学園ものでディストピア。そこに物珍しさはないのですが、崩壊してゆく世界で恋をしたり約束をしたりする儚さと、その世界から居なくなれないであろう主人公に待ち受ける運命の残酷さが、流麗な文章で描かれる恋心とともに際立ってくるようです。世界が終わるのはほぼ確定で、周りのみんなもきっと近いうちにいなくなる。でも、僕は……後味の悪い幕切れの、その先を想像するとこの物語は完成すると思います