神影と僕①

 架空の世界に住む君をえがく。自分を守るためには何でもした。

自分の信念を貫く君は、皆から慕われる。その責任感と実行力は他の誰にも真似できないはずだ。


「目標があるんだ。それはねー」


夢を夢だと言わず、「目標」だと宣言する君が好きだ。

いつか僕も君のように、凛と輝いた目で語れるような人間になりたい。

しかし、そんな願いとは裏腹に、君が活躍しているそれは、自分の弱さを見せつけられているみたいで大嫌い。

お前なんか不幸になればいい。立ち上がれなくなるまで荒んでゆく君を見ると、とても楽しかった。


ああ、これじゃあただの嫌味な奴じゃないか。

君と真逆だと悟った時、とにかく自分を恥じるのだ。


純粋な好意から嫉妬に変わる瞬間が怖い。

僕は陰湿で汚い最低人間だと思う、ここまで落ちぶれたのは一体いつからだ。

君みたいに完璧でありたい。人から評価されたい。褒められたい。

自分を認めてほしい。勉強も運動も成績が良くて、クラスの人気者で…

ほら、上げればきりが無いんだ。


君が居ると精神を保っていられない。君がいないと僕が壊れてしまいそう。

神影と神影、だから同じ者を合わせないほうが良い。

僕は心が大人になりきれていないから。


霧雨が降っていた。

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