第23話自分達の願望
「それじゃあ、今日も体育祭の出し物について話し合ってくれ」
俺達はそう言われて昨日と同じメンバーと話し合いをすることになった。
「えっと、まず何から話す陸?」
「えーっと、まず劇でやるジャンルが決まってないから、まずそれを決めようと思って」
「みんなはどういうジャンルのものがやりたい?」
「タイムリープもののSF」
「ヒューマンドラマ!」
「ミステリー!」
「サスペンス!」
「恋愛もの!」
「ファンタジー!」
「ボーイミーツガール!」
ある程度予想してたけど、見事なまでにバラバラだなぁ。
俺は心の中でそう思った。
10分ほど話しちゃったかファンタジー要素と恋愛要素を入れる事に決まった。
「あとヒロインと主人公なんだけどみんな誰がいいと思う?」
俺がそう聞くとみんな一斉に迷うことなく俺とティーナの方を指差してきた。
「え!俺?」
俺はあまりの意外な結果に驚いてしまった。
もちろんそれはティーナのことではなく、俺自身が選ばれたということに。
「えっ本当に俺でいいのか!」
俺は思わずそう聞いてしまった。
「うん」
するとみんなは迷うことなくそう言って頷いた。
「ティーナはわかるけど、なんで俺なんだ他にいい奴いるだろう」
「知らないのか?」
「知らないのかって何が?」
俺は疑問に思い聞いた。
「もうこの学校の噂になってるぜ2人が付き合ってるんじゃないかって」
俺はその言葉を聞いて驚いた。
俺と同じようにティーナも驚いているようだった。
「で、結局のところどうなの、付き合ってるの付き合ってないの?」
1人の女子生徒が面白そうだと言わんばかりにそう聞いてきた。
「付き合ってないよ」
俺は少し面倒くさそうにそう答えた。
一瞬無言で乗り切ろうかと思ったがこんなに人数がいては、それもできそうになかった。
それに無言をイエスと捉えられても面倒だったからキッパリということにした。
この話はずっと前に聞かれた時、俺が否定したからもうてっきり終わったものだと思ってた。
本人からそう呼んでいいって言われたって説明したとしてもまた変な噂が広まるだけだ、ここは話を逸らしておこう。
けど、まだ続いてたんだなぁ。
「じゃあ麻衣さんとは?」
「何もないよ!」
「嘘だじゃあなんでみんな麻衣さんって呼んでるのに陸だけ呼び捨てで呼んでるんだよ!」
「さて、なんでだろうな?」
「それより、ジャンルは恋愛ものとファンタジーでいいか?」
「うんうん、それでいいと思う
みんなが口々にそう言った。
俺は学校が終わって家に直行した。
「おかえり」
「ただいま」
俺は母さんにそう言った後、自分の部屋の二階の方に向かった。
「はぁ」
俺は自分の部屋に入って一息ついてカバンを下ろした。
「さてとまずは何から始めたらいいんだ」
「こういう時はインターネット使おう!」
俺は目の前のテーブルに置いてあるパソコンを立ち上げた。
俺はインターネットを開いて検索窓のところに初心者、台本の作り方と入力した。
「ストーリーを作ること自体が久しぶりすぎて感覚をきっと忘れちゃってるよな」
俺はパソコンに表示されているインターネットの情報を順番に見ていった。
しばらく俺はパソコンとにらめっこを続けた。
数時間ほどパソコンのインターネットを見ていると。
初心者はプロットを作れという文章がよく目に止まった。
そこで俺は検索窓のところに初心者台本のプロットの作り方と入力した。
そして俺はまたしばらくパソコンとにらめっこを続けた。
俺が調べた情報によると、プロットとは物語の骨組みのようなものらしい。
「よし、とりあえずある程度情報は調べ終わったからプロットを作ってみるか」
そして俺は紙と鉛筆を用意した。
「さて、まずは出だしをどうするかな?」
俺はしばらく考えた。
「ここは安全に、王道でいくか」
俺は鉛筆で紙にストーリーを大まかに書き起こした。
「とりあえずヒロインと出会うまでのプロットは出来たけど」
「問題はヒロインとのイベントをどこで起こすかだ」
俺はしばらく考えたが良さそうな展開が思いつかなかった。
「あっ!そうだティーナに相談してみるか何かいいアイデアをくれるかもしれないしな」
俺は早速ティーナに電話をかけた。
「もしもしりく…どうした…の?」
「あ!もしもしティーナだいたいのプロットを作ったから見てほしいんだけど?」
「別にいい…けど私…あんまり…文字…読めない…よ?」
「大丈夫だ、俺が説明するから」
「わかった」
俺は1度電話を切ってプロットをスマホのカメラで撮ってティーナに送った。
俺はその後すぐにティーナに電話をかけ直した。
「送られてきたかティーナ?」
「うん」
「それじゃあ、一番上の一って書いてあるところから読むな」
「うん」
『主人公が家出をしたヒロインが困ってるところから助ける』
『ここが話の展開の一番最初の部分になる』
『どうだティーナ何か気になる部分とかあったか?』
『いや、特には無かったけど、このシーンの具体的なセリフとかってどんな感じにするの?』
『とりあえず設定的にはヒロインが大貴族の娘で、だけど嫌なことあって家出をしたらいじめられちゃったっていうすっごいざっくりだけど、こんな感じ』
『で、その次は?』
『主人公がその酷い家をどうして家出してきたのか、理由を聞いてじゃあ俺と一緒に来ないかって言って』
『ヒロインもそれを納得して、主人公についていくみたいな感じなんだけど』
『問題はここからどうやって主人公とヒロインの恋に発展していくようなイベントを入れるかなんだよな』
『ティーナ何かいいアイデアあるか?』
『そうだな私だったらヒロインと一緒に家に住むイベントを入れるかな』
『それじゃあこういうのはどうだ?』
『理由を聞いてほっとけなかった主人公はとりあえず自分の家に連れて行くことにした』
『うん、いいと思う』
『よし、あとはここをもっと具体的に書いていけばいいな』
『ティーナは他にもっとこうした方がいいとか意見あるか?』
『いや、特にはないけど』
『あ!ラストのシーンってどうするのりく?』
『最後は一応盛り上げるためにヒロインを追っかけてくる敵を主人公が倒すみたいにしようかなと思ってる』
『じゃあ、そこは主人公の強さを見せるために敵を一瞬で倒すっていうシーンを入れた方がいいかもね』
『俺もとりあえずそうしようかと思ってる』
『今ティーナに説明してて気づいたけど、やっぱり俺の趣味が結構含まれてる』
『まあいいんじゃないりくらしくって』
『一応俺の好きなラノベの展開を書いたつもりではあったんだけどまさかここまで似るとは思わなかった』
俺は少し笑いながらそう言った。
『とりあえずプロットが完全に作り終わったら教えてまたアドバイスができるかもしれないから』
『わかった』
『私達が好きなものだけ詰めすぎて話がゴールを見失わないようにしないとね』
『ああ、そうだな、とりあえずありがとう、何かあったらまた連絡するよ』
俺はそう言って電話を切った。
「よし、とりあえずこのプロット完成させるぞ!」
面白かったら 星3つ つまらなかったら 星一つ 正直に感じた気持ちでもちろん 大丈夫です。 最後にブックマークもいただけると嬉しいです。
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