時空の管理人

色違い

 幼い頃から目を見られるのが怖かった。

何故なら僕は、赤と黄色のオッドアイだから。


「ほらあの子、目の色がそれぞれ違うわよ」

「気味が悪い。あっちに行きなさい」


どうして?みんなと何も変わらないのに。

このおかしな目のせいだ。全部色違いなのが悪いんだ。


 それから僕は前髪を伸ばした。深くフードを被る。

外界と隔離するヘッドフォン、流れるのは君が好きな音楽。

神影かみかげくんと一緒ならどこへでも行けるんだ。本当だ。

例え外国でも、そこが異世界だったとしても。


―神影君、下の名前って何だっけ?

―ふふ、いつか思い出すよ。


彼は意味ありげに微笑む。

冷静沈着な君は頭の回転が速くて、そっと見守っていてくれる。

ああ、本当に感謝しているよ。


 ごめんな。ごめんな。

僕は馬鹿だから、この怒りという感情を抑えきれない。

結局最後まで分かり合えなかった。僕はどうすれば良かった?


「消滅を許可する」


何度でも君と別世界へ。もう一人の僕に見つからないように。

どちらの目も茶色だったら良いのにな。早くその世界に行きたいな。

神影くんの顔も見てみたい。

あいにく影しか見たことがないけれど、綺麗な顔立ちをしているんだろうな。


背が高く、細身な体格であることは影を見て分かったよ。

幼い時から一緒にいる神影くん。君は本当にどこにいるの?

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