変化した夏の日

 炎天下の夏の日、二千年という月日は立ち去った。

あおいは我が学び舎が苦痛だ、降臨するのは嫌だと懇願した。教師やクラスメイトの魔力が恐ろしいと泣いている。


決着の時が来たのなら、喜んで彼の代わりに降臨するとしよう。

所詮創られた存在でも構わない。君が描き続けてくれる限り、僕はこの世界線に存在し続けられる。生きるのも死ぬのも君次第。

だが一つ言わせてくれ。僕だけは君の味方だ。


 「もう二度と出てくるんじゃない。蒼に君は必要無い、消し去ってやる」

ティーチャーを名乗る男が呪文を唱えると、クラスルームは一瞬で静寂に包まれた。

空間支配能力保有者スペースルーラーか、貴様の好きにはさせまい。

例え最初は空想だとしても、確かに現実に立っている。


「今という名のな!」


虫やネズミも聞いている。自分を押し殺して生きている。

環境を変えることは許されない。その六年間はとても長く、孤独な旅だろう。

だがしかし、そんなのもここで永遠に終わりだ。


 「どうして?」

「はああ!?どうしてだぁ!?」


感情任せに机を蹴り上げたのは、火を吹く怪獣だ。顔を真っ赤に染めて憤慨している。

「残念でした、っとさ…」

貴方をどこか遠くの宇宙に実験対象として送り込みますよ…。

ああ、逃げたってかまわないよ?逃げられないけどね。


蒼へ、どんな時でも考えるのを辞めるな。弱くなる。


世界が終焉を迎えたとしても、二人は死なない。

明日からは別の教師が担任になるはずだ。負けるな。

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