第9話 私達の絆

「あの…何処に…行くんですか?」

「内緒」



まさかの車移動中。

目隠しをされている私。


手足の自由はきく。



「赤信号だし」と、男の人の声。



《赤信号?》



「しかし、本当、街って人間多過ぎじゃね?」



《街の人間?》



私はこっそり目隠しをズラす。




《街だ!》



そんな中、犯人を見る。


私と同じ位〜20代前半の人達で、5人の男の人達。


女の子達と同じ人数だった事も分かり、カップルでしている可能性の高い犯罪?




「………………」




大き目のワゴン車で移動。


フロント硝子から見える景色。


街のど真ん中だ。




「ねえ、トイレ行きたいなぁ〜」


「はあっ!?」


「つーか、目隠し外してやがる!」


「…ごめんなさい…。でも大人しくしてるから良いでしょう?駄目?それよりトイレ!」


「チッ!仕方ねーな!」


「誰かついて行け!」




私と一緒に一人の連れがくる。




偶然に、その姿を竜神君の友達が見掛け竜神君の耳に入り、一斉に寮生に情報が入る。


トイレを済ませ車に乗せられる前に私は後退りをし逃げる事にした。


しかし、見張りに私が知らない間に背後に二人、連れが来ていた為、すぐに捕まった。



「残念だったなぁ〜」



「………………」



「あーーーっ!」




いきなり叫ぶ私に怯んだ二人から逃げる事にし人混みに紛れ込む。


随分と街に来ていないのもあり、勘はかなり鈍っている状態だ。



グイッと腕を掴まれた。



「きゃあっ!」

「捕まえた!」

「チョロチョロしやがって!」



彼等に捕まった。



「今、捕まえました。はい、分かりました。了解です」



グイッと肩を抱き寄せられた。



「つーかさー、大人しくしてれば良かったのにさー。予定変更だから」



周囲にバレないように耳元で言う。



「まあ、どっちにしろ俺達の相手してもらうけど」



ドスッと周囲にバレないようにお腹を殴られ、私の意識は遠くなっていく。



「行くぞ」



路地裏の奥に連れて行かれた。




ドサッ



「つーか、こうして見ると今迄で一番可愛い系じゃね?」


「思った。マジヤっちゃって良いんだよな?」


「こんだけ可愛いんだしヤらなきゃ損だろう?」



「おい!」


「あっ!こっちです!」


「取り敢えず順番だな?」

「はい」


「3人は見張り。一人が女を押さえてろ!」

「了解っす!」



「うっ!」



ドサッ




「彼女、返してもらおうかな〜?」

「誰だ?」

「俺達が本気になる前に離れろよ!」


「あ?せっかくのチャンス逃す気ねーんだけどなー」

「邪魔すんじゃねぇよ!」


「おいっ!奥に連れて行け!」

「はい」




目を覚ます私。



「…ん…」



グイッと背後から抱きしめられるように口を塞がれた。




「んんっ!」


「悠菜ちゃん!」と、恭吾君。


「はい、それまで〜彼女は今から俺達の相手してもらわなきゃ〜」



暴れる中、制服が荒々しく脱がされ押し倒される。




「気絶してたら良いものも良くないからさ〜、やっぱり体全身で感じてる姿も声も聞きたいから」




ドカッ

とにかく暴れ、偶然に相手の股間に当たったようだ。



私は足早に逃げる。



「悠菜ちゃん!」


「恭吾君っ!」




私は恭吾君の胸の中に飛び込む。



「ゆっくりしてられない!俺から離れたら駄目だよ」


「うん…」



そして、寮生と事件に関わった犯人との多少の乱闘はあったものの警察が来て、今回の事件は幕をおりた。










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