかえり。ん?呑んでる?」
「ああ、先輩と晩メシ食べてきてさ、少しだけ……」
そう言って、"少し"のジェスチャーをした。
「ふふふっ、そうなんだね。ん?その先輩って"四宮"さん?」
「ふっ、そうだよ。四宮さん。よく覚えてんなぁ。」
「前に『"四宮"ってゆう先輩に可愛がってもらってる』って言ってたよね。その四宮さん、同じマンションに住んでる三島さんの親友のお兄さんなんだってさ。」
「三島さん……あー、確かに小松菜奈ちゃんに似てる!」
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