第7話 進級
高校2年生の春。
あれから犯人は捕まらないまま高校2年生を迎えた。
つい最近では、竜神君の女友達が事件に巻き込まれた様子。
男女問わず他校生の友達が多い竜神君だからこそ、女の子の何人かが狙われたらしくて―――
一体、どんなやり方で?
油断の出来ない今、相変わらず不安で仕方がなかった。
私は自分の部屋でぼんやりとしていた。
その時だ。
ツンと誰かが私の頬を突っついた。
「!!!!!」
振り向くとそこには至近距離にある恭吾君の姿。
驚いた私はのけぞり転びそうになる。
「きゃあっ!」
「悠菜ちゃん!」
ドサッ
結局床に倒れ込んでしまった。
私の下には恭吾君の姿があり、恭吾君を押し倒したようになってしまった。
多分、私を支えようとしてくれたのが、この体勢になった結果だろう?
「ご、ごめん…!」
私の手を掴み、くるりと視界が変わり私を押さえ付けた
ドキーッ
私の胸は大きく跳ね、見下される体勢に私の胸はドキドキと早鐘のように加速する。
すると、顔が近付いてくる。
私はつい瞳を閉じた。
そして耳元で――――
「お返し!」
「!!!!!」
そう言うと私から降りた。
クスクス笑う恭吾君。
私の胸はまだバクついている。
「大丈夫?」
「だ、大丈夫じゃないよ〜!」
「ごめん、ごめん。何か考え事してる感じだったね」
「あ、うん…事件の事…」
「事件の事?大丈夫だよ!悠菜ちゃんがもし事件に巻き込まれたら寮生がみんな黙っていないから5人が揃ったら最強だから」
「そうだね」
私は笑う。
「やっと笑ってくれた」
「えっ?」
「最近の悠菜ちゃん、ぼんやりしていたから本当、目が離せなかったよ」
「そう?私、そんなにぼんやりとしていた?」
「してたよ〜。俺が同じクラスで良かったね」
「そうだね」
「後、竜ちゃんも一緒だから何かあった時は、すぐ情報入ってくると思うよ」
「竜神君?そうだね。同じクラスだし、いち早く情報が入りそうだね」
そして、事件は、そこまで来ていた。
☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓
「今回は、寮生の彼女」
「そろそろ私達の事がバレるのも時間の問題かも〜?」
「最初で最後かもしれないから」
「男は彼等」
「超レベル高くない?」
「超イケメンなんだけど〜?」
「どっちも良いよなぁ〜」
「ちなみに彼女は学校でもモテるらしいよ」
「特別可愛い訳じゃないのに?」
「ありえな〜い」
「傷ついちゃえば良い」
「じゃあ決まりね!今迄は未遂だったけど本気でヤってもらおうかな?」
「了解!」
「年齢、私達と変わらないはずだし、Hくらいした事あるでしょう?」
「そうだよね〜」
「今度のターゲットは彼女!春日 悠菜」
彼女は、携帯を手に誰かに連絡をした。
「もしもし、私よ。今度はマジにヤって良いから。ターゲットは寮生の女よ!」
私達の知らない間に話が進んでいた。
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