入学編 ⅴ

あれから1日経ち僕はラムに起こしてもらい朝ご飯を食べていた。ラムはいつもよりどこか機嫌が良い。

「ラムご機嫌だな。どうしたんだ?」

なんて、僕が聞くと彼女はニマニマしながら呟く。

「私。今まで先輩の仕事を手伝う事務作業しながら過ごしてて勉強とかも家でしていたので先輩以外に仲が良い人いなかったじゃないですかー。」

「うん。」

「でもー!なんとー。そんな私にも人生で初の女友達が出来たんですよ!それで今日の昼間に一緒に買い物に行くんです!」

「おー良かったなー。」

「あれ?せんぱーい!もしかしーて。焼き餅を焼いてるんですか?」

なんて、彼女は頬を赤らめながらやってくる。こいつ、これ多分狙ってやってると思うけどめちゃくちゃあざといな。

「別に焼いてねーよ。それにラムに友達が出来るのは僕としても嬉しいしな。

なんて、僕が言うと彼女はどこか不機嫌そうな表情を浮かべて「先輩のばか!」と呟く。そんなラムにはいはいと僕は流しつつご飯を食べ身支度をし、家を出るのだった。


あれから数時間が経ち僕は放課後シャリーに魔法を教わり終え、玄関で靴箱の前に立ち呆然としていた。

その僕の様子でシャリーが何かを察したのか僕に「どうしたのですか?」と聞いてくる。

「なんか、呼び出しの手紙が入ってたんですけど。」

シャリーは少し微笑み言う。

「ルーバントくんはモテるんですねー」

僕は首を振り呟く。

「いや、違うんです。なんか、シャリーさんと僕を呼び出している手紙なんですよ。」

シャリーは困惑したような表情を浮かべている。

「とりあえずその場所に行って見ましょうか。」

と僕は言われたので僕たちは手紙に書いてあった指定先の校舎裏へと行くのだった。


校舎裏へと行くとそこにはストーカー系イケメン男子と二人の少女がいた。2人の少女は赤髪で顔はそこそこ可愛かった。

「あのー。何ですか?」

と僕が呟くと一人の少女が僕に軽蔑したような表情を見せながら呟く。

「ルーバントだっけ?君さー。なんで、ロミオくんがシャリーさんを狙っていると知っていたのにシャリーさんを口説いたの?それとシャリーさんもなんで、簡単に落ちるの?マジできもいんだけどびっちが!」

これは面倒くさい事になったかも知れない。そう思い僕は適当に謝る事にした。

「あー。すみませんでしたー」

なんて、僕が軽めに謝ると彼女らの一人が逆上する。

「誠意が足りないよね!大体なんで、自分が悪いことをしているのにそんな舐めた態度とれるの?」

なんて、僕はそんな事を言われるので唾をペッと吐き睨む。こういうタイプの人間は下手に出ると付け上がると職業柄分かっているので僕は反抗することにした。それにおそらくこのまま媚びていたとして穏便にとは絶対に事は進まないだろう。

「誠意が足りないってこっちは面倒くさいから仕方なく謝ったんですけど。それに今回の件は別に法律に反している訳ではありませんし、色恋沙汰なんてどちらかが悪いとかいう問題ではありませんよね?まあ、ストーカーそっちがしているのでそっちが悪いですが。て言うかあなた達みたいな外野が喚くことじゃないでしょ。」

「外野って私達はロミオの幼なじみなの!」

いや、外野だろ。なんて、思いつつ僕はロミオと呼ばれていたストーカー系イケメン陽キャを睨む。

「て言うか、この話しこの前に解決しましたよね?」

なんて、僕が言うと彼はへらへらしながら呟く。

「いやーごめんね!僕は納得してるし止めたんだけど。」

この感じなんだか気に入らない。

「おそらく口だけで、本気では止めてませんよね?あなたこれによって状況が変わるかもって期待したんでしょ?」

そうロミオに言うと彼女は達は何か言いそうになったので僕は彼女達に発言させない為にさらに追い討ちをかける。

「大体、あなた達2人もこのロミオさんが誰かに夢中になるのが嫌なんだよね。前までは好きでストーカーしていたとはいえ、本当の意味ではまだシャリーさんには執着していなかった。だが、完全にフラれたことによりロミオさんは完全にシャリーさんに行動は起こさなくとも精神的に前より、より一層シャリーさんに執着するようになった。いや、依存と言うのが正しいかも知れないな。君たちはそれが気に入らなかったんだ。だからその怒りを僕とシャリーさんに向けてきた。だって、付き合っちゃえば今みたいな依存はシャリーさんを手にいれたことによりおそらく収まりますものね。」

