琴とうろこで大違い
SNSで少し驚くようなことを目にしました。
「2007年の文化庁調査によると、「琴線に触れる」を怒りを買うことと勘違いしてる人が3割ぐらいいる」
ええっ、それは、
「逆鱗に触れる」
でしょ?
本来の、
「感動や共鳴を与えること」
と分かっている人も3割いる、少しではあるが間違えている人よりは多いということで少しはホッとしましたが、それにしても間違えた意味で使ってる人がそんなにいるなんて。
しかもこれ、もう17年も前の調査なので、もしかすると今は逆転してる可能性もあるのでは、という意見もありました。
一体どこからそうなってしまったのやら。
もしかしたら「触れる」の部分が一緒なので、混同した人が出てきて、そこから同じ意味だと思った人が増えたのかなあ。
でも文字をよく見てくださいよ。
「琴線」
琴の糸ですよ。これに触れたら「しゃららら~ん」ときれいな音がしますよね。
「ああ触ったらきれいな音が聞こえて心地よいな」
そうイメージしたら怒るとはならないと思うんですが、もしかしたら「触れる」のを「弾く」ようにではなく荒っぽく、不協和音でも起きるぐらいのイメージしてるんでしょうか。
でもそれってもう「触れる」じゃない気がします。「押さえる」とか「ぶつける」とか「あたる(八つ当たり的な)」なら荒っぽい音もするでしょうが、普通に「触れる」ときれいな音しか浮かばない気がするなあ。
逆に、
「逆鱗」
ですが、これは龍のあごのあたりに「逆さに生えてるうろこ」のことで、そこを触ると、
「龍がめっちゃ怒るでー」
という意味になります。
犬や猫だって毛並みにそって丁寧に撫でてくれたら心地いいけど、反対に逆立てるように触られたら嫌じゃないのかな。
人間の場合は髪型をきめるのに逆立てることがあるけど、普通に撫でられるならやっぱり毛並み通りがいいように思います。
それをうろこなんて硬いものを逆向きに触れられたら、
「そら龍も怒るわー」
というイメージが私はあるんですが、違うのかなあ。
そしてもう一つの疑問ですが、
「「琴線に触れる」を怒ることと思ってる人は「逆鱗に触れる」をどういう意味と思っているんだろうか」
です。
もしかしたら同じ意味だと思ってる? だとしたら「琴の糸」って「龍の逆鱗、逆さのうろこ」と同じとイメージしてるってことだから、もしかしたら龍の逆鱗も弾いたらいい音がするのかも知れません。
言葉は生き物だから使ってるうちに違う意味、違う読み方になるのはあることだけど、これはちょっとびっくりしました。
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