第29話出張

今日は休みの日、俺はいつものように早く起きてアニメ鑑賞をしていた。



「面白かった」


あくびをしながらそんなことを言っていると、俺のスマホに電話がかかってきた。


(ブブブ!)


スマホの画面を見てみるとティーナからの電話だということがわかる。


どうしたんだ、こんな早い時間に!


俺はそんなことを思いながらデジタル時計の方を見てみるとそこには7時と表示されていた。


「あ!って思ったけど、この時間だったら起きてる奴は起きてるか」


俺はそんなことを口に出しながら電話に出た。


「もしもしどうしたんだティーナ」


「あ!りく今日よかったら家に遊びに来ない?」


「いいけど、なんで?」


ティーナは少し間を置いた後、英語でこう話し始めた。


『今日お母さんが仕事の出張でいなくて』


なるほど、要するに出張でお母さんがいなくて暇だから俺に遊び相手になってくれということか?


俺が心の中でそう考えていると、ふと一つの疑問が浮かび上がってくる。


俺はその疑問をティーナに直接聞いてみることにした。


「ティーナ今日お父さんはいないのか?」


「海外に…仕事で…行った…まんま帰ってきて…いない」


「連絡…取れてる…から大丈夫…だと思う?」


「そっか」


「とりあえずわかった9時頃にそっち行く」


「うん…ありがとう…りく」


ティーナがそう言った後、俺は電話を切った。


「はぁ、前も思ったけどティーナと出会ってから外に出て遊ぶことが増えたな」


しばらくすると、母さんがゆっくりと起きてきた。



そして俺は昨日母さんが買ってきてくれておいた朝ごはんパンを食べる。


「あ!そうだ今日ティーナと麻衣と3人で遊ぶから」


麻衣が来るかどうかはわからないがこれはなんとなく来る気がした。



遊ぶかどうかは分からないが、とりあえずお母さんにもそう言っておこう。


「麻衣って誰?」


「前に言わなかったっけ?」


俺もそう言いつつ言ったか言ってないかははっきりとは覚えていない。


俺が言ったことを母さんが、単純に忘れているだけかもしれないが。


「えーと学校で仲良くさせてもらってる女の子だよ」


「え!陸ティーナ意外に友達いたの!」


母さんはそう言いながら本気で驚いているようだった!


「それどういう意味だよ母さん」


「だって陸中学生の時、ひきこもってばっかりでゲームかアニメを見ているだけだったから」


「オタクでも友達はできるだろう」


「いや、そういう意味じゃなくて、とりあえずあんたに友達ができてよかった」


「その2人を大事にしなさいよ」


「ああ、わかってるよ」


俺はそう言いながら強くうなずいた。


俺はしばらくして準備をしてティーナの家に向かった。



俺はティーナの家のチャイムを押した。


(ピンポン!)


「はーい」


ティーナと他の誰かの声が同時に聞こえたそれは聴き覚えのある声だった。



どうやら俺の予想は当たったみたいだ。



すると中からはティーナが出てきた。


「あ!いら…しゃいりく」


そう言われて俺は部屋の中に入った。


俺がリビングの部屋に向かうと、そこには私服の格好をした麻衣がいた。


「やっぱり麻衣も来てたのか」


「ええティーナに呼ばれてね」


「ごめん…ね…2人…とも急に…呼び出しちゃ…て」


「別に気にしなくていいわよ」


麻衣がそう言った。


「もうお母さんは仕事に行ったのか?」


「うん…さっき」


「で、今日はここに集まったけど何をすればいいんだティーナ?」


「あ!そうだね」


どうやら俺たちを呼ぶことだけを考えていて、その先のことは何も考えていなかったみたいだ。


「あ!トランプなら…あるけど…やる…2人とも」


「そうね、このまま何もしないっていうのもアレだし、何かやりましょうか」



麻衣がそういうとティーナは自分の部屋にいった。


数分後。



「あったかティーナ?」


「うん…あった」


ティーナは俺に手に持っているトランプを見せながら、そう頷いた。


「それじゃあ、トランプ何やる?」




麻衣がそう言った後俺達はしばらく考えた。


俺ブラックジャックとかポーカーとかできるけど、ここは無難なものにしておいた方がいんだろうな。


「私はトランプのゲームだったら一通りルールはわかるけど2人とも何ができるの?」


麻衣が俺達にそう聞いてきた。


それもそうだな麻衣がルールを知ってたとしても、俺達が知らないと意味ないもんな。


俺は心の中でそう思った。


「あ!所でティーナはトランプのゲームだったら何ができるんだ?」


ティーナは申し訳なさそうな顔をしながら、英語でこう言った。


『ごめん私ババ抜きしか基本的にできない!』


『そうか、わかったじゃあ、ババ抜きにするか』


「ティーナなんだって?」


「ティーナババ抜きしかできないみたいだからババ抜きにするか」


「そうね、そうしましょうか」


そして俺達は早速ババ抜きを始めた。


「それじゃあ…私から…でいい?」


俺達はその言葉を聞いて強くうなずいた。


すると俺が持っているカードに向かってティーナの手が伸びてくる。


顔が近い!


俺がそんなことを考えているとティーナは自分が引いたカードを見て、ほっとした表情をしていた。


「それじゃあ次、私の番ね」


麻衣はそう言ってティーナの頬に手を伸ばしてカードを引いた。


それからも俺達はババ抜きを続けたが1度も麻衣には勝てなかった。



「なんで麻衣ってこんなにババ抜き強いんだよ」


「何か…やり方…とか…あるの」


「特に気にしたことはなかったけど心が読まれないようポーカーフェイスを忘れないようにしてる」


「それにしても、そんな簡単にポーカーフェイスってできるものなのか?」


俺は興味本位でそう聞いた。


「そうねー私の場合、気がついたらこれが身についてたから陸に言われなかったらきっと気付かなかったわ」


「もしそのポーカーフェイスを身につけるとしたらどんなやり方で身につけるんだ」


「そうねー」


俺が麻衣に聞いてみるとしばらく何かを考えているようだった。


「実践あるのみ!」


「どうやって練習するんだよ!」


俺は思わず麻衣のその言葉に突っ込んでしまった。


「まさか、カジノとか言って練習するんじゃないよな!」


「当たり前でしょ!そんな事してたら私が全力で止めるわ!」


「俺もそんなことやるつもりねーよ」


俺がそう言って一息ついた後、自分の腹がグーーーとなる。


「なんかトランプで頭使ってたらお腹空いてきたな」


「それなら…2人は…ここで待ってて…作ってくる…から」


「あ!ありがとうティーナ」


俺がそういった後ティーナはゆっくりとリビングに向かってピンク色のエプロンをして、何かを作り始めた。


ティーナはピンク色のエプロンをして、何かを作り始めた。


キッチンの方からは卵を割るような音や何かを混ぜるような音が聞こえてくる。


しばらくするとキッチンの方からはホットケーキの甘い匂いが漂ってきた。



「完成!」


ティーナは嬉しそうにそう言いながらテーブルにホットケーキを運んできてくれた。


「パンケーキ作ったんだけど…味見してないから…わからない」


ティーナは少し心配そうな顔をしながら、そういった。


「とりあえず食べてみましょう」


「いただきます」


俺達はそう言った後、ホットケーキを食べ始めた。


「どうりく…おいしい?」


ティーナは再び不安そうな表情をしながら、俺にそう聞いてきた。


「うん、すごく美味しい!」


俺は満面の笑みでそう答えた。


「まいはどう?」


「うん、とても美味しい」


俺達は全部単色してしばらく雑談をした。


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