Re:Re:Aoi.

 高校三年生の夏。

18歳の俺は、一人で祖母の家が在る田舎まで来ていた。

電車に乗って三時間。皆元気にしているかな。


 電波が悪く、携帯の地図が機能しない。

うろ覚えの道を進む。


「ここを曲がって、しばらく直進…のはず。」

「蒼くん、地図って難しいね」

「ぅわーっ」


聞き取りやすい、良く通る声。

僕は思わず頓狂とんきょうな反応を示した。

だって、目の前に立っているのは紛れもなく神影くんだから。


「やっほー、神影だよ。覚えてる?」


神影くんは、あの夏の日から本当に変わっていなかった。

背が伸びて多少大人っぽくなり、本当にそれだけ。


「っ久しぶり!お、覚えてるよ」


涼し気な風が通り抜ける。

八月に入ったばかりだというのに、少し寒気がした。

しかし、神影くんの笑顔を見ると、そんなのも吹き飛ぶ。


今年の夏も、まだ始まったばかりだ。

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