精神世界

 輪廻転生よりも、瞬間移動と言った方が近いだろう。

空中に浮いているのは、壊れた家具。まだ使えそうな楽器。


透き通った空に、星が数多く見えている。

呆然と空中に浮いている僕。


「久しぶり」


声をかけてくれたのは、高校時代の友人だった。

彼はずっと前、『前触れも無く失踪した』。


背格好、声、顔。

全てが高校生の時のまま。軽音部だった二人。


「ほら、弾いてよ」


そうだ、思い出した。

17歳の僕には、君が輝いて見えたんだ。


君と二人で、あの夏をもう一回!

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