第21話パフェを食べる イベント

俺はいつものようにアニメを見ていた。


「まだ7時か」


俺はテーブルの上においてあるデジタル時計を見て、そう言った。


(ブブブ!)


「あ!麻依から電話だ!」


「もしもし枚どうかしたか?」


「もしもし陸」


「何か俺に様か?」


「今日って用事ある?」


「ないけど、なんで?」


「ちょっと前のお礼をしようと思って」


「ちょっと前のお礼?」


「ほら、ずっと前にしようとしたけど結局ティーナと私達3人で行って」


「結局、私達の行きたい場所に連れまわしただけで終わっちゃったから」


「あ!あの時か!」


俺は思い出したようにそう言った。


「別にいいのに、そんなの」


「それにあれはあれで楽しかったし」


「でもまぁとりあえず9時に集合でいい?集合場所は写真で後で送るから」


「えっ!ちょっと」


「ってもう切れてるし」


「律儀だね枚は」


「まぁ、いっかどうせ何もなかったらアニメ見まくって1日を終えるつもりだったし」


母さんがゆっくりと起きてきた。


「今日は久しぶりの休みだ」


母さんは伸びをしながらそう言った。


「母さん、今日も遊びに行ってくるから」


「えーーー!!!」


「なんでそんなに驚いてるんだよ母さん!」


「だって陸今まで休みの日に2日連続で遊びに行くことなんてなかったから!」


「そうだ!今日、世界が作り変わってるんじゃないかしら」


「俺にそんな力はないし、遊びに行くだけで世界が作り変わるなら今までに数えきれないほど作り変わってることになるだろう」


数分後。


(ピコン!)


「あ!麻依からメールだ集合場所決まったのか?」


俺はそう思いながらそのメールを開いた。


メールにはこう書かれていた。


《今日はお昼ごはん食べないで来てね》


その文章の下には集合場所のことが書かれていた。


「なんでお昼ごはん食べちゃダメなんだ?」


俺はふと時計を見た。


「あ!もうこんな時間か支度しなきゃな」


俺は出かける支度をした。


「それじゃあ、行ってくる」


俺はそう言って家を出て目的地に向かった。


それにしても、なんでお昼食べて来ないでなんてメール送ってきたんだ?


俺はそんなことを考えながら歩いていると集合場所に着いた。


「さて、ちょっと早く着いちゃったしどこで待ってよーかな?」


俺は辺りを見渡して、そう言った。


「とりあえずあそこの噴水の前で待ってればいいか」


それからしばらくして。



「ごめん陸遅れて!」


「別に気にしなくていいよ」


その麻依の服装は上は綺麗な赤色の服で下は黒のワンピースだった。


「どうしたの、この格好変だった?」


「いや、麻依ってそんな格好するんだと思って少し意外だっただけ」


「今日うちのお母さんがデート行くんならこれを着ていきなさいって勘違いさせちゃって」


「そっか、似合ってると思うぞ」


俺は少し動揺しながらそう言った。


「ありがとう」


気のせいかもしれないがそういった時の麻依の顔はもう少し赤くなってるように見えた。


「そういえば!言われた通り、昼食べてこなかったけど」


「それじゃあいいところに連れてってあげる」


「いいところって」


「その場所に着くまで内緒」


麻依はいたずらっぽくそう言った。


「とりあえず、ついてきて」


俺は言われた通り枚についていった。



「ここよ」


「ここってただのレストランじゃない?」


「中に入るわよ」


麻依は俺の腕を掴みながらそう言った。


「いらっしゃいませ二名様でよろしいですか?」


「はい」


麻依そう返事を返す。


俺達はその人について言って席に座った。


俺達は頼む、メニューを決めて店員さんを呼んだ。


「ご注文は決まりましたか?」


「私はこれで」


「俺はこれで」


俺達はメニューを指差しながらそう言った。


「それでは、少しお待ちください」


しばらくして。



「待たせしました」


「ありがとうございます」


「それでは食べましょうか」


「そうだな」


「いただきます!」


俺達はそう言ってご飯を食べ始めた。


俺が少し顔を上げて麻依の顔を見てみると、枚がとても美味しそうに笑顔でご飯を食べている。


「枚ってご飯食べるの好きなのか?」


俺がそう聞くと枚の表情がいつもの表情に戻る。


「そうね、普通の人と比べたら食べるの好きな方かもね」


俺にそう答えた後、再びご飯を食べ進めていく。


しばらくして。


麻依は食べ終わって幸せそうな顔している。


「お皿下げてもよろしいでしょうか?」


「あ!ありがとうございます」


「よろしければ、今、カップル限定のパフェを販売しているのですがご注文いたしますか?」


「はい!」


麻依がその言葉を待ってましたと言わんばかりに即答で返事をする。


「かしこまりました」


「なるほど最初からこれが目当てで俺を選んだんだな」


「だって男の人で頼めそうなの陸ぐらいしかいなかったから!」


「騙したみたいで申し訳ないと思ってるわ」


その申し訳なさからなのか目を逸らしながら、少し小さな声でそういった。


「だったらなんで最初からそんな事言ってくれなかったんだ?」


「だって嫌がられると思ったから」


麻依は再び小さい声でそう言った。


「はぁ」


俺は一つため息をついたあと、こう言った


「あのな、俺はそんなことで怒りもしないし嫌がりもしない」


「だから、わざわざ、ずっと前のお礼がしたいからなんて建前を作る必要もないだろ!」


「それは違う!この前のお礼がしたかったのは本当」


「そうか、それならいいんだけど」


「お待たせしました、ご注文のパフェです」


「ありがとうございます」



「いただきます」


「おいしい!!!」


「それなら良かったな」


するといきなり麻依の食べ進める手が止まる。


「どうしたまい?」



「ねえ陸なんでこれスプーン2つ刺されてるの?」


「そりゃカップル限定のやつだからじゃないか!」


俺が!そういうと麻依の顔が一気に赤くなった。


「気にせずたべな」


「いえ私だけ食べてるなんてフェアじゃないもの!」


「はい、あーん!」


これって!間接キスじゃないか!



俺はその緊張に溢れたお昼ごはんを終えて会見をした。


「悪いなぁ、おごってもらっちゃって」


「別に気にしなくていいわよ陸のおかげであのパフェが食べられたんだから」


「ちょっと俺の買い物に付き合ってもらっていいか?」


「いいけど何を買いに行くの?」


「俺が好きな漫画の新刊が出るんだ」


俺達は漫画が置いてある店に向かった。


「えーと、新刊コーナーは」


「あ!あそこだ!」


俺は少し目線を下げて棚に並んでいる本を見た。


「あった!」


「あ!そういえば!枚って漫画とか読んだりしないのか?」


「あんまり読んだことないのよ今流行りのやつが分かんなくて」


「別に読みたいものを読めばいいと思うけど?」


「ねぇ陸何か漫画でオススメなのある?」


「おすすめかぁ」


俺は1冊の漫画を枚に渡した。


「この漫画は?」


「ティーナも読んでるから気に入ったら話してみるといいよ」


俺達はレジに向かった。


「あ!いいのに、私の分まで払わなくて!」


「いいんだよさっきのお礼だから」


「その代わり、読んだら感想教えてくれ」


「うん」


「それじゃ、また明日学校で」


「ええさよなら陸」



面白かったら 星3つ つまらなかったら 星一つ 正直に感じた気持ちでもちろん 大丈夫です。 最後にブックマークもいただけると嬉しいです。




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