第20話アニメ専門店
(ブブブ !)
「あ!ティーナから電話だ、なんだろう?」
俺はベッドに寝ていた体をゆっくりと起こして、あくびをした後電話に出た。
「もしもしティーナ?」
「もしもしりく…ごめん…まだ…寝てた?」
「今ちょうど起きたところ」
「今日出かける…場所で…相談があるん…だけど」
「ティーナはどこか行きたい場所とかないのか?」
「私アニメの…グッズが…いっぱい…置いてあるところに…行きたい!」
「それじゃあ、横浜にあるアニメ専門店とかいいんじゃないか、電車ですぐ行けるし」
「そこ…ポスターとかフィギュアとか…売ってる?」
「ああ、漫画とかフィギュアとかポスターとか大体のものは全部揃ってる」
「うん…じゃあ…そこがいい!」
ティーナは嬉しそうな声でそう言った。
「それじゃあ分かった、いつもと同じで家の前に集合だ」
「わかった」
ティーナはそう言った後でも起きた。
「さて、そろそろしたら支度するか」
しばらくして。
「おはよう陸」
母さんがあくびをしながらそう言ってきた。
「おはよう、母さん、いつもより起きてくるの遅いな」
「昨日の仕事で疲れちゃって」
「あっ、そうだ!今日俺もうちょっとしたら出かけるから」
「どこに?」
「ティーナと一緒に横浜にあるアニメ専門店に行くんだよ」
「ティーナちゃんのエスコートしてあげるのよ」
「エスコートってただ一緒に遊びに行くだけだよ」
「ダメよ!女の子と2人で遊ぶ時はたとえそれが遊びだったとしてもデートだと思いなさい!」
ずっと疲れたっていう顔をしていた母さんがいきなり勢いよく立ち上がって、そういった。
「まあいいや、とりあえず行ってくる」
俺はそう言って家を出た。
「よし、時間通りに出られた」
「って言っても待ち合わせ場所がティーナの家だから遅れることはないと思うけど」
「あっしまった早く来すぎちゃったなまぁ、いっか、ここで持ってれば」
俺はズボンのポケットからスマホを取り出してゲームを始めた。
俺は心の中で母さんに言われたことを思い出していた。
「ダメよ!女の子と2人で遊ぶ時はたとえそれが遊びだったとしてもデートだと思いなさい!」
「エスコートって言われても何をしたらいいかわかんないしな」
「おっ!そろそろ時間だな」
俺はそう思いスマホをポケットの中にしまった。
「ごめん…りく…待った!」
「いや全然待ってないよ」
そう言いながら、ティーナの方を見てみると俺は思わず目を見開いて驚いてしまった。
ティーナの服装は花柄の綺麗なワンピースだった。
「それじゃあ…行こう…りく!」
ティーナはそう言いながら腕を組んできた。
「あのーティーナ?胸が当たってるんだけど!」
俺は心の中の激しい動揺を頑張って抑えながら、そう言った。
「いいから…早く…行こう!」
俺はドキドキと緊張 を感じるまま駅に向かった。
なんとか駅には着いたけど、これって一体どういうことなんだ。
何かの罰ゲームか、俺にとってはご褒美のようなものだけど。
いや、ティーナはそんなことする奴じゃない。
「ねえりく…これって…どうやって切符買うの?」
「あっ、これか」
ティーナには切符買うの難しそうだなぁ、俺が代わりに買うか。
俺達は切符買ってホームに向かった。
しばらくして。
「きたよりく!」
俺達はその電車に乗った。
すると俺の目の前に辛そうな顔をして立っているお婆さんがいた。
「おばあさん」
俺はゆっくりと近づいて行って、おばあさんの肩をトントンと優しく叩いて声をかけた。
「はいなんでしょうか?」
「あそこの席空いてますよ、座りますか?」
「ありがとうございます」
「荷物…もう置きましょう…か?」
ティーナが俺に続くようにそう言った。
「ありがとうあなた達は優しいね、お似合いのカップルだよ」
おばあさんが笑顔でそう言った。
「えっとー…」
俺がどう答えていいか迷っていると隣にいるティーナがこう言った。
「ありがとう…ございます」
しばらくして俺達は目的地に着いた。
「ここが…横浜!」
ティーナは目をキラキラさせながらワクワクした表情で、俺に聞いてきた。
「ああ、そうだよ」
「よし、それじゃあ…早く…アニメ専門店に…行こう!」
ティーナはそう言いながら、俺の手を引っ張った。
「ティーナそんなに急がなくても大丈夫だて!」
「早く…行きたい…から!」
そういえば!なんでティーナさっきおばあさんにいいカップルだねって言われた時ありがとうございますって言ったんだろう?
俺がそんなことを考えながら走らされていると、目の前にアニメ専門店が見えてきた。
「あったあったティーナあそこだ!」
俺は指差しながらそう言った。
俺達はそのお店の中に入った。
「りく…アニメの…フィギュアって…どこに置いてある…の!」
「フィギュアはあっちの方に置いてあると思うぞ」
「りく…前にもここに…来たこと…あるの?」
「ああ、限定発売のグッズの時とか行くよ」
俺達はそんなことを喋りながらフィギュアコーナーに向かった。
「ここだよティーナ」
「すごい、こんなにいっぱいフィギュアがあるの!」
ティーナは目をキラキラさせながらそういった。
「変なこと聞くけどティーナって今までアニメ見たことなかったのか?」
「うん…イギリス…にいた時はアニメが…あることは…知ってたけど」
「りく…に教えて…もらうまで…見たことなかった」
「りく…どうしよう!」
「どうしようって何が?」
「全部…欲しい!!!」
「どう考えてもお金足りないんだろう!」
「ここになるやつ全部買ったとしたら1億なんて軽く超えるぞ!」
「でも…そのぐらい…で買えるん…だね」
ティーナは笑顔でそう言った。
冗談で言ってるのか、本気で言ってるのかわかんない。
まさか!ティーナってすごい金持ちのお嬢様だったりするのか。
そんなことあるんだよな。
しばらく俺達は買い物をしたティーナがあれもこれも欲しいって言って止めるのが大変だったけど。
俺はその会計の金額を見て驚きのあまり言葉を失ってしまった。
「全部で7万円になります」
「はい」
ちょっと待って7万円っていう金額にもちろん、ビックリだけど、それを顔色一つ変えずに払ってるティーナにもびっくりだ。
「それじゃあ…お昼ごはん…食べに行こう…りく」
「それよりティーナお金大丈夫か!」
俺が心配することじゃないと思うが、あの金額を見せられたらな!
「大丈夫…だよ…今日は大事な…買い物を…するから…ママから多めに…お金貰ってきた」
アニメのグッズ買うのにすごい熱意だな。
俺達はそのお店を出て、お昼ごはんを食べるお店を探した。
歩いている途中ティーナが体勢を崩した。
「あ!」
「ティーナ!」
俺は倒れてくるティーナの体を受け止めた。
「大丈夫かティーナ!」
「うん…大丈夫」
「荷物半分持とうか?」
「ありが…とう…りく」
俺達はお店に入って席に座った。
俺達は楽しく雑談をしながら、ご飯を食べ終えた。
「そういえば!なんで俺に昨日デートしようなんて言ったんだ?」
俺は思い出したようにそう言った。
「それは…」
ティーナは何か言っているようだったから、俺には全く聞こえなかった。
「ないしょ」
ティーナは口に指を当てて、そう言った。
はぁまぁ、いっか。
面白かったら 星3つ つまらなかったら 星一つ 正直に感じた気持ちでもちろん 大丈夫です。 最後にブックマークもいただけると嬉しいです。
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