第4話 ショッピング

ある日の休日。



「よし!今日はショッピング♪」


「あら〜?悠菜ちゃん、お出掛けするの〜?デートぉ〜?」


「違いますよー。ショッピングしてきます!」

「まあ、そうなの〜?いっぱい買ってらっしゃい」

「はい!」


「あっ!そうそう、悠菜ちゃん」

「はい?」


「今日から、みんな週末で三連休だから、もしかすると誰もいないかも〜?個人の予定は聞いてないから分からなくて〜」


「そんなんですね?」

「ごめんなさいね〜」


「いいえ。栄次さんもお出かけですか?」


「そうなの〜。お友達と2泊3日の温泉旅行♪」


「わあ〜、良いですね♪いつも色々として下さっているのでゆっくり楽しんで来てくださいね。気を付けて」


「ありがとう」



私は街に出掛けた。



「寮に一人は嫌だなぁ〜。誰か寮生いるかな?」



そんな事を考える中、私は一先ずショッピングを楽しんだ。




本来なら、女友達と出掛ける休日。


そんな私は一人寂しい半面


気楽だけど


騒ぎながらするのが


普通の高校生だよね





そして夕方――――



「結構…大荷物…。…見せる相手も出掛ける友達も彼氏もいないのに…買い過ぎた…」



フラフラと両手荷物を抱え寮に帰る。





「お前は酔っ払いかっ!」



ビクッ

背後から声がし驚き振り返ると康介君と恭吾君だ。


取り敢えず足を止めた。




「凄い荷物だね」



クスクス笑いながら恭吾君が言った。




「何やねん、その荷物盗んできたんか?」

「人聞きの悪い!ショッピングです!」

「買い過ぎやろ?」

「十分承知です!」



そう言うと帰り始める。



「そんなドスドス歩いたら地面に穴あくで!」



足を止め振り返る。



「ドスドス歩いてなからっ!」



そう言うと再び歩き始める。




「恐竜が歩いているようにしか見えへんで!」




ムカッ

腹の立つ、もの言いだ。



「もうっ!何よ!いちいち!恐竜じゃなくて人間だから!」


「何や人間やったんか?俺てっきりゴリラかと…」



ムカッ

本当に腹が立つ。




「もうっ!恐竜とか、ゴリラとか何なの!?女の子に対して言う台詞?失礼だよ!康介君っ!本当失礼な人っ!」



スッと両手が軽くなった。



「えっ?」


「帰るで!」


「ま、待ってよ!荷物!」

「大人しく持たせときぃ」



「……………」



二人が私の荷物を持ってくれた。



「…ありがとう…」


「何や、素直な所あんねんな」


「そりゃ私だって、そういう時くらいあるし…それに…前、そういう話をしていたから…」


「ふ〜ん」


「…ふ〜んって…やっぱり良いっ!自分で持つから!」




そう言って、二人の荷物を取り返そうとすると、ヒョイっと上にあげ意地悪をされてしまい二人は駆け足で逃げて行く。




「あっ!ちょっと!恭吾君まで意地悪するの?」

「悠菜ちゃんの反応が面白いから意地悪するよ」


結局、そのまま二人は荷物を持ってくれた。


寮に帰り着き、玄関での事。




「ありがとう。重かったでしょう?」

「超、重かったわ!明日は筋肉痛かもしれへん!」


「そんなに?」

「嘘やけど」

「また、そうやって」


「まあ、別にエエんちゃう?女の子はショッピング大好きやし!」


「えっ?」


「そうだねー」と、恭吾君。



「行こうと思うた時とか、これ!と思うた時に手に入れんと入るものも入らへんで?あー、あの時、買っておけば良かったとか、結局、後悔すんの自分やん?」



「そうだね」


「恋愛も同じやけどな」


「えっ?」


「ちゃうか?」


「それは…」




そして寮のメンバーが帰宅する。



「たっだいまーーっ!」


竜神君が帰宅。



「うわっ!ビックリした!」と、私達。



「うわっ!こっちもビックリしたし!」と、竜神君。


「玄関で何してんだ?」と、零一君。


「あー、すまん」


「その荷物、何?」と、亮平君。


「お嬢様の、お荷物でーす!」と、恭吾君。


「お嬢様っ!?」と、零一君。



私を見る。



「お前かっ!」と、竜神君。


「エヘッ♪」


「あれ?それより栄次さんがいないんだけど?」



一足先にあがった亮平君が言った。



「あっ!そうだ!栄次さん、2泊3日の温泉旅行に友達と行くって言っていたから」


「温泉旅行!?」


「みんなの予定は?」



私は今週末の予定を尋ねた。


みんな何もないみたいで、出掛けたりするけど寮にはいるとの事だった。



「夕飯、何か材料あるかな?」



私はキッチンに行くと材料を確認する。



「何とかなりそう。夕飯作るから出来たら呼ぶね」



「えっ!?」と、竜神君。


「ええっ!?」と、康介君。


「お前が作るのか?」と、零一君。


「うん」



「6人分は大変だよ」と、亮平君。


「みんな適当に済ませるよ」と、恭吾君。


「大丈夫だって。私だって女の子だから作れるよ。遅くなるかもしれないけど」


「じゃあ、ここは悠菜ちゃんに任せて、お手伝いは良い?」


恭吾君が言った。



「手伝って欲しい時は遠慮せずに言ってね。悠菜ちゃん」


亮平君が言った。



「うん。ありがとう」



私は夕食を作るのだった。


そして出来次第みんなを呼び晩御飯を食べながら、明日の日程を尋ねた。


みんな出掛ける様子で、夕飯だけで良いだろうという事になった。







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