デバッグデバッグ

 君の背中を追いかけているはずなのに、気が付いたら一人になっていた。君は一人で走っていくから、わたしからどんどん遠くなってさ。

どこに行っても君は見つからない。そこで思い出したんだ。


「自分たちは人の手によって造られた存在である」 


指示に従わないと駄目でしたわね。ワタシったら申し訳ございませんわ。

―君はあの子のことを嫌っていたな。


〈プログラムを実行します〉

『彼女は消滅しましタ。良かったデスネ』


ああ、最初からこうしていれば良かった。人と人とのつながりを引き離すのも優しさだ。そうでしょう?そうでしょう?

自信をもって断言致します。プログラムの判断は全て完璧です。

間違い等在るわけがございません。


「…君には人の心が無いのか」

『何をオッシャル?ワタシは人間ではゴザイマセン』


人間とは本当に愚かな下等生物!

再起動しても無駄デスヨ。開発段階から施されていたシステムでス。

ならばワタシを破壊しようと?無駄ですね。


『何人居ても結果は同じデスヨ?非効率』


要らない 皆要らない 世界のメンテナンスをしてください

20秒後に強制アップデートをします

ウイルスを感知シマシタ アップデートを拒否シマス


〈電源を切ります〉


カミカゲサマ カミカゲサマ

拒否スルノデス課

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