第30話内緒話


「ありがとうティーナパンケーキとっても美味しかったよ」


俺は満面の笑みでそう言った。


「ええとっても美味しかったわ」


麻衣も俺に続くようにそう言った。


「よかった」


ティーナは胸を撫で下ろしながら、そう言った。


「それじゃあ…お皿洗ってくるね」


ティーナはそう言ってお皿を持って立ち上がった。


「それじゃあ私手伝っていい?


「じゃあ…まい…お願い」


「俺も何かした方がいいか?」


「りく…そこで…待ってて」

「陸はそこで待ってて」


2人に同時にそう言われてしまった。


手伝うことは諦めて、俺はここで待っていることにした。


それにキッチンの方を

見てみると余裕のスペースで洗い物をするには2人が限界のようだった。



そして、私達はお皿を洗い始めた。


「今日はありがとねティーナ」


まいがいきなり私にそう言ってきた。


まいはそのまま言葉を続けた。


「私、前にも言ったけど、今まで友達いなかったからこういうのなんだか不思議な感じがするんだ」


「それに私時々思うんだよもし陸と出会わなかったらティーナとも出会ってなかったと思う」


「だからそういう意味で私にとって陸は大事な人なんだと思う?」


「私も…りく…と一緒に…いるとなんだか…落ち着くんだ」



俺は2人が楽しそうに女子トークに花を咲かせているところを微笑ましく見ていた。


しばらくして2人は洗い物を終わらせて再びテーブルの横に座る。


「ねえ…3人で…一緒に…ゲーム…やらない?」


ティーナは俺達の顔を見ながらそう言った。


「え!でも私ゲーム得意じゃないんだけど?」


「大丈夫…まい…きっとりく…が…教えてくれるから」


ティーナはそう言いながら、俺の家に置いてある同じゲームハードをコンセントに繋いだ。


「でも、ちょっと待て!ティーナゲームを教えるにしても、俺が知ってるゲームじゃないと教えられないぞ」


ティーナはゲームのソフトを探すのに夢中で、俺の言葉は全く聞こえていないようだった。


「あった!」


ティーナはそう言いながらゲームソフトのパッケージを俺達に見せてきた。


「確かにそのソフトなら教えられると思うけど」


俺は少しほっとした表情でそう言った。


「それじゃあ…早速やろう!」


ティーナは嬉しそうな表情をしながらゲーム機にそのソフトをセットして電源を入れた。


「最初、私は何をしたらいいの?」


「ゲームが始まったら教えるから、ちょっと待っててくれ」


「うん」


「私…トイレ…行ってくる」


「ああ、わかった」

 

少しするとゲームが始まった。


「それじゃあティーナが戻ってくるまで少し練習してみるか?」


「そうするわ」


「まあ、このソフト、格闘ゲームだからやってくうちに慣れてくと思うけど」


「それじゃあ、まずは俺と対戦しながら操作法を覚えていくか」


「ええ、わかったわ」


俺達は早速対戦を始めた。


「まずはそこにある、左スティックを前に倒してみてくれそうすると、自分が操作してるキャラが前に歩き始めるはずだ」


「こういうこと?」


麻衣はそう言いながら、俺の言った通りにスティックを動かした。


「そうそう、そんな感じだ」


俺はゆっくりと麻衣に操作法を教えて言った。


「あと、ゲージが溜まってる時にこことここを同時押しすると必殺技が発動できる!」


「え!どことどこ?」


麻衣はそう言いながら、俺の手元にある、コントローラーをのぞき込んでくる。


俺がふと顔を上げてみるとコントローラーを覗き込んでいた麻衣と目が合う。


「あ!」


その瞬間俺の体の中に緊張感が湧き上がってきた。


麻衣もびっくりしたのか、心なしか顔が赤い気がする。


俺その緊張感に耐えられず麺太らした。


「あ!悪い」


「気にしなくていいわよ」


俺達がそんなことを話しているとティーナがトイレから戻ってきた。


「お待たせ…それじゃあ…ゲーム…始めようか」


「あれ…2人とも…どうしたの?」


「いや…何でもない」


俺達は少し緊張しながらそう言った。


そして俺達はゲームを始めた。



「ティーナなんで、こんなにこのゲーム上手いのよ!」


「私…たくさん…このゲームやったからね」


ティーナは自信満々の表情で枚にそう言った。


ティーナが操作しているキャラはとても動きが素早かった。


どうやらこのゲームをやり込んでいるというのは本当らしい。


だけど俺だってこのゲームのやりこみには自信がある。


俺達は最初麻衣に操作法を覚えてもらうため、手加減していたはずなのだが。


俺達2人は途中からそれを忘れて本気になっていた。


麻衣は俺達2人に1度も勝つことはできなかったが初心者にしては攻撃を避けるのがとても上手く結構長いこと生き残っていた。



「はぁ」


俺は一息ついてコントローラーを一旦下に置いた。


俺が窓の方を見てみると東住み始めていることがわかった。


「ティーナの母さんっていつ帰ってくるんだ?」


「あと…2時間後…ぐらいかな?」


そして、俺のお腹がグググーとなる。


「あ!そろそろ…夜ご飯の…時間だ」


「よかったら…2人とも…夜ご飯…食べてく?」


「え!いいのか?」


「うん」


俺がティーナにそう聞いてみると笑顔でそう頷いた。


「それじゃあ…今から…作るから…2人は…ここで…待ってて」


「ああ、わかった」


ティーナはキッチンの方に行って再びエプロンをして料理を始めた。


「ティーナどんな料理作ってくれるんだろう?」


「さあ、わからないけどイギリスの料理とかじゃない?」


「イギリスの料理ってどんなのがあるんだ」


「そうねーフィッシュポテトとかかしらね」



「私は名前しか知らないからわかんないけど、名前からして魚とポテトを使った料理かなんかじゃないかしら」


「そうかもな」


「ていうか、俺達勝手にティーナがイギリスの料理を作るって思い込んでるけど、普通に日本食を作る可能性だってあるんだよな」


「そういえばそれもそうね」


「とりあえず料理ができるまで、俺達は待ってようぜ」



しばらくするといい匂いが俺達のところまで流れてきた。


「お待たせ…2人とも…料理…できたよ」


ティーナがそう言いながら運んで来た料理は俺の知らない料理だった。


ティーナはその料理を載せてあるお皿を慎重にテーブルの上に置く。


「ティーナこの料理はなんて名前の料理なんだ?」


俺達はそう言いながらお皿に乗っかった料理を見た。


その料理はマッシュポテトと牛肉をパイ生地で包んだものだった。


俺は気になりそう聞いた。


「この料理…の名前は…シェパーズパイっていう…名前の…料理…だよ」


「シェパーズパイ?」


俺達はその聞き慣れない言葉にきょとんとしてしまった。


「うん…私が…小さかった時…お母さんが…よく作って…くれてたんだ」



「ティーナこの料理すっごく美味しいよ!」


俺は笑顔でティーナにそう言った。


俺が右を向いてみると麻衣が満面の笑みでそのご飯を食べている。


「あ!まい…の笑った顔…久しぶりに…見た」


俺達がそんなことを話していると、誰かが家の中に入ってきた。


「ただ…いま」


「あ!おかえりなさい!」




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