居候達の行方

 実家に庭とも言えないぐらいの植木ゾーンがあります。そこの水やりなんかのために置いてあるバケツやじょうろの中に水がいっぱいたまってる。


「今年は本当に雨が多いんだなあ」


 と思いながらその水を見てました。


 自然にたまってる水だから、晴れた日なんかにはその水を植木にかけてやるんですが、かけてもすぐ雨が降るのでかけるより溜まる方が多い。あまりここまでのことはないので、それだけ雨の日が多いんだなと実感します。


 植木にもその時期だけ生えるものもあり、そろそろ夏にもさもさになる「ミョウガ」の芽が出始めました。冬の間、きれいに土だけになると猫が来てトイレ代わりにするので、防御のために上に色々なものを置いています。空の植木鉢やら、生えてるのやら、なんやかんや。そうして今のところ防衛に成功しています


 防御に置いてるのの中には「タマスダレ」や「スイセン」があるんですが、それを見てるとなんとなく憂鬱になるんですよね。

 前に書いてたのを覚えていらっしゃる方もあるかと思いますが、この2つにはある生物が居候として住んでいるはずなんです。


「ハマオモトヨトウ」


 兵庫県では、


「レッドデータでCランク要調査種」


 というレベルの、


「准絶滅危惧種」


 に指定されてる生物です。


 はっきり言ってしまうと、


「蛾」


 ですね。


 昨年の秋、それの幼虫がうちの植木ゾーンに現れて、駆除しようかと思ったんですが、そういう種類だと知って居住を黙認してました。


「もしかしたらそろそろ出てくるのか?」


 調べてみたら5月から11月が活動時期らしい。ってことは、春になったらどこぞから出てくるんだろうなあ。


「今年はどこかよそに行ってほしい」


 切実にそう願っています。


 きれいかきれいじゃないかで言うと、決してきれいな昆虫じゃないです。でも、毎日のように観察してたらそれなりに情もわいてきます。というか、きれいじゃないから駆除していいってのは、人間の勝手のように思えます


「がんばって越冬しろよ」

 

 とは思ったけど、またうちで元気に活動されたら結構めんどくさい。


 まず植木が食い荒らされる。なんとかいくつか犠牲にするプランターとかを決めて、そこに移動させては被害を最小に食い止めたんですが、本当にめんどくさかったのです。

 タマスダレもスイセンもそこそこ元気だけど、こっちが絶滅させられたらそれはそれでかなわん。


 かといって准絶滅危惧種と言われたらほっとけない気もする。


「頼むから出てきたらよそに行ってください」


 そう思ってそろそろ様子を見始めています。


 サナギになって越冬してるとしたら、親の蛾になって飛び始めるんじゃないかと思うんですよね。あまり生態に詳しくないから予想ですが。そうなったら他の植木につかないように、そのプランターだけ外に出すとか、何か手段を考えないとな。


 とりあえず今年の更新契約はしないつもりです!

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