第6話友達と初めてのゲームセンター

「そろそろテストだけど最近の点数はどんな感じなの陸?」


母さんはいつものように俺にそう聞いてきた。


「まぁ、普通かな」


「嘘つけいつも普通の点数以下じゃない!」


「わかってるんだったら聞く必要ねーじゃねーか!」


「今日の朝9時にティーナの家に勉強を教わりに行きなさい!」


「そんな急に行ったら迷惑だろう!」


「大丈夫、昨日お母さんに会って聞いてみたら全然いいって言ってたから」


なんて行動力の早さなんだ!


俺は心の中でそう思った。


「わかった。9時になったら行くよ」  


俺はそういった後テレビに録画していたアニメを見始めた。


俺が見ている基本的なアニメは、ラノベ原作のものだ。


俺がアニメを見てると気が付けばもう時間が8時になっていた。


「やばい、急いで支度しないと!」


俺は急いで着替えてティーナの家に向かった。


考えてみれば、家がすぐ隣だから、そんなに急がなくてもいいような気がするのだが。


まぁ、いっか。


そう思いながら俺はティーナの家のチャイムを押した。


(ピンポン!)


中から出てきたのは私服を着たティーナだった。


「あ!りく…早かった…ね」


「あら…いら…っしゃい」


「どうも、お邪魔しまーす」


俺はティーナのお母さんにそう、挨拶をして中に入った。


「あまり他の人んちって言ったことないからなんだか緊張するなぁ」


「そんな…に緊張し…なくても…大丈夫…だよ」


「ありがとうございます」


「とりあ…えず…そこに座って…て

ね」


俺はそう言われて座布団が置いてある場所に座った。


『りく歴史でも分からない部分があるから教えてくれる?』


『いいんだけど、俺も数学で分からない部分があるから教えてくれるんか』


『うんわかった』


そして、俺達は早速勉強を始めた。


『なぁティーナここってどうやれば解けるんだ』


『これは5を先に足して3本こっちに持ってくれば』


『ほんとだ、簡単にできた!』


『ティーナて教えるの上手いんだな』


『そんなことないよ』



『どうしたの?りくじっと見て』


『ああ、いつもティーナの制服姿しか見てなかったからなんか不思議な感じがして』


『そう言われてみれば学校だと制服しか着ないもんね』


ティーナが着ているシャツは綺麗な白い色の服で下のズボンは少し薄めのピンク色だった。


『それじゃあ私はちょっと買い物に行ってくるから2人は勉強しててよね』


「はい、分かりました」


ティーナのお母さんはそう言って買い物に出かけた。


『歴史の部分で私が教えて欲しいところがあるんだけど?』


「どこだ!」


俺がそう言うとティーナが分からない部分を指差すが全くわかんなかったのでスマホで調べることにした。


『ああ良かった出てきた出てきた』


俺達はスマホに出てきた答えを書き写していった。


『あっ、そうだ!りくが良ければでいいんだけど、メールの交換しない?』


…えーーー!!!メール交換!



俺の頭の中でしばらく理解することができなかった、その後に雷に打たれたかのような衝撃が来た。



『悪いティーナうまく聞こえなかった、もう一回言ってくれ』


『もしよかったらメールの交換ダメかな?』


聞き間違いじゃなかった!


『俺でよければ全然いいけど』

 

『ほんとよかった』


ティーナは嬉しそうな表情でそういった。


『初めて学校の友達でメールをもらった相手がりくでよかった』


俺がメールの交換をしたのはこれが人生で初めてだよまず!



そんなこと言われたら俺のことを好きだと勘違いしてしまいそうになるじゃないか!

