転生した話
フェアリーリング。芝生が輪のような形に色濃く
「妖精が作った輪の中に入ると異世界に行ける」
その妖精の輪とやらを見つけてしまった。
現実世界に飽き飽きしている僕は、とにかく環境を変えたかったんだ。
向こうはどんな場所だと思う?壮大な土地が待っているだろうか。
期待に胸を膨らませ、そこに踏み込んだ。
唐突にやってきたのは吐き気に倦怠感と動悸、ふらつき。
汗が異常に出る。雲が一瞬のうちに晴れ、天気は快晴へ変わった。
―蝉の声がしない。
つい先ほどまで歩いていた街並みも微妙に違う。道だった場所は、家や木々で塞がれている。自分の家や学校はどうなっているのかな。
「あの、どなた様ですか?」
「どうして勝手に家に入ってるの?」
実の家族に追い出されて正直傷ついたが、僕は安堵した。
携帯が使える。これ程有難いと思ったことは無いと思う。
あの友人と連絡はつくだろうか。メールを返してもらうまでの数分間は、永遠にも感じられた。
この世界でも元気そうで何よりだ。
魔法が使える君か、僕は素晴らしいと思う。
「なあ…一つ聞きたいことがあるんだが」
「何だ?何でも言え」
「俺、生きて元の世界に帰れるのかなあ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます