第31話変わっていくもの


「はぁ」


俺は大きなあくびをしながら、いつものように学校に向かっていた。


「りく…おはよう!」


後ろの方からティーナの元気な声が聞こえてくる。


俺が後ろを振り返ってみるとティーナが満面の笑みで駆け寄ってくる。


「ティーナおはよう」


「りく、おはよう」


麻衣は俺達にそう挨拶をしながらいつものように横に並ぶ。


「ティーナ昨日はありがとう、ご飯とても美味しかった」


「よかったら、今度私に作り方教えてくれない?」


「うん…いいよ!」


ティーナは頷きながら笑顔でそう言った。


俺は2人が会話をしているところを微笑ましく見ていた。


「何よ私達の顔じーっと見て何かついてるの?」


「いやいやそういうのじゃなくて!」


「じゃあ、何よ」


「意外だなぁと思って」


「意外って何が?」


「2人がこんなに仲良くなると思わなくて」


「なんでよそもそも陸が2人ならいい友達になれると思うよって言ったんじゃない!」


「もちろん2人ともすぐに仲良くなれると思ってたよ」


「うんだけど、そういうんじゃなくて2人とも出会った時とずいぶん違うなぁと思って」 


「私達…そんなに…違う?」


ティーナが俺にそう言ってきた。


「ああ、全然違うよティーナ前から学校楽しそうだったけど麻衣と遊ぶようになってからもっと楽しそうだし」


「麻衣と初めて会った時、俺きっと厳しそうな人だなぁって思ってたけど今はなんか柔らかくなった」


俺は2人と出会った時のことを頭に思い浮かべながら、そう言った。


俺がそう言うと2人は照れくさそうにしていた。


「あ!こんな話をしてる場合じゃない、急ぐわよ2人とも今日は体育祭の準備があるんだから!」


麻衣は自分が付けている腕時計を見てそう言った。


「あ!そうだった」


ティーナもそのことを聞いて、とても慌てている。


俺達は気持ち急いで学校へ向かった。



「なんとか間に合った」


俺は少し息切れをしながら、そう言った。


そして俺達はそれぞれ自達ちのクラスへと向かった。



俺達はゆっくりと自分の席に座った。


「急いで来ちゃったけど、まだ全然時間あったな」


俺はクラスの中にある時計を見ながらそう言った。


しばらくすると担任の先生がクラスの中に入ってきた。

 


「今日は明日に向けて体育祭の準備だしっかりやれよ!」


「はーい」

 

クラスの生徒達は先生にそう返事を返す。


「それじゃあ、早速勉強始めるぞ今日やるのは数学だ」


俺は特に何も考えず授業を終えて昼ごはんの時間になった。



「久しぶりに屋上でお昼ごはん食べるかティーナ」


「それじゃあ…まい…も誘おうよ」


「そうだな」


俺達は麻衣を誘って屋上へ向かった。 


「ここに来るの久しぶりだな」


「最近ずっと体育祭のことで忙しかったからね」


「体育祭…楽しみだね」

 

俺達はそんなことを話しながら、地面に腰を落とした。


「いただきます」


俺達はそう言ってご飯を食べた。


「そういえば!麻衣って体育祭で何やるんだっけ?」


俺は思い出したようにそう言った。


「うちのクラスは魔女の館っていう名前で占いをやるのよ」


「そういえば麻衣そんなこと言ってたよな」


「衣装とか着るのか?」


「一応衣装あるみたいだけどサイズ測られただけでまだ実際に来たことはないのよ」


「魔女の館っていうぐらいだから、魔女の格好するんじゃないか?」


「そうね多分そんな感じになると思うわ」


魔女の服っていうと俺、中二病的なのしか思いつかないけど。

 

枚が中二病的な衣装を着たとしても雰囲気となんかあってなさそうだなぁ。


「とりあえず時間があったらそっちの方も見に行ってみるよ」


「来れたら来てね、待ってるから」


「うん…楽しみに…してるよ…まい」


「それじゃあ、ご飯も食べ終わったし、クラスに戻るか」


「ええ、そうね」


そして、俺達は自分達のクラスへ戻った。



「この後の授業、何だっけ?」


「最後の…劇の練習…だよりく」


「そっか、そろそろ時間だし、先に体育館に行くか」


「うん…そうだねりく」


俺達は一足早く体育館に向かった。


「にしても、うちの学校の体育館って普通の体育館よりやっぱり広いな」


「漫画…とかでも…学校の…体育館って…出てくる…よね」


「確かによく出てくる、特に恋愛漫画とかで学園祭のシーンでよく使われるよな」


「まぁ、王道な展開の方が読者も安心するんだろうな」


「まぁ、俺も普段読まないSF系のラノベを読もうとはするんだけど」


「近くに普段呼んでる、ファンタジー系のやつがあるとやっぱりそっちに行っちゃうんだよなぁ」


「私も…普段呼んでる…漫画の…ジャンルの方が…やっぱり安心するんだよ」


「やっぱりそうだよなぁ」


俺はティーナのその言葉に共感して相槌を打った。


俺達がそんなことを話している、体育館の中に生徒達が入ってきた。


「今日で演劇の練習最後だから、みんな頑張りましょう!」


1人の女子生徒がみんなにそう言った。



俺達は衣装に着替えた。



俺が周りを見てみると、色々な衣装を着た生徒達が目に付いた。



右目に眼帯をして魔法使いの衣装を着た女子生徒の姿は俺の中にある、中二病の心をくすぐる。


他にはライトノベルによく出てきそうなメイドの格好をした女子生徒もいた。



俺がふと体育館にある時計を見てみるともう結構な時間が経っていた。


「よしそろそろ練習終わりにしようか」


再び1人の女子生徒がそう言った。



そういうとみんなは立ち去っていく。


「それじゃあ、俺も帰るか」


俺はそう言ってゆっくりと立ち上がって体育館を出た。



俺が廊下を歩いていると目の前から雲雀が歩いてくる。



はぁ、このままゆっくり家に帰れると思ったのに、そうもいかなさそうだな。


俺は心の中でそうため息をついた。


今更雲雀に嫌味を言われて傷つくのがやとかそういうのじゃなくて、ただ単純に面倒くさい。


「よう陸いよいよ明日演劇だな」


「失敗しないように気をつけないとなぁ」


雲雀は俺を小馬鹿にするようにそう言った。


だが、俺はそんなことは一切気にせず余裕の表情でこう言った。


「ああ、そうだな、それじゃあ俺は帰るから、そこどいてくれるか?」


「陸のくせにこの俺に向かってよくそんな口の聞き方ができるな!」


雲雀はそう言いながら俺の胸ぐらを掴んで殴ろうとする。


だが、俺は怯えることも目を背けることもせず雲雀にこう言った。


「殴りたいなら、殴ればいい、ただ俺は泣くことも怯えることもしない」


「俺はお前より強いってことが分かったから」


「なんだと!」


「きっとお前には一生理解できないよ」


雲雀はとても悔しそうな顔をしながら俺の胸ぐらを手から離した。


そして俺は何事も無かったかのように廊下を歩いていた。


すると後ろの方からティーナの声が聞こえてきた。



俺が後ろの方に顔を向けるとティーナがこっちに向かって走ってきていた。


「ティーナ先に帰ったと思ってたけど、まだいたのか!」


「よかった…先に帰っちゃったのかと…思った」


「それじゃあ一緒に帰るか」


「うん」


ティーナは笑顔でそう頷いた。


「りく」


「何だ?」


「2日後…頑張…ろうね」


「りく…明日…学校…休みだし3人で…どっか遊びに行こうよ」


「あっ、そっか!明日は先生達の体育祭準備期間で学校休みなのか」


「だから、明日は3人でどっかに遊びに行こう!」


「ああ、そうだな」




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