外国の人

 今日は日曜日で、用事のない休日は引きこもることの多い私ですが、用事があってコンビニに行くことになりました。

 徒歩数百歩のところにある青いコンビニですが、間に大きな道路があって、斜め向かいのブロックなので信号待ちが長いのです。


 行って、用事を済ませて、ついでに珍しくコンビニスイーツなんぞ買う気になったので、持ってレジに行きました。


 すると、いつも夕方に見かける外国人の男性がレジにいる。


「いつもは夕方なのに今日は朝なんですね」


 思わず話しかけたけど、あっちは分かってたかどうか。たくさんいるお客さんの中の一人で、しかも行く回数も少ないですからね、私は。


 私はコンビニに行くことがほとんどありません。そして行く時にも時間がほぼ決まってて、平日の朝、実家に行く前に寄るか、実家からの帰りに寄るかのどちらかになります。これはまあ、通勤通学の時に寄られる方も同じでしょうが、そういう感じです。


 平日の朝は、もう何年も同じ日本の女性がレジにいて、他の場所ですれ違っても分かるかなと思うぐらい顔を覚えてます。

 そしてこの2、3年かな、夕方行ったら今朝のレジにいた海外の男性がいることが多いんです。ずっと前になりますが、どこの国の人か、名前はなんと読むのかを聞いたことがありました。それ以来顔を見たら「◯◯さんだな」と思うぐらいに覚えてます。


 色んな場所で海外の方が働いている場面に出会いますが、そんな中、私が一番印象に残ってるのは、もう何年も前に腰を痛めて入院した時の看護助手さんです。


 その時、私は半月ぐらい寝たきりで、痛くて動けず、お風呂もリフトの上に寝て、それで入れてもらうという有り様でした。

 やはり一番辛いのが下の世話です。何しろ寝たきりなのでやってもらうしかないんですが、看護師さんや同じ看護助手さんでも嫌そうな顔をする方もあって、当然だなと思いながらやってもらってました。


 ですがその看護助手さんは、いつもニコニコしてこちらを気遣ってくれて、


「いつでも呼んでくれたらいいからね」


 と言ってくれて、本当に気持ちのいい方でした。その方が中国の方だったんです。


 なんとか合う薬が見つかり、寝たきりから一気に動けるようになっていったんですが、そんな頃、夜中に目が覚めてトイレに行って、廊下にある手洗い場で手を洗ってたら、夜勤だったその方が私を見るなり、


「ああっ、自分で歩いてる! よかったね!」

 

 と、大喜びしてくれたんです。涙が出そうなほどうれしかったなあ。


 動けるようになっても最初は歩行器や車椅子でよちよち動いてたのが、歩いているのを初めて見て、驚いて思わずそう言ってくれたらしい。


 海外の人で日本で働いている方と聞くと、その看護助手さんと、今、コンビニで出会うスリランカのその方が浮かびます。


 どちらもとても感じのいい方で、自分も他の方に対応する時は、そういう風にしないとなと思っています。もちろん、日本の方でも感じのいい方はいっぱいいらっしゃるんですが、外国の人という条件がつくとその方達が浮かぶということです。

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