もしも、いなくなったら?

 さて、前回の怖い話で書いた例のアレですが、これを書いている今現在、まだ部屋から出ていないので、どうなっているかは分かりません。

 お聞きした話では、何かにとまったまま生涯を終えられてるパターンもあるらしく、もしかしたらそれなのかな、と思ったりもしていますが、その場合、どうなるんだろう……


 考えたくもないのにアレのことをどうしても考えてしまい、そして思いました。


「アレがこの世からいなくなったら、そうしたらやっぱり生態系が崩れて世界が困るんだろうなあ」


 と。


 人間の世界に来るから嫌われるんで、自然の中にいたらやっぱり食物連鎖の輪の一つなんですよね。言ってみれば、元の国では普通に生きてるのに、何かのはずみで他の国に行って嫌われる特定外来種みたいな感じなんでしょう。やたらめったら強く、どこにでも出てくるから嫌われる。

 前に妹が、いなかで甥っ子のカブトムシ取りに行ったら、一緒に木にいたと言ってたことがあり、すごく驚いたことがあります。アレって、町中にしかいるイメージがなかったからです。


 で、ふと、思い出したんです。


「そういやアマゾンにもすごくでっかいのがいるって聞いたなあ」


 私が行きたいと思っていた場所の一つにアマゾンがあるんです。どうして行きたいかと言いますと、まあ古代文明、インカとかマヤとかが好きだからというのも大きい理由なんですが、アマゾン限定で言うのにはもう一つ理由があります。


「アマゾンカワイルカを見てみたい」


 世界には4種類の「カワイルカ」と呼ばれる動物がいるのですが、その中でも「アマゾンカワイルカ」は、なんと、


「ピンク」


 なんですよ! 見たいと思いませんか、これ!


 で、いつかアマゾンに行きたいなあと思っていたんですが、あることから半分以上断念しています。


 それは、仕事でアマゾンに行ったある俳優さんがテレビで言っていたこの言葉からでした。


「アマゾンにはそれはそれは大きなアレがいる」


 これ聞いて、行きたい気持ちが半減の半減、どんだけ半減期短いねん、というぐらいぐいぐいと気持ちがしおれていきました。


 そういえば、その時にアレってアマゾンにもいるんだ、と絶望したっけなあ、と思い出したのです。


 人間が勝手に嫌ってるだけで、アレもやっぱり生命の輪の中にいるんですよね。

 

 でも、それは分かったから、分かったから森に帰ってくれ!

 そうしたら私は君たちの繁栄を幸せを心から願えると思うんだ、うん!

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