第10話風紀委員長

俺がいつものように学校に向かっていると目の前にティーナがいるのが見えた。


「ティーナ」


俺は少し小さめのでティーナに声をかけた。


するとティーナは後ろの方にいる、俺の方に顔を向けた。


「りく…おは…よう」


「ああ、おはよう」


「りく…昨日…わありがとう…ね」


「全然大丈夫だよ。とりあえず風邪が治ってくれてよかった」


俺はそう言いながらあの時見たティーナの白い肌が頭の中に浮かんだ。


って!何考えてるんだ、俺は!


「りく…どうか…した?」


「あっ!いや、何でもないよ!」


俺は思わずその言葉に動揺してしまった。


そして俺達は学校に行って自分のクラスに行こうとしたその時!


階段のところで雲雀の親衛隊の男達が女子生徒と何か言い合いをしているようだった。



その瞬間男の一人がその女子生徒に殴りかかった。



俺に手が出せなくなったから、標的があの女子生徒に移ったのか。



「りく!」


女子生徒を殴ろうとしていたその男子生徒の手は俺の顔面に直撃した。


(ゴン!)


「陸!なんでお前が出てくんだよ!」


「おい、お前ら何をやってるんだ!」


たまたま階段の近くを通った先生がそう言った。



「やべえ!行こうぜ」


男子生徒達はそう言いながら、その場を去った。


「いててて」


俺は殴られた頬を手で抑えながら立ち上がった。


「あなた大丈夫?」


助けようとしたはずが、逆に心配されるなんて。


「えっと、あなたは確か隣のクラスの兵藤陸くんよね」


その女子生徒は俺の名前を迷うことなくいい当てた。


まずい、俺この人のこと全く知らない!


「私はこの学校の風紀委員をしている、1年の古手川麻衣こてがわまいよ」


俺が覚えていないことが分かったのか、自己紹介をしてくれた。



麻衣は凛とした顔立ちをしていて。


その麻衣の髪型は黒髪のロングヘアで目は少し鋭い目付きをしていて大きな胸はおそらく制服を着ていることによって、更に強調されている。


なんだか厳しそうな人だな。



俺は心の中でそう思いながらも麻衣の心配をする。



「そんなことより麻衣さん大丈夫でしたか!」


俺は心配そうな顔をしながらそういった。


「ええ、大丈夫よ、助けてくれてありがとう。それじゃあ」


麻衣はそう言いながら階段を登って去っていった。


「りく…大丈夫!」


ティーナは少し慌てながら俺に駆け寄ってきた。


「ああ、大丈夫だティーナ心配しなくていい」


俺はそう言いながらゆっくりと立ち上がった。


「それじゃあ、クラスに行くぞティーナ」


「うん」


そして、俺達は自分達のクラスへと向かった。



俺達はいつもと同じように授業を終えた。


「ねえ…りく…今日お昼…一緒に…屋上で…食べない?」


「ああいいよ、今日ちょうどいい天気だし」



俺達が屋上に向かっていると、またあの男子生徒達が麻衣に何か言っているようだった。



「うるせえな、ほっとけよ!」


「ダメよ、制服をちゃんと着なさい!」


「うるせて言ってんだろうが!!!」


男子生徒は、あの時と同じように麻衣に殴りかかった。


「危ない!」


俺もあの時と同じように前に飛び出していた。


(ゴン!)


また、このパターンか!


俺は殴られながらそう思った


「おっ!よく見てみたら、こいつ雲雀さんが言ってたやつじゃないか!」


「よし、それじゃあこいつから先にやるか!」


俺はその男子生徒達にタコ殴りにされた。


俺の意識はそこで途絶えた。



俺が目を覚ますと、店主のベッドで寝かされていた。


左を向いてみるとそこには椅子に座って俺のことを心配そうな顔で見ているティーナと麻衣がいた。


「よかった、目が覚めたのね」


麻衣は、ほっとした表情でそう言った。


「ところで、なんで俺は保健室に?」


「あなたが男達に何十発も殴られて気絶したからよ」


また、俺が助けようとして逆にやられたのか。


まぁ、俺は中学の時に雲雀に殴られられてるから気絶するまで殴られても何ともないんだけど。



「あっ!そういえで!その男子生徒達はどうなったんだ」


「それ…なら…途中で…通りかかった…先生が…止めに…入ってた…よ」


「そうか、それでティーナと麻衣さん怪我してないか?」



俺は心配になりそう聞いた


「うん、大丈夫」


「私も大丈夫よ。男達は先生が来た途端、すぐに逃げていったから」


「そうか、それならよかった」


俺はその言葉を聞いてほっとした。


「よっこいしょと」


「俺はおじさんのような声を上げながら、ゆっくりと立ち上がった」


「まだ、立ち上がっちゃダメよ!」


「大丈夫だよ痛みもないし」


「それにお腹も空いたしな」


「あっ、そうだ!麻衣も俺達と一緒に屋上でお昼ごはん食べないか?」


「えっ!でも私は」


麻衣は俺から少し目を逸らしながら申し訳なさそうにそう言った。


「別に無理にとは言わないけど空の下でお昼ごはん食べたら気持ちいいと思うぞ」


なんであいつらにターゲットにされてるのか気になるしな。


「分かった、一緒に行くわ」



俺達は再び屋上に向かった。



俺が屋上の扉を開けると気持ちのいい風が吹いた。


「やっぱり気持ちいいなぁ」


「それじゃあ、さっそくご飯食べるか」


「うん」


ティーナはそう頷いた後に腰を下ろした。


俺達はご飯を食べ始めた。


「そういえば!なんで麻衣さんあの男達に毎回絡まれてるんですか?」


「言いたくなければ別にいいけど」


麻衣は少し間を置いた後、話し始めた。


「私は前から真面目すぎる性格が理由で友達が一切できなくて」


「それでさっきの男子生徒たちには、なんで絡まれたんですか?」


「私が注意したのが多分気に食わなくて反抗してきたんだと思う」


あいつら前から気に食わないことがあるとすぐに力でねじ伏せようとするからな。



「はぁ」


俺は一息着いた後、麻衣にこう言った。


「俺もさ、前にいじめられててさ。あいつらに」


「それでどうやって抜け出したの?」


「俺はティーナに背中を押されて決心することができたんだ」


「えっ!私が」


ティーナは少し首を傾げながら、そう言った。


「あっ、そうだよ、俺はティーナのおかげで変わることができたんだ」


「私がもうちょっとうまくやってれば、こんな事にならなかったのかな」


麻衣は少し悲しげな表情を浮かべながら、そう言った。


「いや麻衣さんは何も悪いことしてないよ。ただそれをシカトされただけだ」


「俺なんてこれまでシカトされたことなんて数えきれないほどある」


俺は笑い話っぽく、そう言った。


「それ笑い話なの」


「まぁ、とにかく気にしない方がいいよ」


「そうね、そうするわ」


俺がそういった後ティーナが立ち上がった。


「どうしたんだ、ティーナ?」


ティーナはゆっくりと枚に近づいていって手を出した。


「どうしたの?」


「まいさん…私と…友達に…なってください!!!」


「え!私と?」


「うん…ダメ…かな?」


ティーナは少し不安そうな顔でそう言った。


「麻衣さん…となら…いい…友達に…なれる…気がするの!」


「いいんじゃないか2人ならきっと良い友達になると思うよ」


「ダメ…かな?」


ティーナは恐る恐る、もう一度聞いた。


「それじゃあ、よろしく」


麻衣はそう言ってたからティーナと握手をした。


「うん…よろ…しく」

 


面白かったら 星3つ つまらなかったら 星一つ 正直に感じた気持ちでもちろん 大丈夫です。


最後にブックマークもいただけると嬉しいです。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る