 

俺は分かっていながらも、そう思ってしまった。


俺はしばらく時間が経っても胸の奇妙なドキドキがおさまらなかった。



『それじゃあ、少し疲れたから休憩しようか』


『そーだな、ずっと勉強やり続けてても疲れただけだもんな』


『それじゃあ、私はやりきって良いものを見せてあげる』


ティーナはそう言いながら、俺の手を引っ張って自分の部屋に連れて行った。


その部屋のベッドの上には可愛いうさぎのぬいぐるみや色々なぬいぐるみが置いてあった。


『それで俺に見せたいものってなんだティーナ』


俺がそう言うとティーナは本棚の上に置いてある綺麗な砂が入ったおもちゃを取って、俺に見せてきた。


『ティーナこれは?』


『お父さんが昔買ってくれたの綺麗でしょう』


『ああ、とても綺麗だ』


俺はティーナにそういった後周りを見渡した。


『ティーナの部屋の中って、ピンク色のものが多いんだな』


『うん、好きだから!』


ティーナは笑顔で俺にそう答えた。


『ティーナ別にどうでもいいことかもしれないけどあのベッドの上に置いてあるぬいぐるみUFOキャッチャーで取ったのか?』


『ううんこれはお母さんが買ってくれたの』


ティーナはベッドの上に置いてあるぬいぐるみを俺に見せながらそう言った。


『そうなのか、てっきり、結構いっぱいぬいぐるみがあるから、UFOキャッチャーがうまいのかと思って』


「あ!」


「ティーナ!!!」


俺は転びそうになっているティーナを支えようとしたが。


俺はティーナの上に乗っかるように転んでしまった。


俺とティーナの周りにその瞬間変な緊張感が生まれた。


「……あのーりく…どいて…くれないと…私が…起き上がれない」


ティーナは恥ずかしそうに目を俺から逸らしながらそう言った。


「ああ、悪い」


俺は少し緊張しながらゆっくりとどいた。


…………






どうしよう、なんか変な空気になっちゃった。


俺が助けようとしたからか!


『あのーりく助けようとしてくれてありがとう』


ティーナは恥ずかしいからなのか俺の反対を向きながら言った。


『いや…とにかく怪我がなくてよかったよ』


くそ!この後、何を喋ったらいいかわからない!


そもそも俺はティーナと出会うまで、女の子とまともに会話したことなんてなかった。


何を話したらいいんだ何を!


その沈黙の中、先に口を開いたのはティーナの方だった。


「あ!りくが…よければ…なんだ…けどせっかく…だから…電話番号…も教えてく…れない!」


「ああ、そうだなせっかくだから交換しておくか!」


そして、俺たちは電話番号の交換をした。


『ただいま2人とも勉強進んでる?』


『今から夜ご飯作るから、ちょっと待ってね』


『せっかくだからりくも家で、ご飯食べていきなよ』



ティーナが笑顔でそう言った。


『そうだよりくくんも食べてってよ』


『それじゃあ1回家に電話入れますね』


「もしもしお母さん今日ティーナの家でご飯食べてっていいかなぁ?」


「いいけど、あんまり迷惑かけないようにしなよ」


「うん、わかってる」


俺はそういった後、電話を切った。


『それじゃあ食べていっていいですか?』


『もちろん』

『もちろん』


ティーナとお母さんは口を揃えてそういった。


そして、しばらくして。



『はい、出来たよ。今日の夜ご飯はトマトパスタだよ』


『それじゃあいただきます』


俺達はそう言ってご飯を食べ始めた。


『最近ティーナ帰ってきてすぐりくくんの話をするのしかもずーっと』


『ちょっとお母さん!』


ティーナはその話を聞いた瞬間口に指を当ててお母さんに向かって恥ずかしそうにシーと合図をする。


『でもまあとにかく最初は心配だったけどティーナが笑ってる表情を見せてくれてよかったよ』


『それもこれもりくくんのおかげだよ、ありがとう』


『いえいえ、むしろ俺が助けてもらってる方が倍ぐらいで』


それからも色々な話をしながらご飯を食べた。


しばらくして俺は家に戻った。

面白かったら 星3つ つまらなかったら 星一つ 正直に感じた気持ちでもちろん 大丈夫です。


最後にブックマークもいただけると嬉しいです。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る