B→C
仲良しさん
先生や家族に同級生。
皆仮面を被った鬼だ。というよりも意識せずに見えてしまう。
「仲良しさんをつくりなさい」
見当違いな意見を押し付けて、僕の気持なんかそっちのけ。
それに僕は独りなんかじゃない。解ってくれる友達の一人くらい居る。
空想の中なんてどうか言わないで。心の支えに踏み込まないで。
「その子と一緒に居るのはもうやめなさい。ほかの子には見えていないんだよ」
でも先生、僕と彼が友達なのは本当だと思う。
困っている時にすぐに気付いてくれる。不安な時も丁寧に話を聞いてくれる。
一緒に居て楽しいのに気を使わない、ずっと話しても疲れないんだ。
―同級生たちの目が怖い。自分の意見を伝えるのが怖い。
少なからず孤独は感じていたのだろうか、空想の友達を創り上げる。
彼は在り得ない速さで形になり、勝手に動き出すようになった。
(先生、ノートを取り上げないで)
僕は確かに一人だけど、寂しくないんだ。無理に友達をつくろうとしても浮いてしまう。
「何度言ったら分かるんだ。空想だか知らんが今すぐ辞めろ」
皆がその場に居る教室で、先生は怒鳴りつけた。
にぎやかだった場所が一瞬で静まり返る。頭が真っ白になった。
どう対応するのが正解か、どうしたらいいのか。
こんな時、蒼だったらどんな反応を示すだろう。想像力豊かな彼の反応が楽しみだ。
「…どうして」
「はああ!?どうしてだぁ!?」
ヒートアップした先生は、ゲームに出てくる怪獣みたいだ。顔を真っ赤にして怒る怪獣は、火を吹いて攻撃する。
それ以外の何にも見えなくて、僕たちは笑いをこらえるのに必死だった。
やっぱり蒼くんは最強だ。強くて優しくて格好良い。
その優しさと行動力は、自分に余裕があるからできるんだ。
僕も人を守れる勇者に成れるかな?
[lv.100]
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