第19話プライド
俺達はいつものように3人で学校に向かっていた。
「それにしても、昨日のかくれんぼ、勝ててよかったけど負けたらどうするつもりだったのよ」
枚がそう言いながら、俺の顔を睨みつけてくる。
「まぁ、そん時はそん時に考えようかなと思って」
「はぁ、呆れた、考えなしにあんなこと言ってたの」
麻依はため息をつきながら、俺にそう言った。
「いや、別に考えがなかったわけじゃないけど」
「じゃあ、どうするつもりだったのよ!」
麻依が少し強い口調で俺にそう言ってきた。
「その時は土下座でもしようかなと思って」
俺は少し笑いながらそう言った。
「あきれたあんたにはプライドってもんがないの?」
「全部がそうとは言わないけどプライドっていらないものが多くないか?」
「そうだけど、逆に大事にした方がいいぐらいのがあるのも事実よ」
「例えばプライドとはちょっと違うかもしれないけどスポーツとかで絶対にライバルに負けたくないっていう気持ちとかね」
「確かにそうかもしれないけど、俺部活にも入ってないし、スポーツ何もしてないからそのプライドはあんまり必要じゃないかもしれない」
「でもりく…もプライド…持ってる…よね」
「俺のプライド?」
「ほら …ラノベの…期間…限定の…本当か」
「まぁ、確かにそれは絶対にほしいけど」
「今って、でもそういう限定もない街はだいたいネットで買えちゃうんだよなぁ」
「所でなんで昨日のかくれんぼの話からプライドの話になったんだっけ」
俺は枚にそう聞いた。
「陸が何の考えもなしにすぐ土下座をするっていう話から、こうなったのよ」
「俺をそんなダメ人間みたいな言い方するなよ」
「自分で言ったんじゃない!」
麻依は俺の言葉に迷うことなくそう言ってしてきた。
「まぁ、確かにそうだけど」
「でも…勝ててよかった、…よね」
「そうそう、終わりよければすべてよしだ」
俺は笑いながらそう言った。
「まったく調子いいんだから」
俺達はそんな雑談をしながら学校へ向かった。
そして俺達は麻依と別れた後、自分達の教室へ向かった。
俺達はいつもの様に、教室に入って自分達の席に座った。
しばらくして。
「今日の3時間目は体育だ、いつも通り体操着に着替えたら校庭に集合だ」
「はーい」
俺はすぐに着替えて校庭に向かった。
「それじゃあ、まず2人一組になって準備体操をしろ!」
「まい私と…一緒に…組んでくれない?」
「ええいいわよティーナ」
そして、私達はストレッチを始めた。
「そういえば!まい…どうすんの?」
私は思い出したように言った。
「どうするのって何が?」
「りく…とのデート?」
「なんで私と陸がデートする話になるのよ!」
麻依は顔を真っ赤にしながら動揺してそう言った。
「ていうか、そもそもその条件はあっちが要求してきたものじゃない!」
「要求?」
私は要求の言葉の意味がわからなかった。
まいが…それに気づいてくれたのか説明をしてくれた。
「あっちが欲しがってるものってことだよ!」
「だいたい高校生のうちからデートするなんて学業にやる気がない証拠よ!」
「それじゃあ、そろそろストレッチ終わりだ」
体育の先生がそう言った。
「それじゃあ、今回は体力テストをする。このボールを投げて距離を測る。なるべく遠くに飛ばせ!」
体育の先生は生徒たちに手に持っているボールを見せながら、そう言った。
俺、体力テスト苦手なんだよな。
これは心の中で思いながらため息をついけた。
しばらくして俺の番が回ってきた。
とりあえず、なるべく早く終わらせるか。
俺はそう思いながらボールを投げた。
距離は遠くもなく、近くもなく普通の距離だった。
体育の授業が終わって、俺はクラスに戻った。
ふと、俺が教室にある時計を見てみるといつの間にかお昼の時間になっていた。
俺がそう思っていると、いつものようにクラスに枚がお弁当を持って入ってきた。
「今日も屋上で食べるか?」
「たまにはここで食べない?」
「そうだな、たまには気分を変えてここで食べるっていうのもいいかもしれない」
俺達は机をくっつけてご飯を食べることにした。
「それじゃあいただきます」
俺達はそう言った後ご飯を食べ始めた。
「相変わらず2人のお弁当は色合いが綺麗だな」
「あ!そいえばあれからお母さんにお昼代あげてもらったの?」
麻依が少し心配そうな顔で俺にそう聞いてきた。
「あれから500円にしてもらった」
「ありがとう、心配してくれて」
「だって急に栄養失調かなんかで倒れられたら困るでしょう」
「妙にリアルなやつやめてくれよ!」
俺は少しビビりながらそう言った。
俺は喉が渇いて水筒の中に入ったお茶を飲んでいるとティーナがいきなりこんな爆弾発言をした。
「ねえりく…デートいつするの?」
俺はティーナのいきなりの言葉に飲んでいたお茶を口から吹き出してしまった。
麻依も俺と同時に飲んでいたものを口から吹き出した。
「なんで今その話をするのよティーナ!」
麻依はむせながらそう言った。
周りにいた男子生徒達がいきなり俺の胸ぐらを掴んできた。
「おいりくデートってどういうことだ!」
「いや、きっとこれは何かの間違えで!」
「何が違うんだ、何が」
俺は男子生徒達にそう言われながら強く肩を揺さぶられた。
「ちくしょう、羨ましすぎる!」
「だから違うんだって!」
「だったら、今のティーナちゃんの言葉はどうやって説明するきなんだよ」
「それはその…」
俺がティーナの方を見てみると私何かやっちゃいました、という言わんばかりの顔をして、こっちを見ている。
かわいいな、ちくしょう!
俺を心の中でそう思いながら、どうやったら説明できるか考えていた。
あ!そうだ。
「俺、かくれんぼのときになんて言ったっけ、まさか忘れたわけじゃないよな!」
俺は男達に圧をかけながら、そう言った。
「それとこれとは話が…」
「約束したよな!うん」
俺はさっきの100倍の圧力を男達にかけながらそういった。
「ひいーすいませんでした」
男達は俺にそう言いながら自分の席に戻った。
俺も自分の席に座った。
「それでなんでいきなりそんなことを言ったんだ」
俺はそう言ってティーナの話を聞いた。
「その条件は、あいつらが要求してきたことでぁって、俺達は勝ったんだからデートする必要ないんだぞ!」
「はぁ私もさっき全く同じこと言った」
麻依はため息をつきながら、そう言った。
「それじゃあデートじゃなくて、遊びに行くんだったら」
「まあ、それならいいけど」
「やったー!」
ティーナは笑顔で俺にそう言った。
でもなんで俺とデートしようと思ったんだろう。
「それじゃあ…明日…りく…どこ行きたい?」
「まだ決めてないけどティーナが行きたいところでいいよ」
「何かあったら俺の携帯に電話かメールしてくれればいいし」
「わか…たありが…とうりく…」
しばらくして俺達はお昼ごはんを食べ終わった。
はぁなんだか今日はいつも以上に疲れたな。
俺は心の中でそう思いながらため息をついた。
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