チャプター22 純文学殺人事件・爆弾・ゴキ●●

◇人命には関わらなかったが爆弾事件を起こしたカズマは、事件を起こしたその理由が、梶井基次郎の『檸檬』を読んだからだといった


なので、一切の因果関係は『檸檬』にあるとし、弁護側はカズマの無罪を主張した


小菅に拘留中に、知人が面会した際に聞いたところによると、カズマはいま三島由紀夫の『金閣寺』を読んでいることがわかった


カズマは、やがて実刑判決を受けたが、特殊な能力を有し非常に危険な人物であることに鑑み、前代未聞の刑を言い渡された


それは、カズマは保護観察の元、カフカの『変身』を読破することだった。


そして


ほんの数分、保護観察官が目を離したすきに、カズマは行方をくらましてしまうのだった


ただ、読了されたであろう、カフカの『変身』の文庫本から、カサカサカサカサと這い出てきた、世にも怖ろしいGがいたといふ


ほら、あなたの足もとに

カサカサカサカサ

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