第13話 関係

ある日の放課後、


「悠菜ちゃん!」



亮平君が声を掛けてきた。



「何?」


「ちょっと付き合って欲しいんだけど」


「…えっ…?」




《…どうしよう…??》




「行きにくいかもしれないけど、あの日以来、みんなと距離おいてるみたいだから出来れば参加して欲しいんだけど?」



「………………」



「つーか…悠菜ちゃんから俺達の事、避けてる感じだよね?」



「………………」




私は下にうつ向いた。



スッと私の両頬に触れると顔を上げさせた。



「悠菜ちゃん。誤解していたらいけないから言うけど康ちゃんも俺も誰とも付き合ってねーから」



「えっ?」



「確かに告白はされたけど、俺達は付き合うとか、そういうのはまだ良いから」


「…亮平君…」


「だから付き合ってくんねーかな?みんな、悠菜ちゃんと普通に過ごしたがってるから行こう」


「…分かった…」




頭をポンとする亮平君。


ドキッ




「サンキュー」




私は付き合う事にした。



私しか知らない亮平君が隣にいて接してくれてる。




「ねえ、何処に行くの?」

「楽しい所」

「楽しい所?」

「そっ!」

「そっか」



「…なあ、悠菜ちゃんって好きな奴いるの?」


「えっ?」


「恭ちゃんから告られたんだろう?」

「あ、うん…。だけど、付き合っていないから」

「うん。恭ちゃんから聞いてる」

「そっか…」

「とにかく今日は楽しみな!」

「うん…」




私達は、色々と話をしながら目的地に向かう。



寮生のみんなは先にカラオケ屋さんにいた。




「おせーよ!」と、竜神君。


「ごめん、ごめん!」と、亮平君。





《本当、コロコロ変わるなぁ〜》



私は笑みがこぼれた。



「どうかした?」

「ううん」

「嘘ばっか。俺の人格楽しんでただろう?」



クスクス笑う私。




「バレた?亮平君も恭吾君に負けていない洞察力あるよ」




グイッと私の手首を掴み引き止め



ムニュ

私の両頬を摘む。



「やっぱりそうか!」


「お前らイチャつくなっ!」と、竜神君。



つまんだ両頬を離す亮平君。



「イチャついてないよ!…行くぞ!悠菜ちゃん。みんな、悠菜ちゃんが好きだから絡みたくて仕方がないんだよ」



「えっ?」





歩み寄る私達にみんなも歩み寄り私達は合流。


私達はみんなに囲まれる。




「悠菜、お前太ったんちゃうん?」と、康介君。


「顔を合わせた途端、いきなり失礼だな!康介君!」


「学校終わってから真っ直ぐ帰宅してたんやろう?んで、ゴロゴロして、グータラしてたんちゃうか?」


「グータラしてないから!」


「嘘やん!」



私達は騒ぐ中、カラオケ屋さんに入って行く。




「悠菜、歌えよ!」と、竜神君。


「いやいや私は…」


「歌わなアカンで!歌わん奴は罰ゲームや!」


康介君が言った。




「えっ!?聞いてない!」


「言ってへんもん!」


「もしかして音痴なのか?」と、零一君。


「自信はない!でも音痴ではないはず!」と、私。


「ほな歌ってもらおか?」と、康介君。


「わ、分かったから!選曲するからみんな歌ってて」


「ホンマに歌うんか?」


「う、歌うから!」




私はみんなが歌う中、選曲し入力した。



私達はとにかく盛り上がっていた。















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