買い物ブギ今昔
もうすぐ終わりますが今季の朝ドラで「ブギの女王」笠置シズ子さんをモデルにしたドラマをやっています。
すでにかなりお話が進み、ヒット曲の「東京ブギウギ」も「買い物ブギ」も出てきて、主人公は押しも押されぬ大スター、後はどこまでお話が続くのかなという感じです。
その「買い物ブギ」なんですが、実は子供の頃から馴染みの曲なんです。なぜかと言いますと、母の実家にレコードがあったから。
といっても私は自分で実際に聞いたことはありません。母がそういう歌を歌ってたり、色々と話を聞かせてくれてたので、それでよく知ってるんです。子供の頃って聞いたらすぐに覚えますから。
色々なレコードがあったらしいんですが、誰が買ってたのかまでは聞いていません。ただ、今でもうちには数枚の蓄音機用のレコードが残っているものの、確かラテンとかで「買い物ブギ」はなかったように思います。調べてみないと分かりませんが。
その「買い物ブギ」についてよく覚えているのは、聞いてるうちに傷がついて「音飛びする」という話があったからです。
サビのところに、
「おっさんおっさんおっさんおっさん」
と繰り返しおっさんを呼ぶ部分があるんですが、そこのどこかに傷があったらしく、かけてると延々と「おっさん」を繰り返し、そして突然一気に飛んで、
「知らん!」
と歌うのだと言って笑ってました。どういう傷のつきかたをしてたんでしょうね。
そんな当時の歌詞で教えてもらってたので、その後若いアイドルグループがこの歌をカバーしてた時には削除してアレンジしていた、いわゆる「放送禁止用語」の部分もよく知っています。
そういうのって法律で禁止されているのではなく、放送する方が「これはやめた方がいいな」と自主的に判断してやめるのだそうで、古いドラマとか見ていたらいきなり不自然に音声が消されていたりします。
今回はどうするのかと思ってドラマを見ていたら、2つある放送禁止用語のうち、サビの部分、さっきの「おっさん」を繰り返した後で、
「わしゃ聞こえまへん」
とその部分を削除し、もう1つの方がその言葉を含む1場面が全カットのようです。
本来は「わしゃ◯◯◯で聞こえまへん」となっていて聞こえない人に一生懸命話しかけていた自分を「わてほんまによう言わんわ」と笑うオチになっているんでしょうが、その説明部分がなくていきなり「聞こえまへん」だけ言われても意味不明ですよね。
そしてもう1つの部分は同じく見えない人に買物メモを見せていた、というオチですが、こちらはどうしてか丸々カットです。
同じように「これまた◯◯◯で読めません」の部分を「これまたわたしゃ読めません」にしてやってもよさそうなものですが、なかったことになってるのは、元歌が長いからかもなあ。
そういう気配りって大切だと思うけど、あまりにも何もかも自主規制ばかりではなんだかなあと思うことも。
今、巷でちょっと話題になっている宮藤官九郎のドラマを見ていて、当時の常識や自然にあったことが今は非常識で不自然になっているのをあらためて感じていました。
時代と共に色々変わるのは当然だと思うけど、昨今はどうにも一つ口を開いたらその何十倍ものダメ出しが出るように感じます。
人を傷つけるようなことを言ったりしたりしないのは当然だけど、もうちょっとだけゆるやかにならないものかなあ。皆、なんだかゆとりがないですよね。少し前までゆとりゆとりって言ってたはずなのに。
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