秋から

待っててね

 二人の少女がお菓子を売っていました。

天真爛漫に笑う彼女には、純粋無垢という言葉がよく似合います。

しかし村人たちは、一生懸命にお菓子を売る彼女を見てみにくい言葉を投げかけ続けます。

「あれは魔女だ」

「その小娘が売る物には全て毒が入っている」


毒など入れない少女と魔女でない女性は、どんな言葉を吐かれても決して泣いたり怒ったりしません。

笑顔を絶やさない二人の瞳は、凛として自信に満ち溢れているのです。


 村人たちは気味悪がって避けるようになりました。

少女の仲も険悪になってゆき、それはそれは恐ろしい魔女にも見えます。

 「ごちそうさまでした。やっぱり毒が入っているの?」

幼い男の子が尋ねると、お互いは我に返りました。

笑顔で売り出しますが、喧嘩して作ったお菓子は美味しいのでしょうか。

彼女たちは深く反省するのでした。

女性のことを疑った男の子も、自分がした失礼に対して謝罪しました。

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