差し入れには非ず
節分の巻き寿司のことを書いていて、もう一つ思い出しました。
それは大学生の頃なんですが、前述の東京で働いていた有名作家の編集さんが友人だという友人と、節分の日にある有名アーティストのコンサートに行くことになってました。
会場は神戸の「国際会館」です。コンサートは夜なので、節分だけど丸かぶりはしないことに。
そしたら母が、
「節分やから会場で食べなさい」
と、私と友人の2人分の巻き寿司を持たせてくれたんです。
いや、歌舞伎とか見に行くんじゃないから巻き寿司はとも思ったんですが、せっかくだし持っていくことにしました。
友人にも話して、そんじゃロビーででも食べようかと会場へ。
入り口で荷物チェックをされたら、その時にスタッフさんが母の巻き寿司を持って不審そうに、
「これは何ですか」
と聞いてきたので、
「巻き寿司です。節分やから」
と言ったら一応納得はしてくれたんですが、その後で言ったことが思いもかけない言葉でした。
「アーティストに差し入れですか?」
「違います」
そう言って返してくれたんですが、なんだかすごく面白かったです。
「なんで差し入れやねん」
友人と2人で笑いました。
「会場内は飲食禁止だろう」
ということで、ロビーのソファに座って巻き寿司を2人でぱくぱく。
もちろん丸かぶりではなく切ってくれてましたが、2人で食べてたら通りがかる人達に見られてました。
そりゃそうでしょう。おしゃれな有名アーティストのライブに、なんかお年寄りみたいに巻き寿司食べてる大学生が2人ですから。サンドイッチとか食べてるならまだしもね。
これも節分になると思い出す話です。
考えたら節分の巻き寿司の思い出、いっぱいあるなあ。
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