神影と僕①
架空の世界に住む君を
自分の信念を貫く君は、皆から慕われる。その責任感と実行力は他の誰にも真似できないはずだ。
「目標があるんだ。それはねー」
夢を夢だと言わず、「目標」だと宣言する君が好きだ。
いつか僕も君のように、凛と輝いた目で語れるような人間になりたい。
しかし、そんな願いとは裏腹に、君が活躍しているそれは、自分の弱さを見せつけられているみたいで大嫌い。
お前なんか不幸になればいい。立ち上がれなくなるまで荒んでゆく君を見ると、とても楽しかった。
ああ、これじゃあただの嫌味な奴じゃないか。
君と真逆だと悟った時、とにかく自分を恥じるのだ。
純粋な好意から嫉妬に変わる瞬間が怖い。
僕は陰湿で汚い最低人間だと思う、ここまで落ちぶれたのは一体いつからだ。
君みたいに完璧でありたい。人から評価されたい。褒められたい。
自分を認めてほしい。勉強も運動も成績が良くて、クラスの人気者で…
ほら、上げればきりが無いんだ。
君が居ると精神を保っていられない。君がいないと僕が壊れてしまいそう。
神影と神影、だから同じ者を合わせないほうが良い。
僕は心が大人になりきれていないから。
霧雨が降っていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます