第11話神のアニメオタク



次の日。



俺がいつものように学校に行って、自分のクラスに向かうと。


俺の席にはなぜか麻衣が座っていた。



そして、その隣に座っているティーナは難しい顔をして、歴史の教科書を見ている。


どうやら麻衣がティーナに歴史を教えているみたいだ。


俺は自分の席へと歩きながら麻衣に声をかける。


「おはよう麻依さん」


「おはよう陸くん」


麻衣は頬杖ほおづえをついて横目で俺のことを見ながらそういった。


「そういえば!なんで麻衣さん俺の机に座ってるんですか隣のクラスですよね?」


「ティーナさんが歴史を教えて欲しいって言うからこっちに来てたんだけど」 


「ここ陸くんの席だったのね、ごめんなさい、今すぐどくわ」


「いいえ別にいいですけど」


「あとで私のクラスにきて相談したいことがあるの!」


麻衣は俺の耳元で真面目な感じで小さくそう言った。


「分かりました。それじゃあ後で行きます」


俺は、ただごとではないと思い小さな声でそう返事をした。


そして 麻衣は自分のクラスへと戻っていった。


「くそ!陸のやつティーナちゃんだけじゃ飽き足らず風紀委員長の枚さんにまで手を出したのか!!!」


「くそ!どうしてあいつなんかが学校で一番可愛いって言われている枚さんに声をかけてもらえるんだよ」


周りから容赦ない言葉が聞こえてくる。


まあ、こういうのはいつものことなんだが。


俺は自分の席に座って横にカバンをかけた。


「ティーナ麻衣さんに勉強を教えてもらったんだな」


「うん…とっても…分かりやすく…教えてく…れた」


ティーナは嬉しそうに笑顔でそう言った。


俺は正直それより麻衣が言っていたことの方が気になった。


別に言葉の意味がわかんなかったとかじゃなくて。


なんで俺をわざわざ自分のクラスに呼ぶんだ?


可能性があるとすれば雲雀の男の親衛隊に俺を連れてこいと言われたとかだろう。


そっちの方が可能性は高いな。


とりあえず休み時間までまつか。


そして俺はいつも通り授業を終えて休み時間になった。


俺はすぐに隣のクラスに行った。



「すいません古手川麻衣さんいますか?」


俺がそう言うとクラスメイト全員が驚いた顔をして麻衣の方を見た。



俺が告白するとでも思っているのだろうか?



そして、麻衣は俺の方を見ながら立ち上がった。


麻衣は俺の方をまっすぐ見ながら歩いてくる。


行きましょうか。


麻衣は俺の耳元で小さな声でそう言った。


俺は麻衣の後ろについて歩いていった。



連れてこられたのは学校のグラウンドのベンチの前だった。


「ここで座って少し話をしましょう」


「ああ、わかった」


俺はそう言って麻衣の隣に座った。


「それで俺に話しってなんですか?」


「これよ」


麻衣はそう言いながら俺に一枚の紙を見せてきた。


そこにはこう書かれていた。


陸と一緒にこの学校の物置にこい。こなかったらどうなるかわかってるだろうな。


「今時果たし状を送ってくるなんて、意外とあいつら礼儀正しいのかもしれませんね」


「そんなのんきなことを言ってる場合じゃないでしょう」


「それで頼みがあるんだけど」


「わかってますよ。一緒に行けばいいんですよね」


「話が早くて助かるわ」


1人で行かせるのは、やっぱり心配だしな。



俺達はその言われた場所に向かった。



「よしちゃんと逃げずに来たな!」


「一つだけ聞きたいんですけど、なんで俺も一緒に呼ばれたんですか?」


なんとなく聞かなくてもわかるような気がするけど。


「そんなん決まってるだろう。雲雀さんにお前らを同時に始末しろって言われたんだよ」


「なるほど、それでその肝心の雲雀さんはどこにいるんですか?」



俺は麻衣の一歩前に出てそう言った。



「馬鹿言えお前なんて雲雀さんが相手するまでもない!」


「わかった、俺のことは好きにしていいから麻衣さんは解放してくれ!」


俺は手を上に上げながらそういった。


「ちょっと何言ってるの!」


「そういうわけにはいかねえなぁ」


男達はそう言いながら俺達の腕を掴み無理やり倉庫の中に入れようとする。


「ちょっと何するの!!!」


「うるせえ、静かにしろ!」


そう言いながら、俺達を倉庫の中に放り込んだ。


「せいぜいこの中で死ぬまでもがけ」



そう言って男達は笑みを浮かべながら、ゆっくりとその倉庫のドアを閉めて鍵をかけられてしまった。


(ガチャ!)



すると中は真っ暗になった。


「くそ!なんで俺達がこんなことをされないといけないんだよ!」


「とりあえず、ここから出る方法を探しましょうか麻衣さん」


俺がそう言いながら立ち上がろうとすると!


「まって、動かないで!!!」


「麻衣さん!!!」 



麻衣はそう言いながら俺が着ている服をぐっと引っ張る。


俺が麻衣の方を見てみると、暗くてよく見えなかったがだいぶ緊張しているようだった。



「お願いだから動かないで!!!」


俺はいきなりのことすぎて思わず動揺してしまった。


「あのーもしかして枚さん暗いとこ怖いんですか?」



「そんなわけないでしょう、少しくらいところが怖いだけよ!!!」


麻衣は震えた声で取り繕うようにそういった。


自分で怖いって言っちゃってるし。


俺は心の中でそう思ったが、口に出すのわやめておいた。


「そうだ!スマホで電話をすれば!」


俺はそう思いポケットからスマホを取り出して電源を入れようとするが真っ暗な画面のままだ。


「くそ、こんな時に充電切れかよ!」


「あっ、そうだ麻依さんのスマホで電話を!」


ってこんな震えた状態で電話なんてできるわけないか。


麻衣さんの震えがおさまる気配はない。


「あっ、そうだ!」


俺は腕時計のライト機能を使って周りを照らした


「麻衣さん明かりをつけましたよ。これでどうですか?」


俺がそういうと麻衣はゆっくりと怯えながら目を開けた。



「はぁさっきよりは大丈夫になった」


麻衣は俺の服を掴んでいた力をほんの少し緩めた。



だが、やっぱりまだ怖いみたいだ。


「それにしても、ここ物置の倉庫なのに全然何もありませんね」


俺は腕時計のライトを動かしながらそう言った。



「ここにあったものは全部別の倉庫に持っていったみたいだからね」


「そうなんですね」


「ねえ…何か話してくれない?そうしてくれないとなんだか余計に怖くなってきそうで」


麻衣が震えた声でそう言った。


「そんな無茶ぶりされても、俺にそんな コミュ力はないですよ」


「ほらコミュニケーション力は社会にとって重要なきっかけになるから、鍛えておいて損はないと思うけど」


「なんでいきなりそんな話になるんですか!」


「そんなに言うんだったら、麻衣さんが何か話してくださいよ」


「え!私が」


「はい、そうです」


「うーん」


俺がそう言うとは少し考えているようだった。



「ないな」


俺がそう言うと麻衣は 少し考えているようだった。


「やっぱり!麻衣さんもないんじゃないですか!」


「しょうがないでしょう今まで友達がいたことはなかったから、何を喋ったらいいのかわかんないの!」


麻衣は勢いよく立ち上がってそういった。


「あっ!動けてるじゃないですか」


「ほんとだ」


「どうやら緊張が解けたみたいですね」


「それよりもここをどうやって脱出するかよ」


「私今スマホ持ってないし」


「そうだなぁ」


俺は考えた。


「あっ、そうだ!アニメでスマホのバッテリーを手で温めると1分間だけ充電が復活するって言ってたなぁ」


「でもそれで本当に充電が復活するの?」


「けど、やらないよりいいじゃないですか」


「まあ、そうだけど」


俺は早速スマホのバッテリーを取り外して手で温めた。


よしこれではめ直してっと。


するとスマホの電源がついた。


「よし、これで!」


俺は急いでティーナに電話をかけた。


「もしもしりく…」


「訳あって倉庫に閉じ込められた早く助けに来てくれ頼む!!!」


「わか…ったすぐに…行く!」


しばらくして。




(ガチャ!)


「大丈夫…りく!」


「ティーナ来てくれてありがとう」


「うん」


「よかっ…た麻衣さん…も無事で」



俺達はそれぞれ自分達のクラスへと戻っていった。


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