第13話 令和三十年 十二月二日

はい! 今日もですね、放送を始めていきたいと思いまーす。

皆さんこんばんは。今日は令和30年の12月2日水曜日ですね、いかがお過ごしだったでしょうか。

こんばんは、こんにちは、音おっけー、おけ、オッケー、おつかれさまです、はい、お疲れ様です。


今日はですね、北海道に来ておりまして、北海道にある私たちの禅寺のひとつに来ております。カメラの後ろにはですね、こちらで修行などをされている方々が何人か見学されておりますですね。


えー、今日の午前中に千歳空港に到着しまして、北海道まではもちろん飛行機で来たんですが、千歳空港に降りる前にですね、空から苫小牧(とまこまい)の街の様子などが見えまして、港の改修とか海岸線の防潮堤とかがキレイに完成してまして、コンテナ船も空から見えましたですね。


北海道は現在の日本にとって、最も重要な地だと言っても過言ではないですね。

食料生産においても、沖合の海底メタンハイドレート採掘でも、日本のエネルギーは北海道に支えられてますからね。苫小牧も函館も小樽も、最優先で港の改修が完成して、先日やっと釧路も港の改修が終わって稼働し始めましたですね。

これで釧路沖のメタンハイドレートも本州への輸送が楽になるのではないでしょうか。

エネルギー不足が少しでも解消されればと祈っております。

あと室蘭の鉄工所も忘れちゃいけませんね、北海道は本当に大活躍してますね。



それでですね、千歳空港に我々三人、降り立ったわけなんです。それで、空港でレンタカーを借りてこの寺まで来たんですけれども、市内がものすごい渋滞しておりましてですね、私はすごい驚いたんですよ。


さすが北海道だと、人も車も多くて平日の昼間でもこんなに渋滞してるなんて、私は北海道をあまく見ていたと反省してたんです。

ですが、どうやらですね、今日は札幌で日ソ首脳会談があったそうで、そのせいで道路規制がされていたらしくてですね、そのせいで大渋滞だったということで、普段はそこまで渋滞は酷くないそうです。


私たち、渋滞を回避するために街を離れまして、畑の中を走るルートを取ったんですけれども、十二月なのにまだ北海道でも雪はほとんど降ってなくて、畑では緑の野菜がたくさん作られていました。遠くの山に少しだけ白いものが見えましたですね。

農家の皆様に感謝して、日々の食事をいただこうと改めて思いました。



さて、えーと、今日はですね、スペシャル放送にしようと思ってまして、いつものコーナーは省きまして、あちらに行った時の初期ステータスなどについて話そうと思っているんです。


なぜスペシャルかと言いますと、実はですね、先ほどこちらのお寺で修行されていた方がおひとり、女性の方ですね、あちらに旅立ちまして、大変おめでたいことですね。

ぜひご覧の皆様もですね、ひとりでも多く、あちらの世界に行っていただきたいと私も強く思っております。

もちろんこの放送をご覧の方々は、異世界転生に強い憧れを持っていると思いますので、私も少しでも皆様のお役に立てるようにですね、異世界転生のお手伝いできたらと思っております。


今、コメントにありましたけれども、あちらに行っても死ぬときは死ぬんでしょ? という質問でしたけれども、確かに死ぬときは死にます。

しかしですね、現在の日本以外の国はですね、毎日ものすごい人数の人が死んでおります。


日本にいると忘れがちですけど、世界では毎日、ものすごい人数の人がお亡くなりになってるんです。大事なことなので二回言っておきますね。


現在の地球ではですね、いつまでも終息しない数種類の伝染病の蔓延が、世界各国ですね、国も病院も、根絶はもう諦めてますね。

それに絶対的な食料不足、日照りによる水不足、豪雨での大洪水、台風、ハリケーン、サイクロン、嵐で海沿いの街は波に飲み込まれていますよね。

それから世界各地の紛争、中東の戦争がヨーロッパまで広がりつつありますけれども。

そんな世界の中でですね、日本がいつまで平和でいられるかは分かりませんのでね、あちらの世界のほうが安全なのは確かだと思います。


それとですね、あちらに行った後、こちらに戻れるチャンスが巡ってくることがありましてもですね、決して、こちらには戻らぬように、戻らないという選択をされるようにお願いいたします。

戻ろうなんて考えるのは私たちみたいな、かなりの変わり者の、もの好きだけです。あちらの世界が素晴らしすぎて、戻ろうなんて気はまったく起きなくなると思います。決して戻らぬように、重ねてお願いいたします。



それではですね、福龍さんにバトンタッチしてですね、初期ステータスのお話をしていただこうと思います。はいはい、福龍さん、こちらに、わたしそれ変わりますので、はい、はいどうぞ、はい交代。




どうもどうも、福龍です、こんばんはー、え? ニヤニヤしてる? そうですか? イケメン? そお? またまたー、そんなに褒められると照れますよねー、でもイケメンは本当のことですからねー、しょうがないですよねー。 はい、イケメンなんてコメはひとつも無かったですが、始めていきたいとおもいまーす。


えーと、コメ見ると、いろいろと書いてくれてますけど、そうですね、体は日ごろから少しでも鍛えておいたほうがいいですね。むこうでの体力とか筋力とか、こちらよりアップするんですけど、簡単に言えば、倍になると思ってください。


こっちで握力が20キロの人は40キロになって、握力50キロの人は100キロになるってイメージでいいと思います。なので、鍛えておけばおくほど、むこうでのスタートダッシュが有利になります。

