第24話話二人で共同作業

俺はいつものように学校に向かった。


「ティーナおはよう」


俺は少しあくびをしながらそう言った。


「りく…おはよう…なんか…眠そうだね」


「ああ、昨日結構遅くまでプロット作ってたからな」



俺はそう言いながら自分の席に座った。


「あ!今日ティーナに俺が昨日作ったプロットを確認のために見てほしいんだけど家に来てもらってもいいか?」



俺は思い出したようにそう言った。


「うん…わかった…行くね」


俺は昨日と同じようにクラスの生徒達と劇の話はした。


「それで、今日は何の話するんだ」


「今日はそれぞれの役を決めようと思って」


「でもあんた全部はできてないんだろう?」


男子生徒のひとりが言った。


「そうなんだけどキャラクターの人数とかによって内容とかが変わってくるから、先に決めておこうと思って」


「とりあえず、仮ではあるんだけど」


「それで、陸のイメージではどんなキャラこの話で出そうと思ってるんだ」


「ファンタジーゲームみたいな感じだから、魔法使いの女の子とかだと思ってる」


「ねえりく…」


「なんだ?」


俺がそういうとティーナは英語でこう話し始めた。


『ねぇりく場面転換の時のスポットライトの調整とかって誰がやるの?』


「そうだな、その話もしておかないとだな」


「えっとー、もう気づいてる人もいると思うけどこのクラス全員が舞台に出るわけじゃない」


「その他の人は裏方に回ってもらう」


そして、しばらくしていつものように3時間目の授業が始まる。



「それで今日は物理の授業をやるぞ」


先生がそういうとクラスのみんなは物理の教科書を机の中から出した。


俺はいつものように聴き流そうと思っている。


「りくは…教科書…出さないの?」


と思ったが、そういうわけにもいかないみたいだ 。


とりあえず俺は教科書だけは出しておくことにした。


俺は頭の中で劇の台本を考えていた。


まず、台本作るにあたって重要なのは主人公とヒロインのキャラ設定だ。


設定がファンタジーだから、ヒロインはお嬢様系がいいかな。


問題はそのお嬢様系ヒロインをどういうキャラにするかなんだけど。


ヒロインの生まれた家は貴族は貴族なんだけど、最低辺の貴族でお父さんとお母さんにヒロインが追い出されて、主人公と出会うことになる。


っていう設定か。


大貴族なんだけどその家の女王になるのが嫌で家を飛び出した。


俺がそんなことを考えていると隣のティーナがトントンと俺の肩を優しく叩いてきた。


「先生に…呼ばれてる…よりく」


ティーナにそう言われて先生の方を見てみると先生が答えを言えという視線を投げかけてくる。


当たり前だが、俺はその問題を答えられない聞き流していたから。


だから俺は素直にこう言った。


「すいません、分かりません」


「ちゃんと授業聞いておけ!」


俺はそう言われた後、再び席に座った。



「よし、これで今日の3時間目の授業を終わりだ」


「あっ、そうだ!」


先生が何か思い出したようにそう言った。


「体育祭でカメラとか機材は使いたい場合は先生達にあらかじめ相談するように」


「はーい」


生徒達は先生にそう返事を返す。


そしていつものようにお昼ごはんの時間になる。


「それじゃあ行くか、いくぞ

ティーナ」


「うん」


俺達はいつもの屋上へ向かった。



屋上の扉を開けるとそこには麻衣がいた。


数秒してから後ろを向いて、俺達を見た。


「運動会の出し物の準備済んでる?」


麻衣は地面に腰を下ろしながら俺達にそう聞いてきた。


「とりあえず順調には進んでるよ」


「麻衣の方はどうなんだ?」


「今日やっと何をやるか決まったとこよ」


「どんなのになったんだ?」


「魔女のコスプレを着て、占いをすることになったわ」


「はぁここまで決めるのに一苦労だったわ」


麻衣がため息混じりにそう言った。


「そういえば、なんでこの学校体育祭なのにやってることが文化祭みたいなんだ?」


「それ…私も…気になる」


「私もなんでか気になって少し聞いてみたんだけどすっごいことがわかったわ」


「すごいことって?」


「この学校の昔の校長がこう言ったらしいの」


「体育祭のプログラム考えるの大変だから、生徒達に考えさせてみようって」


「すごい思い切ったことをするんだな、昔の校長」


「でも…そんな…無茶苦茶…なことオッケーしてくれ…たんだね」


「昔の校長が無理矢理押し通したみたいだけどね」


「頭を使うのも脳の運動だから、体育祭の1部に入るとか言ってね」


「思い切ったことする人っているんだな!!!」


「でも、そんなのよく今まで続いたな」


俺は驚いた表情で言った。


「意外にもそれが好評だったみたいで今ではこの学校の伝説の行事になってるみたい」


正直、俺は昔の校長がそんなことをしたことにもびっくりだけどそれを受け入れた昔の先生たちにもびっくりだ!


「この学校にそんな伝説があるなんて知らなかった」


「私も」


ティーナは驚いた表情でそう言った。


「まぁ、とりあえずまだ結構時間あるから焦らず頑張ってくれ、俺たち頑張るから」


「うん、ありがとうそうするわ」


しばらくして帰る時間になり俺とティーナは学校の門に向かった



「りく…の家行くの…久しぶり…な気が…する」


「そういえばそうだな、最近一緒に遊ぶ時も基本的に外だったしな」


俺達は雑談をしながら家に向かった。


しばらく歩いていると、家の前に着いた。


「ただいま」


俺はそう言いながらドアを開けて中に入った。


「おかえりなさい」


「あら!いらっしゃいティーナ」


「お邪魔…します」


「上がって上がって」


お母さんは久しぶりにティーナに会えてとても喜んでいるようだった。



俺達はリビングの方に行ってひとまず腰を下ろした。


「それにしても、今日は何でまたいきなり家に来たの?」


「体育祭…で出し物…があって…それで話し合いをすることになったんです」


「そうなんだ」


「ちょっと今から買い物行ってくるけどティーナ食べたいものとかある?」


「いいえ…ないです」


「そう分かった」


「陸それじゃあ、ちょっと買い物行ってくるね」


「うん、わかった」


「それじゃあ、昨日作ったプロットを持ってくるからティーナはちょっとここで待っててくれ」


俺は自分の部屋にあるプロットを持ってリビングに戻った。


「これなんだけど?」


「もっと…いっぱい…あるのかと…思ってたけど…意外と…少ないんだね」


「あんまりいっぱい作っても尺が足りないと思って」


「それも…そう…だね」


「今日できれば台本作ろうと思ってて1人でどうしてもなんか偏ってそうだったから」


「ティーナに協力してもらおうと思って」


俺はそう言いながらプロットの紙をテーブルの上に置いた。


そして俺は台本の紙を持って勝手に始めた。


それからしばらくして。


『とりあえず、ヒロインと出会って一緒に家に住むとこまでは書けるけど』


『ティーナは何かもっとこうした方がいいとかアドバイスあるか?』


『そうだなぁもっとここのシーンの文章量を増やした方がいいかもしれない』


俺達はそんな感じで話し合いながら作っていった。


30分後。




『よし、とりあえず今日はここまでにするか』


「ただいま」


「おかえり」

「おかえり…なさい」


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