第8話 幼馴染みとテスト終わり
「いろいろな意味でテスト終わったー!」
力尽きたこいつは溶けているんじゃないかと思うぐらい机に突っ伏している。
「じゃ、俺はすぐに帰ってゲームでもするか」
「ちょっと待ってよ」
さっきまで死にかけていたこいつが、力強く俺の腕を掴む。
「なんだよ?」
「この私を見て、なんとも思わないの?」
「んー、ドンマイ?」
大きなため息を吐かれる。
「デート行こうよ!」
どう見たら、敗北者みたいな面をしているお前とデートに行くことになるんだ?
「行かない」
「デート行きたい!」
「行きたくない」
「そう言って、結局私とデートする幼馴染みだったので……って帰るな!」
「頼む、今日は本当に疲れたんだ。帰らせてくれ」
見ろ、この顔を。
この心の底から疲れた顔を!
「じゃあ、明日」
「無理だ」
「明後日」
「しんどい」
「来週」
「……」
来週なら、別に出かけても……いやいや、ダメだろ。
「決まりね! じゃあ、また明日!」
「おい! 帰るな!」
俺の話を全く聞かずに、ダッシュで帰りやがった。
マジであいつ、許せねぇ。
だが、この時の俺はまだ知らなかった。
来週がテスト期間ならぬ、デート期間だと言うことを。
めんどくさい女の子は嫌いですか? 智代固令糖 @midori3101
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