もちろん、むこうに行ってから鍛えても上がるんですけどね、少しでもこちらで鍛えておいたほうがいいですねー。


足腰を鍛えるっていうのも重要ですねー。下半身の強さはそのまま素早さに反映されますね、瞬発力も倍になるので、下半身の筋肉はめちゃくちゃ重要でーす。


あと、筋力と合わせて鍛えておいて欲しいのは、技ですね、技ってモンスターとの戦いの中で閃いて覚えるって難しいんですよ。なので、きちんとした先生に技を習っておいたほうがいいですね。

技の習得って、むこうでもこちらでも、覚えるスピードは同じだと思います。あとは熟練度なので、少しでも早く技を覚えて、日々の鍛錬で体に覚えさせるっていう感じですね。技は倍にはなりませんので。


習うのは空手でも柔道でもボクシングでもいいんですけど、中国拳法とか日本の古武術とか、本当に相手を倒す武術ってあるじゃないですか、そういうのがいいです。

覚える技に、関節を折るとか目潰しとかが入ってるやつ。スポーツではない本物の武術をおすすめしますね。


あ、いまコメにありましたけど、剣道と剣術とどっちがいいですかって質問でしたけど、剣道と剣術かー、どっちでもいいと思います。ただモンスターにそこまでの剣の使い手はいないんじゃないですかね、だからー、切れる剣での立ち合いを意識した剣術のほうがいいかもしれませんねー。

あ、みなさん、木刀って振ったことありますかね、木刀ってかなり重いんですよ。だからですね、毎日木刀を素振りするだけでも、かなり体は鍛えられると思います。

剣を振るときに使う筋肉ってかなり普通と違うところを使いますからねー。最初は筋肉痛になると思いまーす。


あとは何ですかねー、コメを見るとー、みなさん何が知りたいですかねー、えーと、あ、魔法ね、それから、必殺技ね、えーと、えーと、魔法については自分は得意じゃないんで、必殺技について話そうかな。


えーと、必殺技って、一応というかなんというか、出来るようになるにはなるんですけど、なんていえばいいのかなー。


要するにですね、自分はあまり頭がよくないんで、魔法は苦手なわけですよ。で、少しは使えるんですけど、筋肉バカなもんで、弱い炎の魔法を放つよりは、自分の技に魔法を乗せて、火炎属性の技にしちゃうんですよ。

だからー、誤魔化してるって自分は思ってるんですけど、拳に炎を乗せて正拳突きをすると、灼熱パンチが打てるわけですよ。


ですので、前衛系の人は技に魔法を乗せるんですよね。それが必殺技です。

自分が見たのは、イナズマキックとか、ライオットソードとか、サンダー系が多かったですかね。あとは風魔法が得意な人は、スピードアップとかジャンプ力アップとかに使ってる人がいましたね。疾風の剣とか竜騎士のジャンプとか、強かったですねー。


その辺の、魔法系必殺技に関しては、向こうに行ったら強い人がたくさんいるので、あちらに行ってから聞いたほうがいいですねー。


それからー、魔法の話なんですけど、魔法は集中力と頭の良さなんで、こちらで鍛えるのは少し難しいですかねー。使えるようになってからの感覚なんでねー。

MPはー、集中力の持続時間がMPなんですかね、よくわからないですね。あと魔法の威力は、なんなんだろ、覚えられる魔法の種類は記憶力ですかねー。苦手なんで光鈴さんに今度教えてもらいましょう。


それとー、修生様はヒーラーなんですけど、それについては修生様に教えてもらいましょう。


自分からは、こんなところですかねー。修生様、こんなところなんですが、いいですか? あ、はい、はいはい、それじゃ、交代で。みなさん、ありがとうございましたー。交代しまーす。どもども。




はい、福龍さんの解説はいかがだったでしょうか、何も新しいことは言ってなかったですけれども、コメントを拝見しておりましたが、初めて聞いたって方もおられたみたいですね。勉強になりましたでしょうか、あ、なった、なった、はい、なりました、ということで、福龍さんは普段はもう少し渋いんですけど、放送で緊張すると筋肉バカがバレるとおっしゃっておりまして、あまり放送に出たがらないので、この辺で勘弁してあげようと思いますですね。


えーと、私からはですね、ヒーラーは信仰心なんですけれども、これが少し普通の人が持つ信仰心のイメージと違う所があるんですが、えーとですね、神様をただ信じているだけではヒーラーにはなれないんですよ。


これが少し難しいですけど、こちら側に立たなければいけないんですよね。こちら側っていうのは、救う側です。


神様、信じています。助けてください。ではダメなんですね。


助ける側に立つというのが重要ですね。すなわちそれは、慈愛の心です。

自分が、神様仏様に代わって困っている人を助けるという強い心です。


この心を強く持っていると、ヒーラーになれると思います。

言うのは簡単ですけどね、これがなかなか難しいと思います。

みなさんもですね、よろしければチャレンジしてみてください。



それではですね、今日の無料放送はここまでにいたします。


有料のほうでは、今日はですね、夜の首都高の映像と、福龍さんの低音ボイスの白隠禅師坐禅和讃(はくいんぜんじざぜんわさん)で、音楽は芸能山城組のヤバイやつが流れますので、皆さんご注意を。ラッセーラー、ラッセーラーです。


えーと、会員限定は月額六百円、オンラインサロンは月額千円となっております。集まったお金は禅寺の維持費など、様々なことに使わせていただきます。全ての内訳はサロン内で見られるようになっております。ぜひぜひ、会員登録をお願いいたします。


それではまた、次回の放送でお待ちしておりまーす。



「はいオッケーです」

「お疲れさまでした、ありがとうございました」



 

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