異次元レベルのバフスキル【支援職人】で俺たちは最強のパーティになる〜サポーターなんて必要ないって言ったのにそんなモンスターも倒せないのか、Sランクなのにステータス低いんじゃない?〜
十四話 豊かな食事とは、時間を掛ける物なのだ。
十四話 豊かな食事とは、時間を掛ける物なのだ。
俺は四人の女性と食卓を囲んでいた。
昨日声を掛けられて出会った、エルフの王女リリア。
猫の耳と尻尾を持ち、黒い髪が肩付近で整えられている、獣人族の少女ルクシア。
ルクシアは可愛らしい見た目に反して、勢いも量も物凄い食べっぷりを披露してくれている。
それと、リリアと一緒に食事の用意をしてくれた<
白がベースで黄色のラインが入っている服と、腰まで伸びた青い髪が良く似合っていると思う。
更につい先程、綺麗な背中を見せてくれた魔族の少女ラプスウェル。
ラプスウェルの亜麻色の髪は上の方にまとめられて、横側から垂らされている。
あれから急いで身支度を整えてきたのだろう、おそらく風呂から出たばかりだというのに少し汗ばんでいるように見える。
「今日も美味しいわ、特にこのお肉。血の匂いが残ってていくらでも食べられちゃいそう」
「ふふっ、ありがとうございます! でもそれでラプスさん用のお肉は最後なのでまた買い足しておきますね」
「あらあら。ダメよ贅沢ばっかりさせちゃ」
「んぐんぐ……食べられればそれで、おいしければそれで、やわらかいお肉ならそれで。いいと思う、んぐ」
「ルクシア、それはどんどん要求が上がっていると思うのだが」
俺たちは顔合わせを挨拶程度に済ませて、リリアとイリスが作ってくれた昼飯を御馳走になっていたのだった。
女三人寄れば、とは言うが四人だと姦しすぎるような気がするな。
紅一点ならぬ、黒一点の中で俺はそう感じていた。
「それにしても本当に美味いな、リリアもイリスも家庭的なんだな」
「え、そ、そんな事ないですよぉ!」
「あらあら、顔が真っ赤よ。でもそうねぇ、折角いただくならやっぱり美味しい方が良いじゃない?」
「それは同感だな。でも神族なのに良いのか? 肉を食べたらいけない、みたいな決まりはあったりしないのか?」
「そうねぇ、他の子はそう決めてる子もいるけど……私みたいな神族も普通にいるわよ?」
「へぇ、それは初めて知ったな。昔に読んだ本だと食事をしない者もいる、とまで書いてあった覚えがあるからな」
「うーん、そこまでの子はなかなかいないと思うわ。うふふ、神族もヒト族も食べる時は一緒よ」
イリスはそう言って焼き立てのパンを一口サイズに手でちぎりながら、美味しそうな顔で食べていた。
やはり初めて会う種族と話すと、本で知る以外に学ぶ事も多いんだな。
ルクシアのような獣人族は、この
だから何度か交流する事もあったが……エルフ族はまだしも、神族や魔族とはなかなか会う機会も少ない。
折角なのでラプスウェルとも話しをしておきたい。
「そういえばさっき見えて気になったんだが、ラプスウェルの尻尾はどうなってるんだ? じっくり観察したり触ったりもしてみたいのだが」
「ぶふっ!な、ななな、なんて事言うのよアンタ!」
「あらあら、大胆なのねぇ」
「あわわわわ!」
「ラプス、きたない」
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