紫陽花になる

蹴飛ばした石ころが不法投棄された缶にあたる。幽霊か、擦りむいた膝小僧でも見たような後味、見てはいけないもの。遠回りをして帰ろうと、踵を返したから踏んだ吸い殻。フェンスの向こう側の汚れたスニーカー。いつのまにか、ゴミ箱になっていた、私の街。家の裏で勝手に咲いた紫陽花。その中心に見出す君の健やかさ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る