第14話雨の日のイベント

俺がテレビを見ていると。


俺が好きなゲーム会社が作った新作ゲームが発売されたというCMが流れた。


「今持ってるゲームほとんどクリアしちゃったし、買いに行ってくるかな」


「天気予報じゃ雨降るって言ってたけど、まだその時間じゃないから大丈夫だろう」


俺は着替えて近くのゲームが売っているお店に向かった。



俺はお店に入って新作ゲームのコーナーに向かった。


俺は少し目線を落として、そのゲームを探した。


「おっ!あった、これだこれ」


俺はそのソフトを手にとってレジに持っていった。


「会計ちょうど7000円になります」


俺はそのゲームを受け取って店の入り口に行こうとした。


左にある漫画の新刊コーナーのところで女の子がじーっと難しそうな顔で何かを見ていた。


よく見てみるとそれはティーナだった。


俺は後ろに行ってティーナの肩をトンと優しく叩く。


「うわっ!」


ティーナは俺の予想通り、驚きはしたものの後に頭をぶつけてしまい綺麗に並べられていたカセットが全部落ちてしまった。


「悪いそんなに驚くと思わなくて」


俺は目の前に手を合わせながらティーナに申し訳なさそうに謝った。



「いいよ…でも…りく…なんで…こんな…とこに?」


俺は落ちたカセットを元の場所に戻すのを手伝いながら、こう言った。


「新しい俺が好きそうなゲームが出るっていうCMを見たからそのゲームを買いに来たんだ」


「ティーナは何しにここに?」


「前に…りく…がおすすめしてくれた漫画…読み終わったから…次のやつ…を探しに来た」


「あっ、そうなのか、でなんでさっきあんなに難しそうな顔してたんだ」


「難し…そうな…顔?」


「ほら、さっき難しそうな顔で漫画を見てたじゃないか」


「ああ、あれは!」


ティーナはちょうど目の前に転がっていた、二つの漫画を手にとって、俺に見せてきた。


「こっちと…こっち…どっちにしようか…ずっと悩ん… でたの」


「ティーナが好きな方、買えばいいんじゃないか?」


「でも、この…絵キャラクターとどっちも好き…」


ティーナは漫画の表紙を見ながらそういった。


「私、…こっちにする!」


右手に持っていた漫画を俺に見せながらそう言った。


そして、しばらくして。


「はぁ、やっと全部元通りだ」


俺はそう言って一息ついた。


「それじゃあ…私買いに…行ってく…るね」


ティーナはそう言ってレジの方へと向かった。


俺はふと入口の方を見てみると、大雨が降っているのが見えた。


「天気予報だと夜に降るって言ってたのに!」


「あれ!りく…てっきり…もう家に帰ったのかと…思ったんだけど、まだ…いたんだね」


「ああ、家に帰ろうと思ったんだけど、大雨が降っててさ」


「困ったなぁ、俺傘持ってきてないしな」


「私も…もってきて…ない」


「とりあえず、ずっとここにいるわけにもいかないし」


「どっか屋根がある所に移動するか」


「うん」


そして俺達は屋根のある場所へと向かった。



やばい、何か話さないと!


「あのさ前にオススメしたその本さ」


「前におすすめした漫画よりもバトルシーンが多いよ」


「へー、そうなんだ」


何やってんだ、俺、会話が終わっちまったじゃねーか!


「何か早く別の話を!」


「あのさ…りく…この前…まいと…一緒に…遊べて…楽しかったね」


「ああ、色んなゲームやって楽しかったなぁ」


「そうそう…新しい…洋服…選んだり…ね」


「でもあれ、結局俺がひとりで選んでるだけじゃないか!」


「まあまあ…いいじゃん…楽しかったんだ…から」


「うん、そうだけどさ」


「でもりく…が私達の…服を選んでる時…の顔おもしろかっ…た」


ティーナは笑いながらそういった。


「何も笑う事ないだろう」


「ごめんごめん…すごく思い出して!」


「ティーナお前なぁ!」


俺は冗談半分で怒りながらティーナに近づく。


その瞬間雷の音が聞こえた。


(ドン!)


「きゃ!」


「お!」


ティーナは雷の音にびっくりしたのか、いきなり俺の前に倒れてきた。


「あのーティーナ大丈夫か?」


俺はいきなりのことで思わず動揺してしまった。


「うん、大丈夫」


まさか!リアルの世界でこんなベタな展開が起こるとは思わなかった。


まずいな、会話が止まっちまった。


俺はそんなことを考えながら、少し上に顔を上げてみると目の前にスイーツのお店が見えた。


「なぁティーナここでずっと待ってるのもあれだし、あそこに入って待ってないか」


「うん、そうだね」


俺達は雨が降る中を走って、そのお店に入った。




「いらっしゃいませ、二名様でよろしいですか」


「はい」


「それでは、お席へご案内致します」


ティーナは何を喋ってるんだろうと言わんばかりにきょとんとした顔をした。


『ついてきてくれだってさ』


俺がそう言うとティーナは納得した表情で席に向かった。


「それでは、何かあればそちらのボタンでお呼びください」


「分かりました。ありがとうございます」


「りく…私、読めないから…代わりに…よんでくれない?」


ティーナはそう言いながら俺にメニュー表を見せてきた。


「わかった、でティーナどれが食べたいんだ!」


「えーと…よく見えないから…りく…の隣に…座っていい?」


「わかった、いいよ」


俺がそういった後ティーナはゆっくりと立ち上がって隣に座ってきた。


なぜだかティーナが隣に座ってると緊張する。


いや待て待て、ただティーナは普通にメニューを選んでるだけだぞ!


至って普通のことだ、落ち着け俺!


「りく…どうしたの?」


「いや、何でもない気にしないでくれ!」



「それより、食べたいものは決まったか?」


「うん…私、これがいい」


そう言ってティーナが指差したのはチョコの方だった。


そして俺はボタンを押して店員さんを呼んでメニュー表を見せながら注文をした。


しばらくして。



「お待たせしました、ご注文のチョコパフェでございます」


「ありがとう…ございます」


「ありがとうございます」


俺も続くようにお礼を言った


「いただき…まーす」


ティーナは満面の笑みでパフェを食べ始めた。


「うん、おいしい!」


強く頷きながらそう言った。


「りく…何も…頼まなく…てよか…たの?」


「ああ、そんなにお腹空いてないしな」


ティーナは俺にそう聞いた後パフェを再び食べ進めた。


しばらくして。



「ふーん…ごちそう…さまでした」


ティーナはとても満足そうな表情でそう言った。


俺がふと外の方を見てみると、いつの間にか雨は止んで晴れていた。


「雨も止んだみたいだし、そろそろ帰るか」


「うん…今日はありが…とうりくここに…連れて…来てくれて…」


「とても美味しか…た」


「それはよかった」


俺達は席を立って出口の方へと向かった。


「あのーお客様」


「はい、何ですか?」


「ただいま、期間限定で学生のカップルにマグカッププレゼントしているんです」


「よろしければ、どうぞ」


そう言いながらティーナにピンクのマグカップを渡して。


俺には水色のマグカップを渡してきた。


「え!あのー俺達は別に」


「やったー!りく…プレゼントだって」


はぁまぁいっかティーナ笑ってるし。


「それではお会計1200円になります」


俺はそう言われてちょうど1200円を店員に渡した。


「あ!私も払うよ」


「いいよいいよ、最近欲しいのがなくてずっとお金貯めてたからさ」


「それじゃあ…ありがとうりく」


そして俺達は自分達の家へと戻っていった。



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