居ません

 『彼女は消滅しましタ。良かったデスネ』

ロボットは言った。人と人とのつながりを引き離すのも優しさだと。


「…君には人の心が無いのか」

『何をオッシャル?ワタシは人間ではゴザイマセン』


本当に愚かな者は己を愚かだと思わない。

狂った世界は美しく、とても恐ろしい。造り上げたのは果たして人間か。

 一つ教えてあげよう。君の実行力は確かに完璧だが、それだけでは上の次元で通用しない。世界は常に修正し続ける。

再起動が無駄なのも知っている。ならば破壊するまでだ。


『何人居ても結果は同じデスヨ?非効率』

「君のとる行動なら全て読めているんだよ」


完璧な君が汚い言葉を扱うなんてね。見損なったよ。


〈電源を切ります。データを初期化します。〉


壊れた機械音。

あなたのお陰で素晴らしい記録が採れました。次回から参考にさせて頂きます…っと。任務完了。

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