修学旅行編

あれから僕は全力で走り家へと向かっていた。こういう時自分が能力者だったらなあ。と思うが無能力者なのだから仕方がない。

なんて、考えていたら家についたので僕は息を整えつつ家のドアに手をかける。

「お帰り。ラム大丈夫か?」

と僕は玄関でラムに聞くとラムは満面の笑みで呟く。

「あ!せんぱーい!全然大丈夫ですよー!もう、全然気にしてないでーす!」

言葉と表情ではラムは笑顔で明るく振る舞っていたが雰囲気はどこか悲しげだった。こんな感じでこいつはいつも一人で抱え込む節があるので僕は彼女の頬をデコピンし、真剣な表情にかえ言う。

「嘘つけー。その、今回の件は僕が全面的に悪かった。お前の友達は僕を恨んでいて復讐としてお前を傷つけたんだ。」

やっぱり言葉を濁すよりはしっかりラムの友達について真実を話した方がよいだろう。

するとラムは少し涙を流しながら小さく呟く。

「いえ。私。本当は気づいていたんです。あの娘が私に悪意を向けているって。でも、それでも私はあの娘と買い物に行きました。本当に私が悪いんです...」

さっきまで少ししか流れていなかった涙が大粒となり始めたので僕はそれを隠すかのように彼女にハグする。

「違う...ラムは悪くない。今回は完全に僕のせいだ。そもそも、ラムが今まで友達が出来なかったのも僕がラムがおかれている環境を容認していたからなんだ。僕に出来ることなら何でもやるし、何回でもやる。だから、本当に...すまん」

なんて、僕も少し涙をこぼしつつラムに謝罪するとラムは胸のなかで微笑みながら呟く。

「じゃあ。私の親友になってください...」

「当たり前だ!」

なんて、僕が返すとラムは少し照れたように頬を赤く染める。そして小さく何かを呟く。

「彼女でも、いいです......」

全く聞き取れなかったので僕はラムに何を言ったのかと聞く。

「うん?なに?」

すると何故か、ラムの頬はほんのりとした赤から真っ赤な物へとかわりラムは頬を両手で押さえながら甘い声で呟く。

「先輩のばか...」

と何故か僕はラムにあざとくディスられるのだった。

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殺し屋。~殺し屋として転校してきたらハーレム築く事になった。~ 天草 仙 @kamuidyo

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