第3話 初日

「今日から、このクラスに……」



今回ばかりは入学式に間に合わず、遅れて転入生として紹介される事となった。




《男子ばかりじゃん!》

《しかも…寮生がいない!》

《帰りたくなった…》



ガラッと引き戸が開く。



「すみませーん。近藤 竜神、寝坊して遅刻しましたーっ!」


「近藤っ!?お前は寮生でありながら入学してすぐに遅刻はおかしいだろう?」




《いたっ!寮生っ!》



「寮生だから、油断し過ぎて二度寝して遅刻するんですよ〜」


「クスクス…」


「ハハハ…」




クラスに笑いが起こる。




「あれ?悠菜ちゃん何してんの?」

「いや…転入生だから」


「あー、そうか!悠菜っち寮生だし入学式に間に合わなくて遅れて転入生として紹介されてるんだ!同じ寮だから何か前にいるのが不思議な感じだな」



竜神君は、自分の席に移動する。




「近藤がいるから大丈夫か。アイツに色々聞くと良い。近藤!春日に色々と教えてやってくれ!他のみんなも協力頼んだぞ。同じ1年生だし、女子は他のクラスも少ないから特に仲良くしてやってくれ!近藤、代表して校内案内頼んだぞ!」



「ええーーっ!休み時間潰れるし。俺も校内良く分かんねーんだけど?」


「先生、大丈夫ですよ!」と、私。


「いや、しかしだな」


「ゆっくりと覚えます。それより、席、何処になりますか?」


「ああ、お前の席は…」




私は席を案内され席についた。




昼休み時間。



「悠菜ちゃん、行くぞ!」

「えっ?何処に?」

「校内散策」

「校内散策?いや…でも…」



「俺も校内良く知らないから、一緒に周ろうぜ!学校にいる以上は俺と行動しておいた方が良いっしょ?男子校だったんだし、クラスも一緒なら寮生しか悠菜ちゃん頼れる人いないんだろうし」


「…ありがとう…」


「いいえ!一人じゃ危険すぎるから。だって、元々、男子校なんだし」


「それは、そうだけど…」



グイッと私の手を掴み、私達は校内を散策した。






その日の放課後。




「悠菜ちゃん、一人で大丈夫?」と、竜神君。

「うん、大丈夫だよ」

「悪い!どうしても外せない用があって」

「うん、良いよ。大丈夫だから」




そこへ―――――




「竜?どうした?」


「あっ!零ちゃん。いや…今日、悠菜ちゃん送る事になってんだけど、どうしても外せない用があって…」


「だったら俺と帰れば良い事だ。俺は、今から寮に帰る所だからな」


「マジで?助かる」



私は零一君と帰る事にした。








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