なんて僕が少し淡々と告げるとシャリーが僕の唇に手を添えてきた。

「ルーバントくん。私の為に怒ってくれてありがうございます。でも、もう良いです。私はもう大丈夫ですから。これ以上ルーバントくんが言葉でこの人達を傷つけたらこの人達と一緒になってしまいますよ。」

なんて、シャリーが呟く。確かにこの問題はシャリーの問題であるので呼び出されたとはいえ、僕はこの問題についてもう口は出すのはやめにした。

まあ、僕もここまでぼろくそに言ったのでシャリーが彼女らの怒りの対象になることはないだろう。まあ、そのかわり僕に向くことになったのだが。

なんて、思い僕がその場から立ち去ろうとすると僕に少女のうち一人が叫んでくる。

「まあ、いいや!!!私たちさー。ルーバントとの家に良く出入りしている女に近づいたんだよね~!あんな達二股してるの?私達それが許せなくてさー!正義の鉄槌わ下すことにしたからー!あんたの女と私たちの友達が今買い物に行ってるの!それでさー。ひとけがない路地裏に行ってさー。ちょっーと痛い目見てもらうから!!!!いや?もう事後かな?アハハっ!」

なんて、言われ僕は慌ててラムに電話する。

「おい!ラム大丈夫か?」

なんて、僕が電話をかけてるとどこか元気なさげな、まるで出会ったときのような声で返事してくる。

こいつは最初にあった時は本当に世界に絶望しているような、虚ろな目をしていた。まあ殺し屋の元で過ごしていたら当たり前なのだか。だが、ここ数年は笑顔を見せてくれていたのだ。そんなラムの笑顔を壊したロミオ達を僕は絶対に許さない。

「先輩...なんか、後ろから不意打ち的な感じで魔法打たれちゃいました。でも、大丈夫です。捻挫したくらいで相手は返り討ちにしましたから。いやー。友達って思っていたんですけどねー」

本当に許せない。

「ごめん。僕のせいだ。後からしっかり謝らせてくれ。それじゃー。すぐ家に戻る。」

と僕は言い電話をきる。

「おい。くそ女。お前やって良いことは悪いことも分からないのか?」

少女らはニヤリと笑い呟く。

「えー。わかんなーい。まあ、大怪我はしてないし良いでしょ。」

「肉体的にはそうかも知れないがラムの心はめちゃくちゃ傷ついてる。」

と僕が呟くと彼女は大笑いし、何故か杖を出し僕に向けてくる。

「おい。流石にそれは!」

とロミオが言うが彼女らはそれを無視して僕に炎魔法を撃ってくる。

「あんた。魔力ないんでしょー!記述だけで魔法高校に入学してきた雑魚にプレゼントー!!!!」

彼女は自信満々に撃ってくるが正直学生の魔法なんて、速度的には遅いので僕はそれをかわし、ポケットから拳銃を取り出す。拳銃に玉をこめ僕は魔法を撃ってきた少女の顔目掛けて撃つ。それと同時に重い反動が僕の手を襲う。彼女は魔法壁すら纏っていないのでダイレクトに彼女の頬を弾丸がかする。

「貴様!女の子に!!やめろよ!」

なんて、ロミオが言ってくるが僕はそれを無視して彼女に近づく。

「今ここで死ぬか、今ここで謝って僕らに一生関わらないかどっちかを選べ。」

なんて、詰めると彼女は体勢を崩し、転ぶ。

「あ、あんたこれ以上攻撃したら警察に言うから!」

「別に良いよ。お前に攻撃されて正当防衛として撃ったら死んだ事にするし。」

「ほらさっさと選べ。僕的には前者で良いと思うぞ。お前がいなくなったら喜ぶやつも多そうだし。」

「いるわけないだろ!」

とロミオが言ってくるので僕は振り向かずにロミオを撃つ。

「君。自分が傷つくだけなら答えを出さないのであればロミオを殺す事にしようかな。」

なんて、言いつつ僕は二発また発砲する。

一発目は少女の太ももにうち二発目はロミオに撃った。

これが間違っているのは知っている。だが許せないのだ、ラムを傷つけたことが。こうでもしないと彼女らは誠意を持って謝罪することはないだろう。

「ご、ごめんなさい。本当に今回は私が悪かった。あなたの大切な人も傷つけてしまい本当にすみませんでした。も、もう関わりません。」

彼女は僕を睨みながらそう言ってきたので僕は彼女の腹を踏みつけ「謝るきあるの?」と呟く。すると流石に彼女は「本当にすみませんでした。」

と呟く。

僕はそういわせすぐにラムの所へと向かうのだった。


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